安らぎと戒め

仏像と花と山と写真を楽しみます

霧島連山の深山霧島

2014年05月26日 22時29分42秒 | 日記
 深山霧島の季節になった
 昨年は高千穂峰のお鉢に咲く深山霧島が格別に綺麗だったので、そろそろ出かけようと思っているところに地
元新聞が「中岳中腹の深山霧島が見頃」と写真付きで報じた

 日程を調整して24日の土曜日に高千穂河原に向かった  
 先日、高千穂峰に登る心算で高千穂河原に向った時には、途中の道路沿いに色取り取りの三葉躑躅などが咲き
乱れていたので車を停めて撮影しているうちに時間を取りすぎて高千穂峰に登る時間がなくなったので、えびの
高原で野海棠を撮影したり、えびの岳に登ったりしたが、24日にはそれらの花も終わっていた

 高千穂河原の第1駐車場には車があふれていたので、通常は使用していない第2駐車場に案内された  新聞
報道を見た人たちが来ていたのだろうか  準備をして登山口に向かうと、以前所属していたガイドクラブの会
長の姿があったので傍に行って挨拶をすると、UMKテレビ関係者を高千穂峰に案内するそうだ

 水飲場と高千穂河原ビジターセンターの間から橋を渡って登山口に向かった  新燃岳の爆発後に中岳方面に
登ることは初めてだった  中岳頂上にはまだ登ることができないが、凡そ標高1,100メートルの「探勝路
最高点」までは歩くことができる

 登山口から「霧島連山縦走コース」に入ると、間もなく「もみじコース」分岐の案内標識がある  これを通
り過ぎると登山道の沿線に深山霧島が散見されるが、間もなく「つつじコース」の分岐がある  これらの探勝
路分岐コースからは、いずれも進行方向から左折して歩くことになるが、今日は縦走路を進む

 縦走路の沿線には深山霧島が咲いてるが、「見頃」は少し過ぎているようだった  もみじコースとつつじコ
ースが縦走路と合流する「探勝路最高点」の僅か手前で下山し、高千穂の峰に向かった  下山しながらつつじ
コースの方を眺めると、綺麗な花が咲いているようだったので、途中からつつじコースに入り、もみじコースと
の合流点まで登ってみた  しかし、やはり見頃は過ぎていた

 下山中に、登ってくる人たちから「綺麗でしたか」「まだ花は遠いですか」などと聞かれた  「綺麗でした」
「もうすぐですよ」と答えていたが、一組の壮年夫妻から聞かれたとき、「振り返ってみてください」と言うと
二人とも後ろ向きになったので、後方にいた奥様に「貴方は前を向いてください」

 前に居る夫が後ろを向き、後ろに居た妻が前を向いたので、妻を指さして「あのように綺麗でした」
 二人の夫妻だけでなく、その後から登ってきた若い夫妻も大声で笑いこけた  壮年のご主人は私の肩に手を
かけ、元気に登って行った  若い夫妻も私を振り返りながら笑顔で歩いた  そこで若い妻に訊いた 「山で
疲れた時には、どうすれば良いと思いますか  大笑いをすることですよ」  二人ともうなづいていた

 高千穂河原に降りてトイレを済ませ、売店でチョコレートを買って大鳥居に向かった

 古宮址の山門で遥拝して高千穂峰に向かった  暫くは林の中を歩く  その途中で一組の夫妻が追い付いて
来た  私を追い越しながら、「やはり風さんだ」  かつて私が所属していたガイドクラブが開催している山
学校の一期生だ  以前も韓国岳で一緒になったことがある  鹿児島で農業をしているが、「今日は天気が良
いので」山に来たそうだ  中の良いご夫妻で、休憩を兼ねてバナナをご馳走になった  

 私が11月に開催予定の個展の作品作りについて、先日韓国岳で偶然に会った元ガイド仲間が仏像の在り処を
教えてくれたことを話すと、夫妻も近くに良い場所があるので案内すると言って頂いた  有り難い

 高千穂峰の西側斜面は、深山霧島が広く咲いていたが、惜しいことに花の咲いているところが遠かった
 お鉢(噴火口)の斜面にも相当の花が咲いており、向こう側斜面も色づいていたが、今はお鉢を周回すること
は出来ない

 撮影中に下山してきたグループの中に、顔をタオルのような濃い色の布で覆った女性がいた。下を向いて歩い
ていたので良く見えなかったが、面白い衣装(?)だと感心した  暫くして、撮影したかったと思った  
しかし、その時には既に遠くを歩いていたので、諦めた  随分以前には、やはりお鉢の縁を歩いているときに
仮面をかぶり、侍の衣装をし、模擬刀を差した人に会い、声をかけると、撮影を認め、ブログに書くことを了承
して頂いたことがあった

 ところが、下山して古宮址に参拝して帰ろうとしたとき、「あの人は随分長い間祈りをしている」と若い女性
たちが騒いでいた  その女性が「色々お礼を言っている」と言いながら振り返ると、あの人だった

 お鉢で観たときは下を見ながら歩いていたので顔が殆ど見えず、ある種「不気味な」印象もあったが、正面か
ら見ると穏やかな表情だったので、撮影とブログの話をすると、心良く了承して頂いた

 撮影後に「素顔」を見せて頂くと、「色々お礼を言っていた」ことが理解できる素晴らしい女性だった
 「仮面」から覗いて見える目が、その優しさを表していた

 住所も名前も訊かなかったが、彼女は必ずや幸せな人生を送ることができるだろう 
 笑顔を見せて頂いた私も幸せだった  有り難い

      2014年5月26日
                                              風

※ 写真はクリックすると拡大し、もう一度クリックすると更に拡大する


霧島連山縦走路の「つつじコース」入り口分岐を過ぎた辺りの深山霧島

縦走路周辺の深山霧島

縦走路沿線の深山霧島

縦走路沿線の深山霧島

縦走路周辺の深山霧島

大鳥居

古宮址登山口

高千穂峰登山道 この辺りは平坦だが、この前も、この先も急な階段がある

間もなく林内歩きが終わる

お鉢の斜面に深山霧島が群生しており、色づいているが登山道からは遠い

お鉢の内側斜面に深山霧島が咲いている

お鉢の底は白色化している

本峰とお鉢の間に地層(本峰)が見える

お鉢から高千穂峰の頂上方面を見ると、登山者と下山者が列をなしている

荒々しい岩の中腹にも若い深山霧島が咲いている

岩と砂交じりの急傾斜地

「感謝の日々を過ごしている」(と推測される)霧島の麗人
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