安らぎと戒め

仏像と花と山と写真を楽しみます

行縢山の笹百合

2015年05月31日 11時25分29秒 | 日記
 延岡市2年間単身赴任のお蔭で、当時結成したばかりの山岳会に加入した  山岳会は、小料理店客の有志
達が会員となって結成し、女将が会長に就任していた 

 私は平成4年4月に単身赴任を終えて宮崎に帰ったが、延岡市在住中にお世話になった謡曲倶楽部会長の好
意で誘って頂いた平成4年度の発表会終了後に兄弟子から2次会に同行を求められて女将が経営する小料理店
に行った  小料理店では大勢の客が騒いでおり、女将から「山岳会を結成した祝いだ」と聞いたので、先輩
と共に私も山岳会に加入した

 その後、20年以上その山岳会に加入し、毎月の山岳会例会の他に某リーダーが数名を連れて鳥取県の大山
や四国、大分、福岡、熊本等々の山を楽しませて頂いた  学生時代に始めた本格的な山遊びが今日まで続い
ているのは、同山岳会、某リーダーのお蔭だと感謝しながら山を楽しんでいる

 霧島連山のガイドを始めた頃に延岡の山岳会を退会したが、女将や山岳会の仲間とは個人的に一緒に山を楽
しんでいる

 ところが、私より高齢の女将が山岳会の例会には登ることが出来なくなったことなどで、今回会長を辞任し
たと聞いたので、先日仲間数人と昼食会で女将の慰労をした

 高齢と足の骨折などが会長辞任の意向を固めた理由だったと聞いていたが、笹百合が咲くこの時期、行縢山
なら、ゆっくり、のんびり、ぼちぼち登れば何とか途中まででも行けるだろうと誘うと、「長い間山に登って
いないので、久しぶりに山に行きたい」とのことだったので、5月27日に行縢山に行った

 女将のザックには飲み水と軽い行動食だけを入れ、昼食などは私のザックに入れた
 行縢山の駐車場は平日にも関わらず、ほぼ満杯状態だったが、私は女将の足の状態も考慮して上の駐車場に
車を置くことにしていた  途中の林道が一部崩壊しかかったいたり、林道の中央付近に深く広い窪みがあっ
たことが影響していたのか、上の駐車場には1台の車が駐車していただけだった

 念入りにストレッチをして登り始めた  女将は、両手にストックを持って歩いたが、行縢山のような登山
道では、ストックを使わずに岩や木、木の根などを掴んで登ることが安全な場合が多い  そのような場合、
その都度ストックをザックに収めることはわずらわしいので、私がストックを預かることがたびたびだった

 暫く歩くと、後ろから追いついてきた元山岳会の会員などが、「大丈夫ですか 気を付けて下さい」と女将
が登っていることに驚きながら、皆さん一生懸命に注意していたが、女将は元気に歩いた

 当日は、小学校の子供たちが集団で登山をしており、その中に山岳会の会員がボランティアで世話をしてい
たが、それらの会員も「大丈夫ですか」と驚きながら、心配してくれていた

 小学生の団体が3組通過するときには、登山道の横で休憩しながら先に登ってもらった
 
 当初は、吊橋の所まで登る心算だった  吊橋を渡った所の行縢山雌岳の岸壁には2か所に笹百合があるが
、今年は既に花が終わり、雌蕊が剥き出しになっていた  女将はまだまだ元気だったので、「次の目標は滝
まで」ということにして、ゆっくり、慎重に歩いた  その途中で下山してきた男性が、「滝の2本の水流の
間に笹百合が1本咲いている」と教えてくれたので、ますます元気になった

 滝の分岐に着いたが、登山道から滝に向かう道は危険な個所があるので、私だけが滝壺まで歩いた
 滝を見上げると、2本の水流の中ほどに窪みがあり、草が生えているように見えたので、300ミリの望遠
レンズに替えて撮影し、これを拡大してみると笹百合が見えた

 滝から登山道に還ると、女将は元気に「山ノ神峠まで行こう」と歩き出した  次の目標が決まったので、
慎重に、ゆっくり、のんびり、辺りの景色を楽しみながら歩いた

 山と渓谷社が発行している「宮崎県の山」によれば、登山口から山ノ神峠までの所要時間は70分  上の
駐車場からの登山道では凡そ10分の短縮になるとおもわれるので、凡そ1時間  今日は、ゆっくり、のん
びり登山で、滝の壺までの往復時間を加算すれば1時間半だろうが、上の駐車場から1時間40分ほどで山ノ
神峠に着いた

 山ノ神峠の祠は、私が山岳会在会の時に会員を中心に寄付を集め、会員の大工が作成した祠を、会員が揃っ
て峠まで担ぎ上げた  

 祠の近くで女将は休憩し、その間に私は笹百合が咲く谷まで行ってみた  危険な個所であり、一般の登山
者は近寄らない所だが、以前は凡そ30メートルにわたり笹百合が咲いていたが、その後盗掘にあって殆ど無
くなったことがあった

 その後、徐々に回復していたが、当日はまた寂しい状況になっていた  

 山ノ神峠で十分な休憩をとったので、再びのんびり、ゆっくり歩きながら下山した  下山中に、小学校の
児童が下山してきた  登りでは随行者の指導が行き届き、団体としてまとまって歩いていたが、下山ではそ
の「まとまり」が見られなかったのは残念だ

 1人の児童が単独で降りてきたので、周囲を見渡したが、他の児童は勿論、引率者も全く見当たらなかった
その後にも、また1人の児童が単独で歩いてきた  朝の気合が入った団体行動からは、信じられない行動だ
った

 引率者が5~6人の児童と歩いてきたが、これもおかしい  朝の集団は、少なくとも1組が20名以上だ
ったのではなかったかと思ったので、一桁の児童と引率者が歩いているのが不思議だった

 私が数人の山友と登るときは、必ず私の目の届く範囲で行動するように要請する  足腰の強い山友が先に
歩いて私の見えない所に行った場合、次回からは山に同行しないことにしている  その山友が転落などの事
故にあったことが後で判明しても、事故の生じた個所が分からないので、捜索が困難になる

 同行者の一人が、「疲れたから歩けない ここで待つから皆さんは頂上に行って」ということがある  そ
の場合は、全員がその場から下山をする  

 無理をして歩けば下山が困難になるか、事故を起こすかもしれないし、単独で待っている時に心臓発作など
の急変や、歩き回って事故を起こすかもしれないので、頂上に行けないことより、もっと大変な「迷惑をかけ
るかもしれない」ので、「疲れて歩けない」と早めに申告したことで、他の同行者に迷惑をかけることが避け
られるのだから、そのことに関しては心配しないように、以前から仲間には話しているので、一昨年1度、昨
年は2度途中で下山したが、何ら問題なく無事に全員下山した   

 登山は、「無事に帰宅した時に安全登山が終わる」とし、「頂上にはこだわらない」のが私の山遊び 

 登山口に降りて、女将をマンションまで送り届けたあと、女将に喜んでいただいたことを有り難く思いなが
ら、帰宅した

   2015年5月
                                              風

※ このブログは、途中で「中休み」をした

 仏像撮影で多忙を極めているのが原因だが、先日、偶然の機会を得て私が初めて見る「塗装石像」の仁王像
に出会った  その仁王像は、寺が移転した跡に、僅かな仏像と共に残されている  地域の人が植林したの
であろう10本ほどの樹木の前に、阿吽の2体の仁王像が立っている

 塗装した石像の仁王像は、かつて見たことがない  昨日、久し振りに「炭化した観音像」撮影に行き、お
世話になった高齢の女性に話したところ、「ベンガラ」を塗っているのだろうとのことだった
 この写真は、8回撮影に行ったが、まだ満足のいく撮影ができていないので、今日もまた撮影に行く 
 
 しかし、先日妻の友人を入院先に見舞いに行った時に携行したところ、「ぜひこの写真が欲しい」と言って
頂いたので、A4版に額装して差し上げた  有り難い

 以前、第1回の個展を開催した時に、闘病中の山友が観音像の写真ををみて、「この写真を観ていると慰め
られる 傍に置いておきたい」と言って所望して頂いたので差し上げたことがある  喫茶店を経営していた
山友が、重い病で闘病中の中で喜んでいただいたことは、私にとって、写真に関する初めての感激だった 

※ 写真は、クリックすると拡大する  もう一度クリックすると更に拡大する


写真向かって左が行縢山の雄岳、右が雌岳  両岳の間から「行縢の滝」が落ちている  日本の滝百選

登山口の横に「ストック」として使う棒の杖置がある  

登山口から本登山道へ向かう

本登山道の手前の谷に立派な木造の橋がある

本登山道に合流すると、山岳会の会友などと出会った

小学校の児童たち3組が次々に追い越して行った  身元が確定出来ないようにぼかしている

谷の中に2本の橋 手前の橋は水流が多いときには「沈み橋」になる

頑丈な吊橋 「滝見橋」

滝見橋から「行縢の滝」が見える

写真右側で水流が林に隠れる辺りに崖の窪みがあり、その草の中に1本の笹百合が咲いている

滝見橋を渡った所の雌岳岸壁に笹百合があるが、既に落花していた

巨大な岩の登山道には鋼鉄製の滑り止めが設置されているなど、登山道は、ほぼ全線整備されている

二本の水流の間にある岩の窪み

上の写真の拡大

更にか拡大すると、下の窪みの右側暗いところに笹百合が見える

谷の対岸に咲く笹百合  以前はこの周囲凡そ20メートルに笹百合がたくさん咲いていた

笹百合の葉は、竹の葉に良く似ている



延岡の喫茶店ママに差し上げた写真

妻の友人に差し上げた写真


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