蘆はイネ科の多年草。各地の湿地や川辺、沼沢地に群落をなしている。
冬になると葉は枯れ落ち、穂はほおけて、茎だけが残り、荒涼とした景になる。日本は古来より蘆の多い国で、「葦原の国」
「葦原の中つ国」「豊葦原の瑞穂の国」などという古称があった。
古くから多くの歌にも詠まれてきた。特に大阪は蘆の多い所だったので大伴家持(おおとものやかもち)は「難波」の枕詞として
用い「海原のゆたけき見つつ蘆が散る難波に年は経ぬべく思ほゆ」(万葉集、巻20)の和歌を発表した。
”枯蘆に およぶわずかの 日を愛す”(安住 敦)・・・
今日聴いたジャズ・・・
HARRY ALLEN・・・「IF EVER YOU WERE MINE」
(サマー・サンバ)
本作は、ジャズ・テナー・サックス奏者、ハリー・アレンのリーダー・アルバム。
前作の”アイ・キャン・シー・フォー・エヴァー”の続編としてレコーディングされたもの。
ハリー・アレンの5枚目のボサノヴァ・アルバムになる、この作品は、ジャズのスタンダード・ナンバーを中心に、A・C・ジョビン、
マルコス・ヴァーレイなどの本格的なブラジリアン・ミュージック、更にはビリー・ジョエル、スティングのヒット曲、ミシェル・
ルグランの曲・・と幅広い選曲がなされている。
いずれも軽やかなブラジリアン・テイストのスロー~ミディアムテンポでリスナーのハートを優しくときほぐし、心地よいムードが全体
を貫いている。
ピアノレスで、ボサノヴァには欠かせないギタリスト2人を起用、ベースにはロン・カーター、ドラムスにはグラディ・テイト、
パーカッションにはジョー・アシオーネ(ドラムスの達人でもある)そして、曲によっては透明感のあるフリュートが美しいサウンドに
潤いを与えている。
1・SUMMER SAMBA・・・2・I LIKE YOU JUST THE WAY YOU ARE(素顔のままで)・・・3・LA BELLE DAME SAMS REGRET
(悔いなき美女)・・・4・シェルブールの雨傘・・・5・IF EVER YOU WERE MINE・・・6・ボニータ・・・7・ANGEL EYES・・
8・I’VE GOT YOUR NUMBER・・・9・DANCING IN THE DARK・・・10・I GOT LOST IN HIS ARMS・・・11・TONIGHT I
SHALL SLEEP WITH A SMILE ON MY FACE・・・12・ONLY TRUST YOUR HEART・・・13・FALANDO DE AMOR(愛の語らい)
ハリー・アレン(ts)
ギレルミ・モンティロ(g)
ジェイ・バーリナー(g)
ロン・カーター(b)
グラディ・テイト(ds)
ジョー・アシオーネ(perc)
深津純子(fl)
2003年1月24&25日録音・・・
ハリー・アレン:
1966年10月12日、ワシントンDCの生まれ。若い頃ビッグバンドでドラムを叩いていたという父の影響で、カウント・ベイシー、
デューク・エリントンなど、ジャズを子守唄に育つ。7歳からアコーディオン、11歳からクラリネット、12歳からテナー・サックス
を始める。
テナーを選んだのは、ベン・ウェヴスター、コールマン・ホーキンス、レスター・ヤングといったテナー・サックスの巨匠の名演に
憧れていたから。興味深いのは、同世代の仲間がビートルズ、ジミ・ヘンドリックスやクラプトンなど、ロックやポップス、さらには
R&Bやソウルへと音楽的関心を膨らませる中にあって、ハリーが古典的ジャズに傾倒し続けたことだ。そしてそのことが、今の端正な
スタイルを築く上での土台になった。
本場でジャズを演奏したい一心で、ニューヨーク近郊の大学に進学。音楽を学ぶ傍ら、マンハッタンのジャズ・クラブで演奏活動を
始めると、瞬く間に頭角を現す。米国、ドイツ、イギリスで十数枚のアルバムを録音した後、BMG NOVUS-Jに移籍。13枚のアルバム
をリリース。その中の7枚がスイング・ジャーナル誌ゴールド・ディスクに選ばれている。
スタン・ゲッツやズート・シムスの伝統を踏まえつつ、誰にも親しまれるジャズを目指す注目の白人テナー・サックス奏者として
日本でもジャズに留まらない広いファン層を拡大している・・・