新年度、海外勢による最大級の日本株買いも
最近のウォール街との会話では、必ずと言ってよいほど「日本株関連」の話題、あるいは質問が出る。先日、本欄で紹介した米投資家調査で、最も投資したい国として日本が全回答数の40%を占めたことは前代未聞といえる。
機関投資家マネーからSNS(交流サイト)のレディットでやりとりする若者の「レディット・マネー」まで層も確実に拡大中だ。彼らは、日本株に最初に接したときに、日経平均は既に4万円前後であったので、高値抵抗感も強くはない。日本人投資家は、4万円まで急騰したのだから、ここは一服して様子を見る。米国人投資家は、ここまで上がったのだから、もっと上がると見る。
米エヌビディアや米テスラなどの「暴騰」ともいえる事例を見せつけられてきたわけだ。ここでは、国別投資家DNAの差が鮮明である。
日本の政治混乱にしても「バイデンvsトランプの危うさに比べれば、相対的に安定している」との判断だ。
なお、今、新規参入の機会を狙っている海外勢は、為替介入に注目している。もし実行されれば、140円台半ば程度まで大幅に円高に振れ、日本株はかなり売られるので、そこで買いを入れたいとのもくろみだ。為替介入が一巡すれば、再び円安に戻るとの見立てだ。ただし、円高になれば、海外勢にとって、為替差益が増えるので、そこはじっくり計算している。
なお、海外勢の層が厚くなれば、招かれざる客も増える。CTA(コモディティー・トレーディング・アドバイザー)など短期投機筋だ。日本株乱高下要因なので、ニューヨーク市場内で、手の内の探り合いを演じている。
オイルマネーを含め、海外勢の動きも複雑化してきた。
豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
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