市街・野 それぞれ草

 802編よりタイトルを「収蔵庫編」から「それぞれ草」に変更。この社会とぼくという仮想の人物の料理した朝食です。

百貨店「山形屋」

2005-05-16 | Weblog
  山形屋デパートは、宮崎市の百貨店である。お中元や歳暮の季節がくると、その包装紙だけをオマケに請求するタフな主婦たちも多いと聞く。今や崩壊した総合スーパー寿屋や、衰えの目立つ王者ダイエー宮交シティSCを押さえて、老舗の風格を漂わせて健在である。昨日は、その地下食品売り場にハムを買いに行った。2ヶ月前に、家内から頼まれて、切れ端の「300円包み」をまた買いに来た。あの時は、もう売り切れたというので、明日は何時に来ればいいですかと、聞いてくるぼくに、同情されたのか、いきなりケースから2,3本ハムを取り出すと、ばしばしと切れ端にして、パックを作ってくれたおばさんに会いたかったのだ。よろこんでもらえた。ついでに2包みもらうと、2つも買ってくれるの、ありがとうとお礼を言われた。帰ると、妻はなんで残りも全部買ってこなかったのねと、不満を漏らした。

 ここに鰹節をその場でかいて売ってもらえる売り場があると聞いたがと、おばさんに聞くと、奥の角の店を教えてくれた。削られた赤みの削り節は、じつに美味そうだった。隣のいりこは、銀色に輝いていて、こんないりこもあるのかとおどろいたが、買うのは普通のものを頼まれていた。あっちも買いたいのだけど、今日はこれ、少なめでいいんだけどというと、売り子のおばさんは、300グラム袋とは、べつに200グラムを測り入れ、もう一人のおばさんに言いくるめて計算を任した。これで早く銀色にいりこに挑戦できる。そのほうは、2倍くらいの値段だった。帰って報告すると、妻は、いりこの味は、色とは関係ないのよと冷たく言い放っただけだった。

 さてと、ふと食品売り場で思ったのだが、こんな会話のやりとりが出来るのが意外だった。それに計り売りとは新鮮だし、まるで、昔の八百屋の面影を感じた。昔は、老舗のデパートで安売りを求めるなどはできるものじゃなかった。今は、スーバーの方が、どんなものもパック、パック、バックを破いて計り売りなどとは考えられない。売り子はレジだけにおり、キャッシャーの一部で話かけたら怒られそうだ。客の方も、ありがとうと言われてもブスッとしたまま返事もしないものもいる。ああ、デパートと反対になったなというのが、きわめておもしろかった。

 老舗の百貨店では、「会話」が楽しめるというのは新しい発見であった。 
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1 コメント

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会話が楽しめるお店 (ヒロ☆)
2005-05-16 20:02:55
う~ん。



奥様のコメントに爆笑です!



この記事を読んで、山形屋へ買い物しに行きたくなりました。



街はどんどん動いてる。
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