ときどき、ドキドキ。ときどき、ふとどき。

曽田修司の備忘録&日々の発見報告集

「深呼吸の必要」

2005-08-05 01:07:46 | 大学
昨年、「深呼吸の必要」という映画が公開されたという(私は未見)。

そのことと直接関係はないのだが、学生のレポートを採点していてふと思ったことがある。

学習態度はとてもまじめなのに、なかなかレポートを提出できない学生がかなり大勢いる。ひとつの科目だけでなく、どの科目でもそうらしい。そのことが、以前から少し気になっている。
こういう学生は、当然ながら単位もなかなかとれない。ということは、大学の中ではだんだん肩身が狭くなり、気持ちがなかなか前に向かなくなってくる。
しかし、彼女たちは、普段の言動から見ると、必ずしも能力が低いということではないようだ。

どうアドバイスをしたらよいのか。

もとより専門家ではないので以下はまったく的はずれかもしれないが・・・。

彼女たちは、絶えず緊張している。自分のことを気にしている。それも、他の人から自分がどう見られるか、見られているか、を気にしている。

「そんなに気にすることはない」、という助言は、彼女たちに届くだろうか。

自分で自分のことを考えてみても、自分以外の人々がどういう人たちであれ、さほど気にしていないことがわかるはずだ。(そうではないだろうか)

それに、世の中結構いい加減である。なるようにしかなってない、という部分がある。(これは、努力が無駄だと言っているわけではない。)

私が言っておきたいのは、この世の中には、誰にでも居場所はあるものだし、人間誰しも、他の人たちと同じように振る舞わなければいけないということはない、ということである。

自分の気持ちが楽になると人間関係も楽になるし、からだも楽になる。
「ああでなければ、こうでなければ、いけない」と考えるのをやめよう。
それは自分で自分の居場所をなくしてしまうことだ。

席はいつでも用意してある」。これは、すべての人にとって、とても大切なことだ。

まず、自分が自分に対して席を用意してあげよう。
そして、他の人にも、席を用意して、招いてあげよう。

たとえレポートに自信が持てなくても、出してくれた方が教員は嬉しい(もちろん、レポート作成にはそれなりの時間をかけてほしいけれど)。何故って、そのことで学生と教員とのつながりが出来るからだ。そのことが、「席を用意して、招いてあげる」ことでもある。学生の方から、つながりを切らないでほしい。専門のカウンセラーでもない教員に、それ以上のことを求めるのは無理である。つながりがあれば、アドバイスは出来る。

周りを見渡して、たまには深呼吸をしてみよう。あなたのために席を用意してくれている人が、きっといるはずだ。
大学は、そういうところだ。


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