イングランド南西部の古都、ウィンチェスター Winchester、続きです。
ウィンチェスターといえば、有名な ウィンチェスター大聖堂 Winchester Cathedral。
1079年に建立されて以来、巡礼の目的地として中世の頃には大盛況だったウィンチェスター。
現在でも重要な史跡遺産で、もちろん大切な観光資源でもあります。
今回、11月末に訪ねた時、大聖堂の境内ではクリスマス・マーケット Winchester Christmasmarket が開かれていました。
日暮れ後、クリスマス気分を盛り上げるためか、正面が赤くライトアップされていました。火事みたい。あるいは暗がりであごの下に懐中電灯の光を当てた「怖い顔」を思い出させる不気味な演出です。
正面向かいの小さな広場の戦没者慰霊塔です。(その背後にもマーケットの小店が並びます)赤いライトアップは戦没者に捧げる赤いポピーと関係がある?...いや、絶対ないです!
(追悼のシンボル、赤いポピーのリースが青空のもと鮮やかな日中の戦没者慰霊塔です)
正面を右がわのバトリス(横壁からのびている支え)の間に並んだ小店はスタンダードな白く灯ったライトアップでけっこういい雰囲気でした。
大聖堂の境内いっぱいに広がり歴史的なバックグラウンドを背景に見た目はステキなクリスマス・マーケット、欲しいと思うものを何ひとつ見つけられませんでした。
英国の、大陸ヨーロッパのクリスマスへのロマンチックな憧れを体現したマンチェスターの超大な規模の、「元祖クリスマス・マーケット」はもともと「ジャーマン・マーケット」とよばれていたドイツ物産展のような品ぞろえでした。今でこそ、ドイツ臭はかなり薄まっていますが、ヨーロッパ各地の食べ物や生活必需品など、ヨーロッパの非日常的な雰囲気にのまれてついつい何か買ってしまいたくなるものです。
...それに比べるとウィンチェスターのクリスマス・マーケットは...地元作家の工芸品や個人輸入した飾り物や装身具などプレゼント需要に特化した(お値段もかなり高めの)の品ぞろえでクリスマス・マーケットだからこそ、これを買わなきゃ!という高揚感はありません。なんだか地元の零細ビジネスを応援するためのイベントのように(私には)見えました。
以上は個人的な感想です。
大聖堂正面に店開きしていたミュールド・ワイン(薬草が入った甘いワイン)とチューロ(スペインのドーナツ)を売る金ぴか愛国調屋台です。王室の紋章モチーフ、ユニオンフラッグ、ネルソン提督、エリザベスII世女王、ビクトリア女王の肖像...でもなぜ?
12月の週末は、クリスマス・マーケット目当てに観光バスが何台も乗り付け、身動きできなくなるほど人でいっぱいになる(友人談)、そうなので評判はいいようです。9年前に訪れた時にもマーケット開催中でした。当時まだ2回目ということでしたので、新しい催しのようです。
本題に戻ります。ウィンチェスター大聖堂はアングロ・サクソン時代(アルフレッド大王の頃)の小さな僧院が起源だそうです。
(写真を見て気が付きました。明るい昼間からもう赤いライトアップの灯がともっています。なぜ?!)
その後規模が拡大し大聖堂に発展、建造が始まったのがノルマン時代の1079年。それ以後、1532年まで増築、建て替えがつづき、中世の建築様式がごちゃ混ぜのとても興味深い建築物です。
1079年建造の一番古い部分が現存します!!
右側の正面入り口から長ーく延びるネイブ nave (身廊)と交差する三角形の南北トランセプト North and South transept (袖廊)と、その上の四角い塔がノルマン時代のオリジナルです!...それと地下のクリプト cript ...他の部分は12世紀から15世紀にかけての、 前後期ゴシック様式による新改築です(それでも古い!)。...後述します。
ヨーロッパで一番長いネイブを持つ宗教建築だそうです!礼拝をとりおこなうチャンセル(内陣)のさらに後ろにもダラダラと延びる長い長ーい一直線が異例なレイアウトのウィンチェスター大聖堂。
今回、べらぼうに高い入場料(12ポンド)を払って入場しました。
12ポンド(2,164円)はここでも1年間何回でも入場できる「年間パスポート」料金です。他のオプションはなし。1回しか入場しない観光客が年間料金を払わされるのはやっぱり割に合わない気がします。
家に泊めてくれた友人は用事があったので別行動、私1人で大聖堂見学をして...よくないことなんでしょうけど...「年間パスポート」チケットは現地に住む友人にあげてきました。私は友人を訪ねて、1年以内にもしかしたらもう1回ぐらい行く機会があるかもしれません。その時はそのチケットを借りるかもしれません ... 高額の入場料はあくまでも貴重な「史蹟遺産」保護のための寄付金であるはずです。友人間のみみっちいチケットの貸し借りはやっぱりよくないのかもしれません。(まあ、いいか...チケットに名前を書かされたわけではなし)
大聖堂の敷地内でのナマグサな商業活動(クリスマス・マーケット)も、そういえば維持費、修復費のための財源確保手段なのでしょう。
留学最初の1年を過ごし、マンチェスターに移ってからここ30年ほどの間に、10回は訪れているウィンチェスターですが、入場料をとるようになってからたぶん20年以上、大聖堂には入っていません。今回、本当に久しぶりでした。
信者ではない私ですが、いつでも誰にでも開放されるべき祈りの場である大聖堂に入るのに入場料をとることに疑問を持っていました。
ウィンチェスターに住んでいた短期間の間、入場無料だった大聖堂にたびたび入ってただボーっと座っていたものです。
今、思えば素晴らしい経験でした。...その当時から20年間ほど、ウィンチェスター大聖堂はいつ行っても外壁のどこかを足場で囲われ、見苦しい覆いをかけられて修復中だったのです。
大聖堂の堂々たる外観を覆いなしではじめて見た9年前、修復にさぞお金がかかったことだろうことをおぼろげながら理解できました。。やっぱり仕方ない、12ポンドの入場料...(1年間有効ですし)
ウィンチェスターの通りで見かけたかわいい家です。
ヨーロッパより暖かそうなブラジルでもクリスマスには暖かいワインを飲むんですね。貴重な情報です。ありがとうございます。
もともとは大陸ヨーロッパの習慣だと思います。
クリスマス は 寒いから
暖かい ワインを 飲みながら
歩くのでしょうね
ブラジルでも
僕の居た ポルトアレグレの 田舎街
ノボハンブルグ では クリスマスの夜に
暖かい ワインが 出てました
少しづつ 思い出します
ありがとう ございます