安らぎと戒め

仏像と花と山と写真を楽しみます

霧島連山の山ガール

2012年11月25日 09時42分29秒 | 日記
 霧島連山でジオと自然(ネイチャー)を勉強している若い鹿児島の山友が、「 勉強のための山ばかりしていたことに気が付いた
自分が楽しまなくては、案内する人に霧島の良さを伝えることはできない   私はそれを忘れていた  時には、純粋に山を楽しみたい 」
と言って宮崎にやってきた   また、一歩成長したことを感じた

 大崩山に登りたいと言うので、大崩山に登るためには、まず双石山の「塩鶴登山口ルート」でロープ、樹木の枝や根などを利用しての岩
登りと下りの経験をする
 次に、夏木山の「犬流れ登山口ルート」で更に高低差が高く、延長の長い岩の上下を経験し、更に長い鋭角の岩にまたがり、両手を使用
して前進し、最後は鋭角の岩の上部を握って岩の側面を進むという難所を経験する必要があると説明して、双石山に登ることにした

 宮崎の山友2人を含めて4人での「混成登山隊」の最高齢者は70歳代の前半、平均年齢約59歳   平均年齢60歳未満の仲間との山
は久しぶりだった

 双石山は、昭和40年に綾町の国有林に界在する民有林と等価交換する話があった   これを知った当時の宮崎県議会議員川越石男
氏が、貴重な自然を守るために先頭に立って反対運動を行ったことなどから、熊本営林局は民有林所有者との協定を破談にし、双石山は
国有林として残された  昭和44年には原生的な照葉樹林が残る場所として国の天然記念物に指定され、昭和45年には、林野庁から自
然保養林 ( 宮崎自然保養林 ) の指定を受けた

 双石山(509.3m)は、低山であるが、登山ルートが多いことや、その登山道が交差するところが多くあるなどの関係もあり、道迷いによ
る遭難が起きている   

 昨日は、広い駐車場がある丸野駐車場に集合し、1台の車に全員が乗って塩鶴登山口に向かった   塩鶴登山口は、山の案内本等で
説明している登山口だが、登山口付近に駐車場がないことや、第2展望台までの尾根筋は岩場が多く、危険を伴うことなどから、最近は駐
車場が広く、登山道も比較い的に容易で安全な小谷登山口を利用する登山者が多い

 登山口でストレッチをして登り始めると、暫くは杉林の急な坂道を歩く   30分ほどで天狗岩の風化した砂岩に「針の耳神様」が祀られて
いる    暫く岩の間を歩いたり、木の根を使って登ったりして、岩のトンネルを超えると、四方を直立する巨岩に囲まれ、真上の空だけが
見える窪地(空池・カライケ)に着く    カライケを出ると、そこから暫くは岩場になる 

 梯子とロープを使って尾根に出ると、巨大な岩の「大岩展望所」がある    大岩展望所の上部に大きなロープが設置されているので、
そのロープを握って岩の斜面を登る   展望所の北側からは、宮崎市内が展望できる    ここで一人の男性が 「 私は、ここで留守番を
する 」 と言って、岩の下で佇んだ

 大岩展望所から先は、階段状の登山道、巨木の根が張り巡り、滑りやすい坂道、岩場の登りなどの難所が暫く続く    岩を掴み、ロープ
を握り、木の根や枝を掴んで慎重に登ると、左手(西)に第2展望所がある   ベンチとテーブルがある   水分を補給し、行動食を食べる

 更に進むと、間もなく避難小屋がある   2階建ての避難小屋は、一部改修中で、寄付を募集しているそうだ    暫く進むと、右手の斜
面に奴草が咲いていた   11月の下旬になると、さすがに花の数は少なかった     レポートに奴草のことを書いたことがあるという山友
が 「 生物の授業でレポートに奴草のことを書いたが、花を観るのは初めてだ 」 と言っていた  

 幾つかのピークを超えて、双石山の頂上についた    登山者が1人休憩していたので記念写真をお願いした    すると、次々に登山
者が登ってきた

 下山の岩場などは、慎重に、ゆっくりと降りた    滑り易く、長い岩場の下り等では、先輩が初心者に足の置き場を教示していた  
 お蔭で、全員無事で元気に、予定時間より少し早く下山した  

 丸野駐車場の横にある緑地帯の東屋でコーヒーを飲みながら、今日の山の反省会をした
 コーヒーに添付されていた砂糖袋をマイクに見立てて意見を聞くと、全員 「 天気も良かったし、変化があって楽しい山だった 」

    2012年11月25日
                                                                    風  太郎
※ 写真は、クリックすると拡大し、もう一度クリックすると更に拡大する







































 


奴草の雄蕊

2012年11月17日 23時05分25秒 | 日記
 昨日(16日)早朝グランドゴルフ中に携帯電話にメールがあった
 山学校1期生が、登山のため鹿児島市から午前9時半頃に宮崎市に来るとのこと

 今日はグランドゴルフの参加者が少なかったので、5ゲームが早く終わった
 帰宅後、準備もそこそこに生目神社に集合し、3人で高岡町の高房山に向った 
 先日高房山で撮影した奴草は、ピントが甘かったので、今日も撮影に行くつもりだったので、私には好都合だった

 高房山の登山口から1時間ほど登ったところで奴草に会った   先日奴草が咲いていた所のすぐ近くにも奴草が咲いていた
 
 双石山にも登りたいと言うので、慌ただしく奴草の撮影、昼食を済ませて清武町へ急いだ

 双石山には数多くの登山コースがあり、以前は塩鶴登山口からの登山が一般的だったが、10年ほど前に「小谷登山口」ができた後は、
十分な駐車場があり、短時間で、安全に登れる小谷登山口からの登山者が多くなった   私も、最近は殆ど小谷登山口から登っている
しかし、昨日は久しぶりに塩鶴登山口から登った   駐車場がないので、路側帯に駐車して鳥居や標識がある登山口から登ると、暫くは
杉林の急な坂道になる  その後第1展望所、天狗岩、針の耳神社、大岩展望台、第2展望所、山小屋(避難小屋)などを通り、頂上手前
の奴草が咲く所に着く

 以前は、沢山の奴草が咲いていた所だが、近年は奴草の数が減少している   奴草減少の理由の一つには、奴草がよく見えるように
周囲の落ち葉を取り払うことではないだろうか   奴草は半日蔭の場所で、イタジイやスダジイ等の根に寄生するが、乾燥には弱いようだ

 帰宅後にパソコンに取り込んだ奴草の写真を拡大してみると、奴草の下部が緑色に覆われている(一番目の写真)  寄生植物である
奴草には葉緑素はないので、成長した奴草が木の根を突き破っているのだろう   こんなにまで奴草を「裸にして」は、この後奴草は無
事に成長を続けることができるのだろうかと案じられる   

 奴草が広く咲いている所で、落ち葉などが取り払われている場合は、私は、奴草の乾燥を防ぐためにその一部に落ち葉を被せることに
しているが、如何なものだろうか

 なお、先日のブログに書いておいた「雄蕊は、粘土状の密がなくなると外れて落ちる」と書いたように「剥げ落ちている」雄蕊が奴草の近
くに映っている写真があることに気が付いた

    2012年11月17日
                                                               風  太郎 
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下部に木の根を突き破った膨らみがある


奴草から剥げ落ちた雄蕊が右側に見える



 

スズメバチ舞う高房山

2012年11月12日 20時57分29秒 | 日記
 9日朝から不調で開けなかったブログが、今朝10時前に開いた  ブログ中止も検討していたので、一安心   しかも、コメントを頂いていたので
気分爽快になり、高房山のヤッコソウを観に行くことにした

 10時半頃写真の先輩に電話すると「 今、朝食が終わったところだ  準備をする 」  
 11時過ぎに高房山( 遊遊の森 )に向かった   今朝の地方紙に写真付きの「 ヤッコソウ見頃 」の報道があった関係だろうか、登山口周辺に車が
数台駐車していた   先輩が「 この前来た時より車が多い 」といったので、一昨年も今日の先輩を誘っていたことを思い出した   ヤッコソウを観た
先輩はまた、「 この前よりヤッコソウの数が多い 」と言った   私より年配で、傘寿も近い先輩の記憶力に乾杯 !( 完敗ではない )

 以前、ヤッコソウが沢山咲いていた所には殆ど咲いていなかった   案内板のある個所には全く咲いていない所もあった   しかし、以前は咲いて
いなかった大きなイタジイの木の周囲に沢山咲いているところが3か所あったほか、少しばかり咲いている個所もあった

 撮影を終わろうとしたとき、先輩が 「 大きな蜂がいる 」と言うので傍に行ってみると、スズメバチがヤッコソウの密を舐めていた   レンズを取り替
える間もなく、急いで60センチメートルほど近寄って撮影した   しかし、大きな木の陰で日当たりが悪く、シャッタースピードが遅くなることなどから、
「眠い」写真になった ( 言い訳 )

 ヤッコソウ科  ヤッコソウ属   ヤッコソウ(奴草)  

   スダジイ、イタジイ等の木の根に寄生する3cmほどの花で、寄生植物は栄養を作るための葉をつける必要がないので、葉緑素を持たない   
   花は最初、筒状の帽子( 雄蕊 )をかぶっているが、粘土状の花粉を出し終わると、帽子はすっぽり抜け落ちて、雌蕊が現れる  帽子の側面には
   甘い蜜が沢山出ているので、小動物などが蜜を舐め、花粉を付けた小動物が他の花に花粉を運んで受粉させる    受粉した雌蕊の柱頭は黒く
   なる 
  
  2012年11月12日
                                                                     風  太郎
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黒岳もみじ祭り

2012年11月06日 22時24分53秒 | 日記
 11月4日、諸塚村最高峰の黒岳(1,455.3m)で第14回「 黒岳もみじ祭り 」が行われた
 午前5時30分に宮崎を出発 

 今日は、長男の車に山ガール二人と乗車した  山に行くときは何時も自分で運転するので、助手席に乗車しての長距離走行は初めて
 助手席での走行は、疲労感が全くなく、快調だった  山ガールは時々横になって静かにしていた

 8時30分頃駐車場に着くと、駐車場の一角にある小屋の囲炉裏に焚火が燃えていた 
 かなり大きめの木を燃やす焚火は久しぶりで、暖かかった  有り難い

 次々に来場した登山者の中には、午後は天気が下降するとの予報があったことを考慮したのか、9時30分からのウッドカット等の行事を
待たずに山に向う人がいた

 主催者の挨拶 ~ ウッドカットの行事が終わると、山ガールたちは先頭で頂上に向かった   暫くは山ガールとその父親に歩調を合わせ
たが、間もなく三人との距離に隔たりが生じて、カメラマンは「 おいて行かれた 」    下山中に梯子を登ってお参りした黒岳神社の前方に
せり出している巨岩の展望台には、カメラマンのみが立ち、かろうじて面目をたてた   展望台から見る黒岳斜面の紅葉は、薄曇りの中に
も関わらず、綺麗だった

 山ガールは双石山に続く2回目の登山  
 双石山より標高が高く、岩場や急勾配の登山道などの変化ががあったので、山の厳しさと楽しさを感じたことだろう   下山中の坂道では、
滑ったり、転んだりして、良い経験もした  今後の成長が楽しみだ  父親は、「 次は九重だ 」と言っていた

 帰宅途中の道路脇に小堂があったので覗いてみると、4体の仏像があった    相当に古い仏像と思われる、珍しい仏像もあったので、撮
影後、少し離れた民家に立ち寄って80歳代と思われる女性に話を聞いたところ、もう少し離れた所に住む90歳代の半ばと思われる女性が
世話をしているそうだ   しかし、その女性は今日は「 もみじ祭り 」に行っているので、話を聞くことはできなかった   
 
 今日は三脚、照明などを持参していないので、後日改めて撮影に来ることにする    その際は、小堂内の仏像の世話をしている女性から
話を聞きたい  80歳代の女性は、突然訪れた初対面の私に「 茶を飲んでいけ 」とたびたび勧めていただいた     また撮影に来ると言う
と、「 その時は寄って茶を飲んでいけ 」とも言っていただいた  有り難い

  2012年11月6日
                                                                  風  太郎
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登山道と遊歩道

2012年11月05日 23時01分39秒 | 日記
 11月1日の午後、急遽山友に電話連絡をして甑岳に登った 
 最近、甑岳の頂上から一周するルートができているので、廻ってみた

 一周約50分ほどで、六観音御池の紅葉などの景色を楽しんだ
 
 しかし、途中の登山道では、登山道沿いの樹木が切り払われているのが目についた

 おそらく、登山道整備の時に「支障木」として切られたのだろうが、「そこまで切るのか」と思われる樹木も
あった  山に「入らせて頂いている」私たちは、自然保護のために、仮に多少の不便があったとしても、我慢
しながら、山を楽しむ方がよいのではないかと考えた  
 特に、登山道としては十分な幅員があるのではないかと思われる所で、登山道沿いの深山霧島が根元から切断
されているのは、切断前の状況が分からないので断定はできないが、はたして切断が必要だったのかと訝しく思
った 

 登山道と遊歩道については、幅員などについて、同様な扱いが必要なのだろうか
 
 登山道は、それなりの装備と訓練をした登山者が山に入る  したがって、登山者の安全のために危険防止は
必要だが、多少の不便は我慢する もっとも、「木の枝を潜る」ことや「木の枝を避けて」通ることは、私は
「不便」とは思わない  むしろ、それも楽しみだと考える
 
 遊歩道は、一般の人が特別な装備や訓練を必要としないで、安全に楽しむことができる
 
 勿論、安全で快適な登山道が好ましいことは言を俟たない

 私は、霧島山群の登山道整備に参加することがある  
 11月3日は、韓国岳登山道整備に参加した  その際は、登山道の浮き石を固定したり、石を集めて階段を
作ったり、土砂流出防止の為の排水溝を作ったりした  これらは登山者の安全、便宜の為や、自然の保護のた
めの作業だと考えている  支障木がある場合は、その存在が登山者にとって危険であるか否かを判断し、必要
にして最小限の切断を行うことにしているが、幸いなことに今回は樹木を切断することはなかった

 2012年11月5日
                                          風  太郎
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40人余のボランティア等が2班に分かれて作業


散乱していた横木を使って階段造り


排水溝の掘削


横木の右側に土砂流出の穴がある( 頂上方面から )


上の個所を登山口方面から


上の個所の整備終了後( 頂上方面から )


上の整備終了個所を通る下山者