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全研究者が受賞者。私はその代表

2014年12月05日 | 文化

ノーベル賞:中村教授「全研究者が受賞者。私はその代表」

インタビューに答える米カリフォルニア大サンタバーバラ校の中村修二教授=ストックホルムのグランドホテルで2014年12月4日午後7時2分、兵藤公治撮影© 毎日新聞 インタビューに答える米カリフォルニア大サンタバーバラ校の中村修二教授=ストックホルムのグランドホテルで2014年12月4日午後7時2分、兵藤公治撮影

 ◇ストックホルムに到着、授賞式前に心境語る

 【ストックホルム千葉紀和】今年のノーベル物理学賞を受賞する中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授(60)が4日夕(日本時間5日未明)、
ストックホルムで、毎日新聞のインタビューに応じた。授賞理由となった青色発光ダイオード(LED)の開発について、「私は実現に貢献しただけで、研究開発から製品化まで多くの人が貢献してきて今がある。
それら全ての人が受賞者で、私はその代表として受賞するつもり」と、受賞を目前にした心境を語った。

 共同受賞する赤崎勇・名城大終身教授(85)、天野浩名古屋大教授(54)よりも一足早く、一番乗りで現地入りした中村さん。
3人での受賞について、「お二人は長年の競争相手で、お互い切磋琢磨(せっさたくま)してここまで来たし、そのおかげで私は成長できた。非常に光栄に思う」と笑顔を見せた。

 仕事で滞在していたサウジアラビアから空路で現地入りし、ノーベル賞受賞者の定宿として知られる市内の高級ホテル「グランドホテル」にチェックイン。
スタッフの歓迎に笑顔で応えた。今回の旅には妻のほか、息子2人と娘1人も同行する。中村さんは「家族とはよく旅行するが、海外の授賞式に一緒に来るのは初めて。
(晴れ姿を)見てもらえるのはうれしいね」と少し照れながら話した。

 中村さんが青色LEDの実用化を果たしたのは1993年。それから約20年間、「ノーベル賞に最も近い男」と言われてきた。
「賞をもらえるのはうれしいけど、ノーベル賞だからという特別な思いはない」と一言。一方で、滞在中一番の楽しみは「やはり授賞式と晩さん会。歴代の受賞者がみんな絶賛していたから体験してみたい」と語った。

 受賞者は、授賞理由に関連した愛蔵品をノーベル博物館に寄贈するのが恒例となっている。中村さんは、かつて在籍していた日亜化学工業(徳島県)で最初に製品化した青色LEDを寄贈しようと、
日亜側に頼んだという。「でも『当時の物はもうない』と言われた。残念」と明かした。