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小説「新・人間革命」に学ぶ 第24巻 御書編

2020年10月21日 | 妙法

小説「新・人間革命」に学ぶ 第24巻 御書編  2020年10月21日

  • 連載〈世界広布の大道〉
絵・間瀬健治
 
絵・間瀬健治

 今回の「世界広布の大道 小説『新・人間革命』に学ぶ」は第24巻の「御書編」。小説で引用された御書、コラム「ここにフォーカス」と併せて、識者の声を紹介する。挿絵は内田健一郎。

 

生も歓喜、死もまた歓喜
 
【御文】

 いきてをはしき時は生の仏・今は死の仏・生死ともに仏なり、即身成仏と申す大事の法門これなり(御書1504ページ、上野殿後家尼御返事)

 
【通解】

 生きておられた時は生の仏。今は死の仏。生死ともに仏なのです。即身成仏という重要な法門は、このことです。

 

【小説の場面から】
 

 <1976年(昭和51年)、山本伸一は、母・幸の見舞いに訪れ、御書を拝して語る>
 
 母は、病床に伏しながら、「うん、うん」と、目を輝かせて頷き、伸一の話を聴いていた。それは、伸一が母のために行う、最初で最後の講義であった。
 
 伸一は、母は危篤状態を脱したとはいえ、余命いくばくもないと感じていた。ゆえに、彼は、この機会に、仏法で説く死生観を、語っておきたかったのである。(中略)
 
 「広宣流布に戦い抜いた人は、生きている時は『生の仏』であり、どんな苦難があっても、それに負けることのない、大歓喜の日々を送ることができる。そして、死して後もまた、『死の仏』となる――それが、即身成仏という大法門なんです。
 
 ゆえに、生も歓喜であり、死もまた、歓喜なんです。永遠の生命を、歓喜のなかに生きていくことができるんです。万物を金色に染める、荘厳な夕日のように、最後まで、題目を唱え抜いて、わが生命を輝かせていってください」
 
 仏の使いとして生きた創価の母たちは、三世永遠に、勝利と幸福の太陽と共にあるのだ。伸一が語り終えると、母は、彼の差し出した手を、ぎゅっと握り締めた。(中略)
 
 翌日、母は、家族に語った。
 
 「私は、悔しい思いも、辛い思いもした。でも、私は勝った。社会に貢献するような、そういう子どもが欲しかった。そして、自分の子どものなかから、そういう人間が出た。だから私は、嬉しいんだ」
 
(「母の詩」の章、58~60ページ) 

 

広布の原理は「一人立つ」
 
【御文】

 日蓮一人はじめは南無妙法蓮華経と唱へしが、二人・三人・百人と次第に唱へつたふるなり……(御書1360ページ、諸法実相抄)

 

【通解】

 はじめは日蓮一人が南無妙法蓮華経と唱えたが、二人・三人・百人と次第に唱え伝えてきたのである……。

 

【小説の場面から】
 

 <1977年(昭和52年)1月5日、聖教新聞紙上に山本伸一の「諸法実相抄」講義の第3回が掲載された>
 
 「いつの時代にあっても、絶対に変わらない広宣流布の根本原理が、『一人立つ』ということです。大聖人も、そして牧口先生も、戸田先生も、決然と一人立たれた。(中略)
 
 『一人立つ』とは、具体的に言えば、自分の家庭や地域など、自身が関わっている一切の世界で、妙法の広宣流布の全責任をもっていくことです。私たちは、一人ひとりが、家族、親戚、友人等々、他の誰とも代わることのできない自分だけの人間関係をもっています。妙法のうえから見れば、そこが使命の本国土であり、その人たちこそが、自身の眷属となります。(中略)
 
 ゆえに、『一人立つ』という原理が大事になります。御本仏・日蓮大聖人の御使いとして、自分は今、ここにいるのだと自覚することです。
 
 そして、おのおのの世界にあって、立ち上がっていくのが、地涌の菩薩です。そのなかにのみ、広宣流布があることを忘れないでください」
 
 最も身近なところで、仏法を弘めていくというのは、地味で、それでいて最も厳しい戦いといえる。
 
 自分のすべてを見られているだけに、見栄も、はったりも、通用しない。誠実に、真面目に、粘り強く、大情熱をもって行動し、実証を示しながら、精進を重ねていく以外にない。しかし、そこにこそ、真の仏道修行があるのだ。
 
(「厳護」の章、177~178ページ)
 

 

ここにフォーカス 人間のネットワーク

 「母の詩」の章が、聖教新聞紙上で連載された2010年(平成22年)は、新語・流行語大賞のトップ10に「イクメン」が選ばれた年です。
 
 一方で、胸を締め付けられるような児童虐待のニュースも相次ぎ、子育てを支える社会の構築へ、関心が高まっていました。
 
 同章では、「子育て支援や虐待の防止のためには、行政などの取り組みも必要不可欠である。しかし、より重要なことは、地域社会の中に、共に子どもを守り、若い母親を励まそうとする、人間のネットワークがあるかどうかではないだろうか」との指摘がなされています。
 
 “縁する全ての人を幸福に”との「太陽の心」で、創価の母たちは、あの友、この友に励ましを送ってきました。その温かな声掛けが、子育てや仕事などで悩むヤング白ゆり世代を、どれほど勇気づけてきたことでしょう。
 
 婦人部指導集『幸福の花束Ⅲ』の「発刊に寄せて」で、池田先生は、「幸福の春を創り広げ」ゆく創価の女性をたたえ、ヤング白ゆりの年代を、「『青春』に続く『創春』の時代」と意義づけています。
 
 ライフスタイルや価値観が多様化する現代社会。その中で、地域に幸福の種をまく創価の女性の連帯は、「社会の希望」と光り輝いています。

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