安らぎと戒め

仏像と花と山と写真を楽しみます

馬刺しを食べて大崩山

2013年09月27日 20時16分34秒 | 日記
 9月2回目の連休初日、21日(土曜日)に熊本の10年来の山友から依頼され、都合4人で大崩山の
麓にある小屋に泊まった  キャンプ場に隣接する小屋は、ガス、電気、炊飯器、茶碗等の調理器具は揃
っているので食材だけを用意する  料理は熊本の参加者に任せたところ、牛肉、豚肉、鶏肉等々何種類
かの焼肉用の肉と野菜を持参してくれた  

 その中で、馬刺しが最も美味だった  50歳代に上司のお供で熊本に出張した時にご馳走になって以
来だから、かれこれ20年ぶり  山友は、「馬刺しは格別上物を買った」と言っていたが然もありなん
と思った  馬刺しの半分は私が馳走になった  勿論、他の肉は殆ど食しなかった  酒が飲めない私
は、馬刺しの美味さのお蔭で午後8時過ぎには2階のベッドに登り、翌朝4時過ぎに朝食と昼食の準備を
始めた3人の声で覚醒するまで、ぐっすり寝た 

 登山口付近の道路には10台以上と思われる車が駐車していたが、その中の殆どは車中泊したのだろう
登山口の近くには駐車できないので、7百メートルほど上手に駐車した

 予定より30ほど遅れた7時過ぎに登山口でストレッチを行い、登山を始めた  
 25分ほどで大崩山荘に着いたので小休止し、下山時に渡渉する予定の祝子川の状況を確認した  水
流は厳しいが、登山靴を脱いで渡渉すれば危険はないと思われたので、湧塚分岐に向かった

 湧塚分岐で祝子川に降りると、今年1月に落ち水の滝鑑賞に行った後に確認した渡渉箇所は、水流が深
く、無理をして大きな岩の横を渡っても、その先は深い急流が予想されたので、上流の浅瀬を探して渡渉
した

 「最後の水場」に水が殆どなかったので、昨日一日中降ったという小雨は、確かに「小雨」だったのだ
ろうと、変なところで納得したが、厳しい個所の岩場によっては湿気が残り、慎重な足運びが必要だった

 「獅子落とし」とも呼ばれる岩場の手前で、山友が水を要求した  その時は気が付かなかったが、後
で彼女はその時既に水がなくなっていたようだ  頂上には行かず、「周回コース」を8時間~9時間歩
く時には、少なくとも2リットル以上の飲料水が必要だが、余裕がなかったようで、袖ダキに着いた時に
は随分と疲労していたので、足と腰の手当をした

 大崩山は九州で一番素晴らしい山であり、九州で一番厳しい山であると思っている  袖ダキまでも、
梯子やロープ、岩場などが数多くある  これから先には、下湧塚、中湧塚、上湧塚の他、その経路上に
は梯子、岩場、急傾斜の登り、下りが数知らずある  

 また、象岩の下をトラバースする個所は細いワイヤーを握って百メートル程の1枚岩の急斜面を横切る
大崩山で最も危険な個所だ  かつて剣岳の「カニノヨコバイ」を歩いたことがあるが、其処には足を踏
み込む溝が彫られているので、難儀をしなかったが、大崩山の場合はそのような溝がない上に、剣岳のよ
うな大きなロープではなく、細いワイヤーなので一層の注意が必要だ ( 添付した最後の写真を参照 )

 なお、袖ダキから下湧塚に向かうルートの岩場は崩壊しているので、巻道を通るようになっていた
 
 この他にも写真を撮影していないが、崩壊した木製梯子など、久し振りの大崩山は以前より厳しくなっ
ているようだったので、二人だけ下湧塚と中湧塚を歩いてもらい、足の不調を告げる山友と私は尾根を通
らずに中湧塚から降りる場所で二人を待った

  〝 山では、食べ物はなくても歩けるが、水がなければ歩けない  歩いてはいけない ”

 中湧塚の下で昼食をとり、途中でストレッチをしながら、慎重に歩き、日暮前に無事に下山した

   2013年9月27日
                                             風
※ 写真は、クリックすると拡大する 再度クリックすると更に拡大する


上祝子キャンプ場の小屋 定員4人で5千円

電気、水道、炊飯器、鍋、皿等調理用具有

料理の一部 熊本名物の馬刺しが美味

ストレッチ

登山開始

梯子やロープ、小さな谷の渡渉がある

湧塚コースはここで左折して祝子川に降り、渡渉する

1月には後方右側のの大きな岩と左側の石の間を跨いで渡った

大きな岩をロープで登る

岩にある1メートル程の登山道をロープで渡る 片方は絶壁なので慎重に

巨大な岩の隙間を通過  全員通ることができた

梯子を登ると、続いて岩場をロープで斜めに登る

谷の倒木を潜って急斜面を登る

袖ダキに登るロープは長い

袖ダキへのロープが続く

ロープが終わり、もう少し歩けば袖ダキへ

袖ダキから中湧塚、上湧塚方面を展望する

右側が湧塚群 上湧塚から左へ歩くと「りんどうが丘」から小積ダキ、「象岩のトラバース」へ

へ       

シコクママコナ

下湧塚への分岐  写真左側に下湧塚へ登る梯子が見える

連続する梯子を登って下湧塚へ  更に尾根伝いに中湧塚

下湧塚へ登る梯子の一部は揺れるので、慎重に一人づく登る

以下は、中湧塚から登山口へ引き返す登山道の写真

下山も危険個所が多いので慎重に降る











写真右側の登山者は、ロープが終わるとそのまま梯子でほぼ垂直に降る

祝子川の渡渉は、通常より上流の浅瀬を渡る





※ 参考 象岩のトラバース

※ 参考 象岩のトラバース  初心者はザックを降ろし、ハーネスで確保して歩かせる
 

仁王像と秋の花

2013年09月16日 15時03分50秒 | 日記
 黒貫寺の仁王像・吽形の作品について、タイトルを幾つか考えたが、これだ、というタイトルが思いつ
かなかった  
 先日までは写真撮影と作品作りに励むばかりで、その作品のタイトルについては殆ど関心がなかった
良い写真を撮って楽しむことが私の目的だったが、人様に観て頂くためには作品のタイトルが必要であり、
多くの人たちがタイトルについて悩んでおり、「タイトルの付け方」に関する書籍が出版されていること
を今回初めて知った

 なんとも恥ずかしい限りだ  従来は、その都度仏教関係書籍を読み返したり、広辞苑を開いたり、
類似用語辞典を開いたりして考えたタイトルについて先輩などに相談していたが、今回はインターネット
の検索も行った  付け焼刃で「素敵なタイトルの付け方」と題する書籍を取り寄せたりした  

 その上で、「専門用語は必要だが、もっと大事なことは教養と感性だ」と感じた

 先日の黒貫寺の仁王像撮影に関する記事の写真について、コメントを頂いた  有り難い文面だった
その時、「15日以降に仁王像の頭部の写真を掲載する」と約束をしたが、昨日は早朝5時に自宅を発っ
て熊本県の俵山に登り、帰宅が午後9時過ぎだったので、掲載は今日になった

 俵山は「花の山」  熊本の山友によれば、「宮崎からわざわざ俵山に毎年何回も来る人がいる」との
噂があるそうだが、俵山には春先から晩秋まで花が絶えない  しかし、今年は何かと多忙を極めたこと
もあり、山登りの回数が少なかったので、必定、俵山も今回で4回目だった

 野姫百合はもう遅いだろうと思いながら、萌の里登山口付近で昨年(?)熊本の上村夫妻と野姫百合を
撮影した所に行ってみたが、やはり花は終わっていた

 一ノ峯、二ノ峯をゆっくり歩くと、背丈の低い姫萩が草原に沢山咲いており、松虫草、細葉の山母子、
沢鵯、女郎花、葉場山火口の蕾等々の花々が広大な草原を彩っていた

 折からの台風18号の影響で風が強く、ほんの一瞬だったが「雨粒」が落ちてきたのでザックカバーを
かけて下山しようかと思うと、カバーをつけ終わった時には雲が薄くなった  しかし、風は心地よさを
通り過ぎるほどに強かったので、小さな花をマクロで撮影するのは大変だった ・・・・・

     2013年9月16日
                                            風
※ 写真は、クリックすると拡大し、もう一度クリックすると更に拡大する

慧眼(一般的には「けいがん」と読むが仏教用語としては「エガン」と読む)



野姫牡丹

細葉の山母子(ほそば の やまははこ)

小雁皮

松虫草

沢鵯(さわひよどり)

姫萩

細葉沙参(さいようしゃじん)

女郎花と姫萩(おみなえし と ひめはぎ)

葉場山火口の蕾(はばやまぼくち の つぼみ)

葉場山火口の蕾(アップ)

葉場山火口の群生

女郎花(おみなえし)


仁王像と牡丹餅

2013年09月03日 11時27分01秒 | 日記
 霧島連山から小林方面に降りたときに立ち寄る喫茶店がある  元教師夫妻が経営し、絵画などを
飾り、落ち着いた音楽を流しているので下山時立ち寄り、主との会話を楽しんでいる  少し離れた
小高い丘に別荘を所有しているので、素泊まりで山友と泊まったこともある

 数年前に立ち寄った時、厨の横に何時もと違う写真が掲示されていたので問うと、「親友が亡くな
ったので、彼が撮影した仏像の写真を掛けた」とのことだった  仁王像と思われる木像に興味を感
じたので所在を訊くと、主の遠縁が住職を務める西都市にある黒貫寺の仁王像とのことだった

 その後、黒貫寺にはたびたび撮影に行った  仁王像の阿形は手が折れ、片方の目のガラスは無く
なっている  吽形は両方の目は穴が開き、頭部は傷んで針金でかろうじて安定している

 2007年11月に94歳で亡くなった母の法事で帰省した田舎で仏像との奇遇があり、その縁で
仏像撮影を始め、その後入会した写真倶楽部で作品展に出展する必要に迫られていたので、黒貫寺の
仁王像で作品作りを始めた  

 中学生のころから自分で白黒フイルムを現像して遊んでいたが、あくまでも「遊び」であり、学生
時代は山の写真などを撮影していたので、本格的に作品展に出展することは初めてのことであった

 幸い、入会した「くすのき写友会」に素晴らしい先輩がいた  また、「乗せることが上手」な先
輩がおり、「土門拳」と言う人がいたことを教えて頂いた  初めて聞く名前だったが、図書館で土
門拳作品集を借りて鑑賞し、土門拳の書籍を読んだ  

 殆ど素人の私には、土門拳の作品を理解できないままに作品展に黒貫寺の仁王像・阿形を出展した
ところが、小柄な方が私の作品の前で立ち止まっているので傍に行くと、「良いですね」と褒めて頂
いた  「もう一体が並ぶともっと良いですね」とも言って頂いた  後で会長に話すと、その人は
写真に関して高名な方だった

 その後も、多分15回以上は黒貫寺に出かけており、ご住職から話を聴いたこともある  
 9月1日は、雨の中で撮影したいと思い、西都市に向かったところ、途中で雨がやみ、黒貫寺では
晴れ間が出た  今年の天気は変わりやすい

 撮影を終えてご住職のご母堂が差し入れて頂いた牡丹餅を頂こうとしているところに、高齢の男性
が若い女性を案内して来た  私に遠慮して立ち止まっていたので「どうぞ 撮影は終わりました」
と声をかけると、黒貫寺や久峰観音、仁王像などの説明をした  私に対しても、「観音堂の中に龍
がある」などと教えて頂いた  男性は佐土原歴史資料館のガイドだった  名刺を交換し、今後の
教示をお願いし、快諾を頂いた  

 今日の目的であった「雨中の撮影」はできなかったが、佐土原には調べたいことがあるので佐土原
のガイドに会えたことは有り難い  私は、失敗したり、出来なかったことがあると、殆どの場合、
後で良いことがあったり、「しなくて良かった」と思うことがあったりするので、若いころから失敗
してもあまり悲観したことはない  有り難いことだ

   2013年9月3日
                                           風
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