新NISA日本株買い「推計の4倍年9兆円強へ」相場けん引
4日午前の東京株式市場で日経平均株価は反発し、4万円を上回った。前日は終値で下値支持線となっていた25日移動平均を下回ったが、すかさず押し目買いが入った。海外勢の見直し買いに加え、新しい少額投資非課税制度(NISA)を使った個人の買いが想定以上に国内株に向いていることが背景にある。国内外の投資家の日本株への強い買い意欲により、深い押し目のない上昇が続くかもしれない。
4日午前の東京株式市場で日経平均株価は反発し、4万円を上回った。前日は終値で下値支持線となっていた25日移動平均を下回ったが、すかさず押し目買いが入った。海外勢の見直し買いに加え、新しい少額投資非課税制度(NISA)を使った個人の買いが想定以上に国内株に向いていることが背景にある。国内外の投資家の日本株への強い買い意欲により、深い押し目のない上昇が続くかもしれない。
海外投資家による日本株買いが加速している。2023年度の買越額は約7兆7千億円と、13年度以来10年ぶりの高水準だった。けん引役は英国や中国、韓国の投資家だ。英国を経由して中東からオイルマネーも入ったもようだ。多様な顔ぶれが円安を支えに割安な日本株を買っている。
海外投資家は3月第4週(25-29日)に日本株を約半年ぶりの規模で売り越した。同週の東証株価指数(TOPIX)や日経平均株価は1%超下落した。
日本取引所グループが4日に発表した週間投資部門別売買動向によると、海外勢の先物と現物を合わせた売買は1兆1777億円の売り越しだった。個人投資家は3911億円買い越した。最も買い越したのは法人で4478億円。
第4週の日本株は、円安が進行する中で介入警戒感から軟調に推移した。27日には1ドル=151円97銭と約34年ぶりの水準まで円が下落し、財務省や金融庁、日本銀行が情報交換会合を開催、市場では為替介入の観測が高まった。
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米国と欧州連合(EU)は、中国が他国の産業を一掃しかねない過剰な生産能力の急増に見舞われているとの見方で一致している。そのダメージを食い止めようと保護主義的な措置に拍車がかかっている。
イエレン米財務長官は今週の訪中に先立ち、ソーラーパネルや電気自動車(EV)、バッテリーを巡り「中国の過剰生産能力は世界的な価格と生産のパターンをゆがめ、米国の企業や労働者をはじめ、世界中の企業や労働者に打撃を与えている」と述べた。
EUの行政執行機関、欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、中国のEV対する補助金調査を開始した理由として過剰生産能力を挙げた。
中国指導部はEVやバッテリー、再生可能エネルギーなどの新たな産業に焦点を絞り、製造業に資金を投入。低価格の輸入品が自国市場にあふれ、雇用が一掃されることを懸念する貿易相手国は反発し、場合によっては中国製品に対する障壁を引き上げている。
中国政府は過剰生産能力を抑制したいと表明している。データを分析することは、中国の問題を明確に捉える上で重要だ。
ソーラーとバッテリーには過剰な生産能力が見られるが、EVはそうとも言えない。また、先進国が中国に過剰生産能力への対策を迫る際、どう指摘すれば折り合いがつく可能性が高まるのかを示す指針にもなる。
中国は世界最大のEV・ハイブリッド車市場だ。昨年の国内販売台数は36%急増し、今年は25%成長が見込まれている。生産台数に占める輸出の割合は、ドイツや日本、韓国といった他の自動車生産国に比べはるかに低い。
中国EV市場、24年も減速見通し-景気低迷と競争激化がメーカー圧迫
ブルームバーグの上場企業分析によれば、中国自動車メーカーの在庫はそれほど多いようには見えない。中国自動車流通協会が発表したディーラー在庫に関するデータも、異常な増加は示していない。
中国には5000万台以上の自動車生産能力があると推定し、国内販売台数2200万台に対して稼働率が50%を下回っていると結論付けるアナリストもいる。
ただ、UBSグループの中国自動車調査責任者ポール・ゴン氏は、そうした算出には老朽化し使われなくなった生産設備もしくは「単なるはったり」が含まれているとみている。
「過剰生産能力の話は誇張され、単純化され過ぎている」というのが同氏の意見だ。
JSCオートモーティブの推計によると、 中国のEV最大手、比亜迪(BYD)や米テスラの上海工場、上海汽車集団を含む中国最大級のEV輸出企業は、いずれも稼働率が80%を超えている。
一方、吉利汽車は44%と低い稼働率にとどまっている。大手の輸出自動車メーカーである同社による昨年の販売は過半数が内燃機関(ICE)車だった。
ICEセクター部門は生産能力過剰の「より大きな影響を受けている」とロジウム・グループのアナリスト、カミール・ブルノワ氏は指摘。EVの過剰生産能力は小規模で競争力のない企業に集中しており、これらの企業は生き残れないだろう同氏はみている。
先進国にとって、本当に問題なのは中国国内でのサプライチェーンや新たな交通インフラ、低いエネルギー・土地コストのおかげで、中国の自動車メーカーの競争力が高まっていることだ。
政府の補助金も一役買っているが、イノベーション(技術革新)にとっては二の次かもしれない。 中国はグリーン技術に関する査読付き論文数でEUと米国をリードしている。
ブルノワ氏は、中国のEV輸出トップ企業は「価格だけでなく品質でも競争力がある」と述べた。
しかし、EVに使用されるバッテリーに関しては、生産容量が需要を上回っていることは明らかだ。
長安汽車の朱華栄会長は昨年、中国のEV用電池メーカーの年間生産計画容量は来年までに4800ギガワット時に達するが、中国が必要とするのはせいぜい1200ギガワット時だと語った。
価格は急落しており、電池の材料となる炭酸リチウムの価格は2022年のピーク時から80%下落。ソーラーパネルも同様で、昨年は価格が半分以下になった。
ブルームバーグNEF(BNEF)は、中国が計画しているEVや送電網に使用されるバッテリーの生産能力と、今世紀半ばまでの事実上の温室効果ガス排出ゼロ達成に必要な水準を比較。24-27年の生産能力は、必要とされる水準の約2倍であることが分かった。
ソーラーについては、生産能力を「楽観的」な需要シナリオと比べたところ、24-27年の計画生産能力が需要の2倍を超えることが判明した。
世界中の国々は、価格下落を通じて生産能力の過剰を感じている。中国の輸出価格は昨年、過去10年近くで最も速いペースで下がったが、これは衣料品や玩具のような「ローテク」製品がけん引したものだ。
中国の自動車輸出は昨年急増し、日本を抜き世界一の自動車輸出国となった。中国の主要EVは、欧州では中国国内と比べ平均して約2倍の価格で取引されている。中国勢はコストを度外視した価格水準で外国市場にEVを投入しているわけではない。
過剰生産能力を測る最も一般的な手法は稼働率だ。ゼロは工場が遊休状態にあることを意味し、100%は最大稼働を意味する。
中国の産業全般で稼働率は22年および23年を通じ76%を下回った。中国政府が全国的な生産能力削減キャンペーンを開始した16年以降、最も長期にわたる76%割れだ。
だが、自動車製造や化学製品、それに風力タービンなどの機器といったセクターでは、稼働率が80%に向かって上昇している。
原題:China’s Overcapacity Is More About Solar and Batteries Than EVs (抜粋)
半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は、3日の地震から24時間たたずに生産を再開する見通しだ。地震直後はスタッフを退避させ、操業を一部停止していたが、発生から10時間以内に設備の70-80%が復旧したと明らかにした。
人工知能(AI)向け半導体で圧倒的シェアを占めるエヌビディアとアップルの主要サプライヤーであるTSMCの発表によれば、先端半導体の生産に欠かせない極端紫外線(EUV)露光装置を含む重要な装置に損傷はなかった。
聯華電子(UMC)もスタッフが新竹と台南の製造拠点の一部施設から退避し、半導体製造装置の稼働が一部停止していたが、操業に重大な影響はなく、通常の運転と製品の出荷を再開するとした。
先端半導体の多くが生産される台南サイエンスパークは4日、大半が操業を再開したと発表。TSMC子会社のバンガード・インターナショナル・セミコンダクターは、同日正午までに約8割の装置が復旧し、徐々に生産を再開しつつあると説明した。
AIやスマートフォン、電気自動車(EV)などの技術的基盤となる先端半導体の推定80-90%を製造する台湾企業は、グローバル経済に果たす役割が非常に大きい。
台湾で3日朝に発生した地震は、2400人余りが犠牲となった1999年の「921大地震」以来の大きさだったが、技術的な進歩で被害は比較的小規模に抑えられた様子だ。99年の地震以降、台湾当局は建築基準を改定した。
今回の地震による被害の完全な状況はまだ明らかになっていないが、4日午後の時点で少なくとも9人が死亡、1000人余りが負傷。がれきに閉じ込められたり、道路の閉鎖で取り残されたりしている人は642人に上ると、政府は説明した。
台湾のテック企業の一部は、地震による被害状況の確認を続けている。シティグループのアナリストは、TSMCの生産工程への影響は「対処可能」と指摘し、ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループのアナリストもマイナスの影響は「限定的 」と分析した。
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原題:Taiwan Begins Recovery From Quake as TSMC Resumes Production (2)(抜粋)