イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

空前の逮捕者数、マヌケ者のあぶりだし、先週の暴動の顛末

2024年08月09日 06時04分11秒 | 英国の、生活のひとコマ

ストックポート日報、1週間ぶりの更新です。

「極右/移民排斥主義者(=白人至上主義者/人種差別主義者)の暴動」のその後。

写真は酷暑のスペインから避暑に来ている息子(現在ホテルのシェフです)がうちで調理してくれたイングリッシュ料理です。ー番上はロースト・ビーフ。息子はグリーンピースをつけるのを忘れたと悔しがっていました。

8月3日(土)と4日(日)に、極右 far-Right によって意図的に引き起こされた大規模な「抗議活動 protest」... とは名ばかりの、実質は非常に悪質な破壊、略奪、暴力行為が主体の暴動 riot についての前回の記事のリンクです。

先週から週末にかけての英国の極右暴動と暴徒たちのバカ者ぶり

5日(月)あたりから、暴動に参加した人たちの逮捕が相次ぎ、異例中の異例の速さで有罪判決が下されています。暴力行為が立証された暴徒のほとんどが実刑判決を受けています。

現行犯逮捕された人はもちろん、何万とも言われる非常に多数の犯罪行為真っただ中の動画や画像が撮影され、SNSで大拡散されているため、ほぼすべての被告人の罪状は簡単に立証できます。(スマートフォンカメラとSNSの威力はすごいです。撮らせる暴徒のバカさ加減も特筆ものです)

...1週間たった、昨日12日(月)夕方までに逮捕者は約900人、うち466人が起訴されています。英国は「動乱国家」か!?という勢いの不穏さです。

息子が自分のお皿に盛りつけた大盛りのロースト・ビーフです☟

 

(3日と4日の)週末明けに実刑判決をくらった暴徒たちの凶悪そう(あるいは大マヌケ顔)にうつった顔写真が、終日ニュースで流れまた新聞の第ー面を飾りました。各地の逮捕者の氏名ー欄がニュースやオンラインで公表されています。

英国のいわゆる「name & shame 氏名を公表、恥を知れ」式の懲罰ですね。賛否両論あるようですが、軽犯罪の抑止にはそれなりの効果があるらしいです。

 

週末、軽いノリで「抗議活動」に参加して暴力犯罪、破壊・略奪行為にまではずみで手を染めてしまい週明けに「とんでもないことをした」と冷や汗をかきながら警察に踏み込まれるのを待つ大バカ者の姿が目に浮かびました。

それもあって、5日(月)以降ほぼ毎日、英国中の複数の都市で続いた移民排斥を訴える抗議活動のほとんどが暴行ぬきの普通の「デモ行為」に終始しました。

民主主義国家では言論の自由が保障されていますから、極右だって言いたいことを公に言ってもいいわけです。

そして極右勢力が公的なデモ行為をする場所には必ず多数の「反抗議派 counter-protest」が「反抗議活動」のデモ行為を繰り広げていました。

先週末(10日、11日)には、全国で「ファシズムと人種差別を打ち砕け Smash Fascism & Racism」「移民歓迎 Refusees Welcome」を訴える「反抗議派」が大規模な平和的デモ行為を繰り広げ、多くの国民の支持を集めました。

1週間前に白人至上主義者によって破壊された各地のモスク(イスラム教寺院)に地域の非イスラム教徒(白人)が修復のための寄付や手伝いを申し出たり、キリスト教会のメンバーが「私たちは友達ですよね」とイスラム教徒を抱きしめる動画が投稿されたり融合融和を象徴する出来事が次々とニュースになった先週1週間でした。

移民コミュニティや地元の有志による、暴動でけがをした警官と家族のためのケーキなどの差し入れが地元の警察署に次々と届いているというほほ笑ましいニュースもききました。

...なんだかんだと言っても、インド系移民の子孫が首相になった英国はやはりそんなに悪い国ではない、ということが...とりあえずは...納得できました。

ロースト・チキンです☟私は市販のパン粉を使ってチキンに詰めるスタッフィングを手作りしました。

反移民の「抗議者」の中には「移民の急激な増加に懸念する」ごく普通の市民もいたようです。

移民対策がゆるそうな労働党の新政権に不安感を抱き同志を募って語り合いたいと思っている程度の穏健な右派ですね。そういう人たちは暴動、暴力や、移民阻止とはまーったく関係のない無秩序な略奪行為に発展した今回のー連の抗議活動にはめっちゃくちゃ憤っています。

そういう人たちは「不法入国者には厳しく対処してほしい、安易に難民を受け入れないでほしい、難民として受け入れられた正規の移民は歓迎して融合された社会をいっしょに作っていくべきだ」...と、至極もっともなことを言っていました。

「移民反対」を訴える人たちすべてが必ずしも白人至上主義者(人種差別主義者)でも「極右」でもないことがわかりました。

今回の「抗議活動」は逆効果もいいとこだったわけです。

 

ジャーン!ロースト・ビーフを食べた後、なぜか私1人がやるはめになった洗い物です!(調理中にこまめに使い終わった器材は洗っていたのですが...)

ベジタリアンの夫のための肉なしと私たちのための肉汁入りの2種類のグレイビーも手作りです。

「自分たち先住民族(白人、キリスト教徒)が、侵略者(非白人、イスラム教徒など)から英国を取り戻す」とわけのわからないロマンチックなスローガンを掲げていたのが白人至上主義者 White supremacist(人種差別主義者 racist )です!(大笑い)

...ヒーロー気取りで、しかも頭がわるいため悪いことをしている自覚がなかったようです。どうりで動画に撮られて平気な顔をしていたわけです!

スペインで料理の仕事をしている息子が作ってくれたのは、こってりした(私も作れる)イングリッシュ料理ばかり。イングランドの料理は決してこってりしたものばかりではないのですが、息子が帰国して食べたかった料理がこってりしたイングリッシュのオーブン料理だったのです。さすがに手際がよく感心しました。夕食後は毎日お友達とパブに出かけていました。

 

 

 

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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犬と暮らす日々 (浅井)
2024-08-13 13:23:46
美味しそうな お食事を
 肉抜きのを 含めて 2種類 作るのは
  大変ですね
騒動が 落ち着いた ようで
  良かったですね
返信する
犬と暮らす日々 (浅井)
2024-08-15 16:58:44
白人至上主義者 White supremacist(人種差別主義者 racist )
  知らない言葉 を 教えて
   頂き 深謝
返信する

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