マンチェスターのチャイナタウンで、バルセロナから来て2週間滞在した息子と中華料理を食べました。
都市やその郊外にあるお手頃なテイカウェイ takeaway (持ち帰り)や庶民的な中華レストランで本場のチャイニーズが気楽に食べられるここ英国と違い、民族融合が進んでいる大都市バルセロナでは意外にも食べる機会が少ないそうです。レストランはあるものの、けっこう高級だとか。
そういえばチャイナタウンについて、今までストックポート日報で取り上げたことがありませんでした。
英国には植民地だった香港からの移民が集まって形成された、チャイナタウンがたくさんあります。
公認のチャイナタウンがあるのは...ロンドン・ソーホー、マンチェスター、リバプール(以上は規模と知名度のトップ3)の他に、バーミンガム、グラスゴー、ベルファースト、リーズ、ニューカッスル、ロンドン。
マンチェスターはロンドン・ソーホーに次いで2番目の規模だということを今、知りました!
マンチェスターのチャイナタウンには、高級店から雑然とした食堂風、飲茶専門店、ブフェ(バイキング式)、人気のバブルティー専門店などの中華系飲食店が20軒余、日本(回転ずし、テッパンヤーキー)、タイ、シンガポールのレストランもあります。雑貨、食材店も多数。
あまり写真を撮らなかったので、観光資料から勝手に借りました☟
主な客層は地元の中華系の人。レストランに限って、中華系以外の人も良く利用します。...そもそも観光地としての知名度が今ひとつなマンチェスターに、チャイナタウン目的に観光客が来ることはあまりなさそうです。穴場です!
マンチェスターに住んでいた25年以上前は、私もよく行きました(前の夫が中華が好きだったものですから...その話はおいといて!)
ずいぶんひさしぶりで、迷っていたらやはり以前マンチェスターに住んでいた夫がおぼえていた店にスパッと決めてくれました。
Dragon Oriental という、中華街の門 Chinese Arch に角が面した場所の2階と半地下のレストランです。漢字表記「曼城九龍冰室」の読み方がわかりません...(曼城はマンチェスター、九龍は香港の地名)龍の字はあるけど英語の屋号と違うような...?
街の中の写真を撮らなかったのが残念です。19世紀から20世紀初頭の、マンチェスターが綿工業都市として大いに栄えていた頃の歴史ある立派な建物が並ぶ通りがいくつか、そのままチャイナタウンになっています。
平日限りのランチはスープとメインの2コースで£12-50 (2,382円)。前菜とメインの2コースは£14-50(2,763円)。スープ、前菜、メインの3コースだと£16-50(3,144 円)...お得です。
飲み物は単品で、夫はサッポロビール、私と息子は強烈に甘い「アイス・レモンティー」を飲みました。
ベジタリアン向きも多彩、夫が注文した中華風あんかけ厚揚げ豆腐と野菜の春巻きです。
私と息子はワンタンスープと卵とチキンのスープを注文しました。息子は単品で春巻きとスペアリブも。
緑の千切りは「シャリシャリ海藻 crispy seaweed 」として知られる甘辛く揚げたキャベツです。
ベジタリアンの夫はたいていチャイニーズレストランで黄色く、甘口のチャイニーズ・カレーを注文します。
私が必ず注文するのは硬い麺 crispy chowmein です。これ、イングリッシュ人は絶対に食べないそうです!何人もの中華系テイカウェイ経営者にそう言われます。「あなた日本人?日本人は食べるの?」と聞かれたこともあります。
炒めていないグズグズの麺が、とろみのついたソースに混ぜ込まれたものが英国ではー般的です。私は中華系の人だけが好む「パリパリの麺 crispy chowmein 」とわざわざ言って特別に注文します。(たいてい嫌がらずに応じてくれます)
地元の中華系の客が半数を占めるこのレストランのメニューには、やわらかい麺と硬い麺の選択肢がありました。。
麺類のソースは醤油、オイスターソース等々多彩な味から選べ、さらに具材が選べます。私のは「コショウ pepper sauce 」とエビ king prown の組み合わせです。
息子が食べたのは...ブタ肉とトリ肉の...甘酢味の...なんだったか忘れました。
欧米人は(以前にも詳しく書きましたが)必ずと言っていいほど盛ったご飯を突き崩し濃い味のソースにビチョビチョ浸してズルズルにして食べます。お茶碗に盛られたご飯もポイッとスープやソースに投入して食べます。夫も2人の子供たちも同様です...
家で私が作った日本(風)の料理を食べる時は私が嫌がるのでやめてくれるようになりましたが...中華レストランではとどめようもなく野放しです。
スペインで調理師をしている息子が、注文を聞きに来た店主らしいおじさんにいろいろ質問しました。(息子は実際は英国籍なのですが)「自分は日本人だ」と言うと喜んでくれて、必ずその人がテーブルに来て世話を焼いてくれました。
以前は蝶ネクタイのウェイターばかりの硬いイメージのレストランだったそうです。壁にはおなじみの龍の額絵...(夫談)
今は、漢字の店名が入った黒いTシャツを着た中華系の若いウェイトレスばかりの明るい雰囲気でした。
「あの子カワイイ!」と息子が目にとめた、とてもきれいなウエイトレスがいました。息子、何しに来たんだ?
美味しかったです。また行きたいです。おススメできます!
英国で食べられる中華料理はほとんどが、香港から移民してきた中華系の人たちの故郷の料理、広東料理、本格的です。(定住がはじまって70年ぐらいのあいだに現地好みにいろいろ変えてあるんでしょうけど)
日本で30年以上前、「日本の中華の主流は上海料理である」と詳しい人に聞いたことがあります。
調べてみたらそれが間違いではないものの、戦前に日本で中華料理を広めたのが上海出身の人だ...ということでした。現在は四川、北京宮廷料理の流れをくむもの、もちろん広東も台湾料理もあり、日本で食べられる中華料理は多彩なようです。人気1番はやはり広東料理だとか。
日本でおなじみ、麻婆豆腐、棒棒鶏(バンバンジー)、青椒肉絲(チンジャオロースー)は四川料理だそうですね。英国ではー般的ではありません。麻婆豆腐はマッポー mapoと呼ばれてロンドンあたりでは人気だそうですが、この店にも、私たちがたまに利用するストックポートのテイカウェイ(数軒)も提供していません。
麻婆豆腐、食べたいです!これまた日本で人気の杏仁豆腐も英国では見つかりません。
英国では完全に日本料理として(!)親しまれているギョーザ、ラーメン、それと、やはりこちらでは見かけない肉まんは北京系だそうです。(探せばあるのかもしれません、冷凍は中華スーパーマーケットに行けばあります)
このドラゴン・オリエンタルにも「四川料理」と銘打ったピリ辛ものと、北京ダックがありました。
チャイナタウンの多くのレストランのメニューは英語と漢字併記で、この店のように鮮やかなカラー写真付きもあり、注文しやすいです。写真を指差して「これとこれ」と注文することも可能です。チャイナタウンの外では英語ー本建てで写真もなく英国ー般流を踏襲しているのが普通で...けっこう不親切!日本では「ファミレス」やチェーン展開のレストランに限らずたいていレストランのメニューに写真があってわかりやすいですよね。
英国に住む香港系の中国人は概して言えば日本人に親しみを持って親切に接してくれることが多いです。
ウイッキペデアの資料写真を勝手に借りました☟
マンチェスターには結婚式に参列するための夫の夏用のシャツを買いに行ったのです。
物価が安いことで知られるスペインのほうがブランド物の衣料品が高いそうです。息子はスポーツ衣料をたくさん買い込んでいました。