Men's wear      plat du jour

今日の気分と予定に、何を合わせますか。 時間があれば何か聴きましょう。

ビッグ・メイシオ / Big Maceo

2009-12-04 | Blues
今日はブルース・シンガー/ピアニストのビッグ・メイシオです。
P-vineレーベルを運営していた日暮泰文さんの本で、ビッグ・メイシオの話を読んだことがあります。ちょっと行方不明になっているので詳細は書けませんが、病気してピアノを思うように弾けなくなりながら、レコーディングに臨むあたり涙なくして読めません。私の不謹慎な話よりも、興味を覚えた方は図書館へ足を運んでいただいて、是非ご一読ください。



日頃、歩いてばかりいるせいか靴の踵がすり減ったりソール交換等で、ここ数か月の間に四か所で五足直しました。
普段はいているパンツの裾はたいていカフが付いているので、ごく稀ではありますが、ふとした弾みで踵の内側の角が反対の裾の折り返しに引っ掛かる時があります。
簡単にカットできますので自分でやってますが、直しから戻ってカットしてあったら少し嬉しいかも知れません。実際にはそうなっていた事はありませんが。
既製靴でもカットしてあるものがありますね。

日頃敬愛する人生の大先輩から伺った話です。
ある素封家の方がいらっしゃって、衣食住すべてにわたって一家言お持ちだそうです。その方が家の増改築を思いつき、今まで余所で見てきた素晴らしい造作やデザインを参考に、最良の素材で注文された。しかし出来上がった物は、ご本人を満足させなかったとのこと。丁寧さとかでなく感性や洗練のレベルの話だというので、各々の生活がかけ離れているとすり合わせは至難です。

前に読んだ塩野七生さんの話で、イタリア人の職人技に破産させられてしまいそうというのがありました。フィレンツェにお住いの時だったと思いますが、昔のものを復元したような素晴らしい生地を手に入れたので折角だから椅子を作ろうと思ったところ、その生地だったら相応の作りでないと勿体ないと言われ、予算が高騰したという話だったと思います。

フォッシ通りといったと思いますが、今でもそんな感じの工房が点在する通りがフィレンツェにはあります。ちなみにその通りには、日本人のお客さんが多いことで知られる仕立て屋さんも、昔より広くなってあります。

話が逸れてしまいましたが、イタリアの社会は日本に比べて歴史的な文化が断絶していないので、昔からの物や伝統が色濃く残ってるように感じます。仮に贅沢な物を再現しようと思ったら、少ないながらも作れる人や、見本となる文化遺産が街のそこかしこに残存しています。
職人もそれこそ王侯貴族の仕事に係わったという人の末裔がまだいて、減りつつありますが屋号にもサヴォイア王の〇〇屋だった誰某とか残っていました。
ですから、もちろん生活レベルが違いますが職人はその分野のプロとして日常勉強もし、全ての人は無理としても注文主をリードする感性も持ち合わせていたと思います。

そういう意味で、最初の二つの話を並べるのはレベルが違い過ぎて恐縮ですが、満足するとかしないとは別の話で、ほんの僅か似たものが含まれているように感じます。



タイはカシミヤ100%、ポケット・スクェアはシルク・ウール。
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