つれづれなるままに聴いたジャズ

  よるの雨の音は

さびしい胸にともしびのように

   ともる



 

木守

2012-12-19 16:19:13 | ジャズ

 柿は日本でもっとも発達した果樹である。果実を食用とするため古くから栽培され、優良な品種が作られた。
 柿の実は秋の季語だけど、葉が落ち、霜がくる頃になると、枝の高いところにひとつだけ実を残してあるのを見かけることがある。

 木守り、木守柿は冬の季語。来年もよく実がつくように、また、小鳥たちの餌として取ってあるかのようでもある。
 木守りとは、幸魂(さちだま)の信仰による次の新生を祈り促す形をいう。

 柚子などの残っているさまにもいう。

 ”木守柿 風の撒きたる 深山星 ”(永万 裕子)・・・


 今日聴いたジャズ・・・


 PETER NORDAHL TRIO・・・「THE LOOK OF LOVE」



 本作は、1966年生まれ、北欧のジャズ・ピアニスト ペーター・ノーダールのリーダー・アルバム。
 トリオ作品。メンバーはベースにパトリック・ブーマン、ドラムスにはルネ・カールソン・・ノーダールのファンにはおなじみの
 ミュージシャンが起用されている。

 内容は、タイトル曲でもある、バート・バカラックの代表曲、ビリー・ストレイホーンの名曲(2)スウェーデンのトラッド曲(5)
 ジョージ・ガーシュウィンの曲(6)オスカーピーターソンの曲(7)それにノーダールのオリジナル一曲(4)、スタンダード(3)
 の7曲で構成されている。親しみやすい一枚。

 一枚をとうして聴くと、シンプルで美しく、哀愁にみちたメロディが心を打つ。


1・恋のおもかげ・・・2・LUSH LIFE・・・3・枯葉・・・4・AT THE MOVIES・・・5・ORE POLSKA・・・6・LULLABY・・・
7・HYMN TO FREEDOM(自由への讃歌)・・・


 メロディをシングル・トーンで優しく奏でているところが印象的な1・・・ノーダールは原曲の持つハイブロウな雰囲気を損なうこと
 なく、優美に演奏している2・・・お馴染みのスタンダード、ノーダールの個性がよく出ている3・・・同名曲があるけど、ノーダールの
 オリジナル曲、北欧的な透明感に包まれている4・・・ポルスカというのはスウェーデン語で”ポーランド”という意味らしい。
 トラッド曲の5・・・ガーシュウィンが1919年に書いた曲で、ジャズで演奏されるのは珍しい、本作では一番長いトラック6・・・
 『ナイト・トレイン』に収録されていた、オスカー・ピーターソンの代表曲、ノーダール・トリオの演奏の美しさが際立っている7・・


  PETER NORDAHL(p)
  PARRIK BOMAN(b)
  RUNE CARLSSON(ds)

  ストックホルムにて録音・・・