つれづれなるままに聴いたジャズ

  よるの雨の音は

さびしい胸にともしびのように

   ともる



 

冬薔薇

2012-12-22 16:38:05 | ジャズ

 冬に咲く薔薇のこと。とくに冬薔薇という品種があるわけではない。四季咲きの薔薇は冬にも花をつける。
 冬の日差しのなかに咲く薔薇の総称である。

 薔薇の品種は西洋種、中国種などあわせて8000種にもおよぶという。近代薔薇の代表格である大輪四季咲きは、暖地では
 九月五日ごろまでに剪定する。その箇所から芽が伸び、開花は十月中旬ごろ。暖地では十一月中旬まで咲き続く。

 冬薔薇は比較的寒さに強く、あたりの枯れ色のなかに数輪の花を開くさまは、他の季節にはない独特の風趣がある。
 霜が降り凩が吹くようになると、葉は傷み、花も小さくなり、色あせて見えるが、冬の庭に彩りを添える貴重な存在である。

 現在では温室栽培で真冬でも見事な花を咲かせる。しかし、この切り花用の品種は、やはり冬薔薇のもつ風情には乏しい。

 俳誌『みちのく』の原田青児主宰は、本格的な薔薇作り俳人。冬薔薇の魅力について「自らが創りだしたその品種そのもの、孤独の個性美」
 といっている。


 ”冬薔薇(ふゆそうび) 石の天使に 石の羽根 ”(中村 草田男)・・・

 冬薔薇は剪るともう咲いてはくれない、はかなさがある。路地に小さく咲いているのが本来の冬薔薇。風情がある。


  今日聴いたジャズ・・・

  PHILIPP WEISS・・・「YOU MUST BELIEVE IN SPRING」
  (feat・steve kuhn trio)



  本作は、男性ボーカリスト、フィリップ・ウエイスのリーダー・アルバム。

  スティーヴ・キューン・トリオをバックに、スタンダード中心にしみじみと歌い上げている。

  4曲(1、2、7、9)にはエリック・アレキサンダー(ts)、2曲(6、11)にはルー・ソロフ(tp)、2曲(5、10)には
  ティム・ボルデン(flh)が控え目なプレイで華を添えている。

  男性ボーカルでは滅多に聴けない曲の数々・・全11曲が魅力的で聴きごたえのある作品に仕上がっている。

  #5のみが、フィリップのオリジナルでスローテンポのバラード、美しい。貴重な一枚として重宝しているアルバム。。


1・LUCKY TO BE ME・・・2・I FALL IN LOVE TOO EASILY・・・3・THE TOUCH OF YOUR LIPS・・・4・MY FOOLISH HEART・
5・SHE BROUGHT ME BACK・・・6・A CHILD IS BORN・・・7・WE’LL BE TOGETHER AGAIN・・・8・YOU MUST BELIEVE IN
  SPRING・・・9・THE SHADOW OF YOUR SMILE・・・10・MAKE SOMEONE HAPPY・・・11・EV’RY TIME WE SAY GOODBYE・


  全曲でメンバー、一人一人のプレイが光る。特にトリオをバックに歌う4、8での、スティーヴ・キューンのピアノは特筆に値するほど
  素晴らしく、美しい。


   PHILIPP WEISS(vo)
   STEVE KUHN(p)
   BILLY DRUMMON(ds)
   DAVID FINK(b)

   LEW SOLOFF(tp on6、11)
   ERIC ALEXANDER(ts on1、2、7、9)
   TIM BOLDEN(flh on5、10)


   2004年7月19&20日 ニューヨークにて録音・・・