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〈牧口先生 生誕150周年記念特集㊦〉

2021年06月08日 | 妙法

〈牧口先生 生誕150周年記念特集㊦〉 子どもの幸福のための教育を社会へ ブラジルSGI教育本部の挑戦2021年6月8日

ソニア・カトウ教育本部長に聞く
牧口先生の哲学と実践を展開する「創価教育アクション」を推進
 
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 牧口常三郎先生から戸田城聖先生、池田大作先生に受け継がれた創価教育は世界へ――「牧口先生生誕150周年記念特集㊦」では、価値創造の教育実践を展開するブラジルSGI(創価学会インタナショナル)教育本部の取り組みについて、ソニア・カトウ教育本部長に聞いた。また各地の創価教育機関を紹介する。

 ――ブラジルSGI教育本部の歴史を教えてください。

 1984年、池田先生の3度目のブラジル訪問の際、15人でスタートしました。
 当時のブラジルは、15歳以上の非識字率が約18%。そこで、教育本部として、読み書きができない人に対する「識字教育運動」のボランティアなどに取り組みました。
 しかし、90年代に入っても教育環境は改善されず、教育改革が国の最優先課題になっていました。
 そうした中、94年4月にポルトガル語版の『創価教育学体系』が発刊されます。“教育の目的は「国家のための人間」づくりではなく、「子どもの幸福」である”との牧口先生の哲学を学び、私たちは改めて教育改革への誓いを立てました。
 そして同年9月、識字教育の場を提供してくれたサンパウロ市内の州立カエタノ・デ・カンポス校の小学2年の一つのクラスで、「牧口教育プロジェクト」を開始したのです。
 このプロジェクトは、保護者を交えた、児童との共同の手作業で、園芸や図工などを実施するものです。
 例えば園芸の場合、児童は野菜の栽培を通して、「生命を育てる」ために、多くの準備や心配りが必要であることを学びます。
 また収穫した野菜の葉を使ったサンドイッチを家族に食べてもらい、「おいしい」と笑顔になるのを見て、子どもの喜びもさらに増すのです。
 子どもたちは、育った野菜は、食べる人に栄養を与えるだけでなく、心まで豊かにしてくれることを全身で感じます。
 一枚の葉がさまざまな「関係」を生み、「価値」を生んでいく。その過程を「体験させる」ことに主眼を置き、知恵を絞り、さまざまな授業に応用していきました。
 こうした情操教育に取り組んだ学校関係者からは「学校の空気が変わった」「教育への自信を取り戻した」との声が聞かれ、子どもたちからは「学校に行くのが楽しみになった」などの声が多数、届けられたのです。
  
 ――「牧口教育プロジェクト」は全土に広がっていきました。

 教育本部のメンバーが中心となり、セミナー、シンポジウムなどを開催し、情報交換をしながら、より良い活動ができるように研究を進めました。内容は多様化し、地域や学校の実情に合わせた形でプロジェクトを展開できるようになりました。子どもたちの成長につながる教育はもちろんのこと、「創価教育を実践する教育者」の育成も果たし、大きな教育改革運動になっていったのです。
 2001年には、各地での取り組みをまとめた『牧口実践教育――平和への教育』を発刊。元サンパウロ大学総長のモラエス氏からは「本書の発刊は、ブラジル教育界にとっても大変に誇り高いことです。誰もが幸福を求めています。だからこそ、牧口教育の種子が、さらにブラジル教育界、社会に広がっていくことを望みます」との評価と期待が寄せられました。
 「牧口教育プロジェクト」はこれまで、公立校を中心に920を超える学校に導入され、21万人以上の子どもたちが授業を受けています。

 ――2019年、「牧口教育プロジェクト」の名称を「創価教育アクション」に変更したと伺いました。

 「牧口教育プロジェクト」は、牧口先生の教育哲学と実践をブラジル社会に広げていくものです。長年にわたって運動を進めていく中で、理解は大きく深まり、各界からも評価されていきました。だからこそ私たちは、牧口先生から戸田先生、そして池田先生に受け継がれた「創価教育」が、より広く、また深く展開されるべきだと考えたのです。
 「創価教育アクション」は、公立学校、教育委員会、社会教育・文化機関などで展開されています。1カ月に一度、学校が指定する“教師の共同作業の時間帯”にワークショップを実施している所もあります。
 特筆すべき点は、学校向けの教材を作成していることです。
 現在はコロナ禍で、教育現場を訪れて研修することが難しいため、各地の教育本部のメンバーとオンラインでワークショップを行い、「創価教育アクション」の実践方法を教えています。
  
 ――「創価教育アクション」のほか、教育本部ではどのような活動をしていますか。

 現在、七つのプログラムを柱に、オンラインで活動を行っています。「読書推進運動」「識字教育」「創価教育アクション」「保護者・生徒への人間主義指導プログラム」「社会環境教育」「アートワークショップ」「創価教育応用研究グループ」です。これら全ての根幹には牧口先生の「子どもの幸福のための教育」との理念があり、三代の師弟に脈打つ創価教育の哲学をブラジル全土に広げるという使命感があります。
 ブラジルでは、牧口先生が提唱された半日学校制度が、法律に基づく制度になっているなど、先生の普遍的な教育思想が広がる土壌が整っていると確信しています。
 「智慧と勇気と慈悲を根本とした創価教育の主体者たれ」とのブラジルSGI教育本部のテーマを胸に、創価の人間主義の哲理を体現する教育者の連帯を拡大していきます。

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