〈信仰体験〉 どんな時も師匠を心のど真ん中に2021年5月27日
- 制御盤設計会社の代表取締役
- 念願の自社工場を建設 個人会館も
【大阪府八尾市】「“自分の時間はなんぼでも広布のために”という心意気で、一分一秒も無駄にしないと日々祈っています」。そう語る仲程長英さん(51)=地区部長=は、「㈲楓電機」の代表取締役を務める。工場の生産ラインを動かす「頭脳」の役割を担う「制御盤」を設計・製造する。仕事が多忙で学会活動から離れたこともあったが、今こうして信心根本に祈れるようになったのは、自身の過去の失敗と、支えてくれた同志の存在があったからだ。
<夫が広布のために時間を使えるように>。妻・勝子さん(53)=支部女性部長=は、ご祈念項目の最初に一番の願いを掲げた。妻の強盛な祈りと競うかのように、仲程さんの仕事は多忙を極めていた。
仲程さんの信条は“仕事は断らない”。高校卒業後から働いてきた前職の電気設備製造会社で、その精神をたたき込まれた。29歳で「楓電機」として独立してからも大切にしている。
独立後すぐに、大きな仕事が舞い込んだ。大手製薬工場のメインラインを動かす制御盤の設計を担当することに。この案件だけでも大変だったが、仲程さんは来るもの拒まず。並行して他社からの仕事も引き受けた。「まだ若かったし、何とかなると思ってたんでしょうね」
午前8時から午後7時まで徳島の製薬工場で作業し、車を走らせて大阪に戻る。そして深夜に別の仕事。翌朝にはまた徳島へ。フラフラになりながら働き続け、御本尊の前に座る余裕すらなかった。
ある時、疲弊しきった仲程さんを見て大阪の顧客が言った。「もうあんた無理やろ。別のとこにお願いするわ」
自分の力量の無さを痛感した。最後までやりきれなかったことが申し訳なくて仕方なかった。
“このままじゃ、あかん”。仕事の姿勢を見直した。信条は貫きながらも、綿密にスケジュールを管理。納期面で難しい案件であれば、同業他社を探して依頼するなど、顧客のために最善を尽くした。また、前職の社長が協力会社を紹介してくれ、マンパワーも充実した。
何より変えるべきは、「信心の姿勢」だと頭では分かっていた。でも、その後も仕事に振り回され続け、なかなか変えられない。そんな時、得意先から1000万円を超える不渡り手形をつかまされるところを、不思議にも回避できたことがあった。“守られた”と安堵する一方で、信心をおろそかにしていたことを改めて猛省した。
“一体、何のための仕事なのか。何のための人生なのか”――24歳で創価学会に入会し、参加した大阪城ホールでの「関西栄光大文化祭」(1994年)がよみがえる。この時も仕事が忙しかった。それでも、必死に組み体操の練習に駆け付け、また職場に戻るような日々を送っていた。文化祭当日、池田先生と初めての出会いを刻んだ。フィナーレでは涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら「常勝の空」を大合唱した。
あの日の誓いを思い起こし、仲程さんは決心する。“仏法と師匠への求道の心を燃やすんだ。師を心のど真ん中に置いて、信心根本に挑戦しよう”
支えてくれた妻の存在も大きい。前職で出会い、信心を教えてくれた。帰宅が遅くなっても、妻が祈っている姿を何度も見てきた。時には、妻に引っ張られて対話に歩いたことも。
多くの同志にも励ましてもらった。仕事と活動の両立について教えてくれた自営業の壮年部員。宿命転換を懸けて折伏に挑戦することを応援してくれた婦人部(当時)や男子部の先輩。恩返しの思いで祈り、活動にしがみついていった。
これまで長期の海外出張もあったが、断るようにした。家計を直撃することになるが、妻も背中を押してくれた。その分、時間と心にゆとりが生まれ、思う存分、学会活動に打ち込めるように。同僚への弘教も実った。
その後、仕事にも変化が起きた。大阪中心だった事業が全国に拡大。取引する営業所が増え、売り上げも順調に増えていった。「信心で立ち上がれば、必ず道は開けることを実感しました」
そんな中の2012年(平成24年)、今度は仲程さんを病魔が襲った。突然、激しい腹痛に見舞われ病院へ運ばれると、「急性膵炎」との診断。40度以上の高熱に意識障害を起こすなど重症化した。
「命に関わるかもしれません」。重い宣告にも勝子さんは毅然としていた。「“絶対に夫を死なせてなるものか”と祈り抜きました。地区の皆さんも祈ってくれて」。仲程さんの病状は快方に向かい、1カ月後には職場復帰を果たす。
今年で創業22年。6年前には、自社工場を建設することができ、仕事の幅はさらに広がった。社名の由来である長女・楓さん=華陽リーダー=も共に働く。頼もしい存在だ。
また、“自宅を広布の会場に”との長年の夢をかなえ、個人会館を建築。昨年、「仲程栄光会館」がオープンした。「早く多くの人たちを呼べるようになって、にぎやかな集いを開催したい」と夫妻は目を細める。
今でも仲程さんは年中、仕事漬けの毎日。悩みは尽きないが、悩みがあるから題目が唱えられる。題目を唱えるから生命力が湧く。
「使命の自覚とは、自分で“断じてこうするのだ”と決めていくことです。あとは、強い生命力をみなぎらせ、現実に押しつぶされることなく、人生を楽しみながら、伸び伸びと仕事をしていくんです」との池田先生の指針を胸に刻む。
「妻への感謝は尽きません」と何度も語る仲程さん。昨年、結婚25周年を迎えた。妻にサプライズでプレゼントと、これまでの夫婦の歩みを書いた手紙を思いを込めて贈った。
たくさん心配を掛けたこと、けんかしたこと、家族で行った楽しい旅行、感謝の思い……。そして、仲程さんは最後につづった。<この25年間、本当にありがとう。これから先もずっと、同じ時を過ごしていきましょう>
〈座談会〉 「敢闘精神」燃やし関東の底力を 異体同心で師弟共戦!2021年5月27日
永石 本年は、2001年6月6日の関東婦人部の大会で、牧口先生の生誕の日でもあるこの日を「関東婦人部の日」と決めていただいてから、20年の節目ですね。
大高 はい。関東女性部は報恩の心で一致団結し、記念月間(6月1日~7月3日)を全力で走り抜きます。埼玉女性部は、池田先生の「川越地区講義」開始から70周年の本年を勝ち飾ろうと、月間の先駆を切って対話を広げています。
中井 壮年部も意気軒高です。6月は、壮年部の愛唱歌「滝の詩」として歌われる詩を先生が詠まれてから50周年の佳節を迎えます。この月、千葉と栃木では支部単位の壮年大会を開催します。
原田 関東の使命は、いよいよ大きい。池田先生は随筆で、関東そして東京、東海道が一体となった地域を「異体同心の大首都圏」とつづられ、特に関東については「完勝の電源地」と呼び掛けられたことがあります。今こそ関東の底力を示し、広布の波動を起こしていっていただきたい。
永石 栃木は今日27日が「師弟共戦の日」です。感染対策を徹底しながら、できる限り玄関先等で「直接会う」ことを推進していますね。新入会者や三十数年ぶりに学会活動に参加したメンバーなど、新たな人材が陸続と立ち上がっていると伺いました。
大高 6月10日に「県の日」を迎える群馬でも、励ましの声掛けを続け、地域に友情を広げています。また、2人一組のペアで訪問・激励に取り組むなど、模範の拡大を進めています。
永石 関東では、小説『新・人間革命』の研さんも活発ですね。千葉の「旭日大学校」をはじめ、6月17日が「県の日」の茨城女性部も、副役職のメンバーや地区女性部長を対象とした大学校を行うなど、各地で工夫しながら師弟の心を深めて前進しています。
齋藤 女子部も、女性部の先輩方と一緒に支部や本部で『新・人間革命』を学んでいます。新たな活動者が続々と誕生する中、埼玉の女子学生部員が今月に友人へ弘教を実らせるなど、拡大の歓喜のエピソードが数多く生まれています。
野中 男子部は10万の対話を目指して拡大に挑戦しています。東京・大田区で飲食店を営む千葉のリーダーは、これまで100人を超える友人に対話。コロナ禍で厳しい経営を立て直そうと懸命に知恵を光らせながら、信心根本に奮闘しています。
大高 関東5県には、それぞれに師弟共戦の歴史と誇りがあります。
野中 かつて先生は、関東の青年リーダーらに語られました。「『もう、これくらいで』といった安易さや、『もう大丈夫だ』との油断は大敵です。互いに励まし合いながら、共に最後の最後まで持てる力を最大限に出し切っていく。これが『異体同心の団結』です」と。
齋藤 さらに、「異体同心」の「心」とは、「広宣流布を願う心」「同志を尊敬する心」「師子王の心」。その究極は「師弟不二の心」であるとも教えてくださいました。
中井 厳しい所に、一番苦闘している同志に、勇んで励ましを送る。これが関東の魂であり、伝統です。関東は総立ちとなって、立正安国の対話に挑戦し抜いていきます。
原田 日蓮大聖人は関東の弟子に、「一生空しく過して万歳悔ゆること勿れ」(御書970ページ)と仰せになられました。創立100周年へ、一人一人が不屈の「敢闘精神」を燃やして悔いなく戦い抜き、断じて勝利しましょう。
野中 2019年の台風19号の際には、関東地方などで記録的な大雨となり、甚大な被害がありました。
中井 埼玉と東京を流れる荒川はこの時、荒川第一調節池(埼玉県)が3500万立方メートル分の水をため、下流の氾濫を防ぐことができました。しかし、いつ堤防が決壊してもおかしくないほどの危機でした。
大高 これを受け、即座に動いたのが公明党です。現地を視察した国会議員が、荒川第一調節池内の貯水池の水を事前放流し、治水の容量を増やすように国会で強く訴えました。
中井 そして今年2月、国土交通省は、この貯水池から、新たに最大259万立方メートル分の水を事前放流することを決定しました。
原田 今月24日にも、国土交通大臣が公明党の都議らと荒川、隅田川の治水対策の現状確認のため視察しています。公明党は国と地方のネットワーク力を生かして、引き続き全力で取り組んでもらいたい。
永石 台風19号では、多摩川流域の調布、狛江、大田などでも水害がありました。この時も公明都議らが迅速に対応。水位を下げる川底の掘削、堤防最上部の整備事業などの治水対策について、市長らと国土交通大臣に緊急要望を提出し、対策が進められています。
原田 各所の水門に水位計と監視カメラを取り付け、遠隔で河川の監視ができるようになったのも、公明議員が何度も要望したことによるものです。
齋藤 この多摩川も今年2月、国土交通大臣が公明都議らと流域を視察し、状況を確認しています。命を守る防災対策が力強く進んでいますね。
原田 都議会公明党はこれまでも、河川の氾濫を防ぐため、「神田川・環状七号線地下調節池」の設置等を強力に進めてきました。今回の政策目標「チャレンジ8」でも、同調節池を25年度までに広域化させることを含む計10カ所の調節池の新設を掲げています。
永石 特に中野区の公明都議は、集中豪雨対策で群を抜いています。区内を流れる妙正寺川・神田川の護岸整備や区内への調節池の整備を推進したことで区民生活が守られています。
原田 公明党は一貫して「防災・減災を政治、社会の主流に」と訴え、数多くの対策を実現してきました。これからも現場第一主義を貫き、国と地方の議員が密に連携を取りながら、災害に強い国づくりに力を尽くしてもらいたい。
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