市街・野 それぞれ草

 802編よりタイトルを「収蔵庫編」から「それぞれ草」に変更。この社会とぼくという仮想の人物の料理した朝食です。

イオン 風景の超克

2005-05-09 | Weblog
 今日は5月9日月曜、肌寒い朝だ。イオン開幕まで、あと10日になった。
先日も述べたように外観がシックな建物に仕上がったのは、幸運であったと今日もまた実感できた。建物外壁にある広告も数箇所に止まり、原色でなく
中間色であった。必要最小限の配置のために、それで十分目立っていた。宮崎県立美術館や藝術劇場の建物よりも、こっちのほうが風土にマッチしている。こけおどしもなく、自己顕示もなく、明快で理解しやすい商業施設であり、かつエンターテイメント施設であることを判らせてくれる。

 今日は珍しく二組の中年、高年夫婦が、デジカメでイオンを取っていた。彼らは宮崎市民だろうか。建物の外では、椅子テーブルも並べられ、そこに数百人がそれぞれのグループで、弁当を食べていた。これまでの建設作業員ばかりでなく、聞くとテナントの従業員だそうである。どこか遠足の風景であった。ほとんどが若い男女たちであり、ジーパン姿であったが、それでも華やぐような若者の生気があった。彼らがみないっせいに制服を着て、建物の中でサービスに就くわけである。この結果、ショッピングセンター内は祝祭空間になるであろう。

 外観だけでも、現在の宮崎市の唯一、最強の観光スポットになりそうだ。破産したシーガイアが、観光スポットにならなかったのとまさに対照的である。前者は風景だけが頼りであった。後者は都市を人工化し、風景を従わせた。そしてそのスポットはブラックホールのように消費を吸引して多に脱出させない。この両者の差を宮崎市民は学ぶはずである。風景の超克が始まろう。

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