10/9~10は、西上州を代表するバリエーションの岩稜縦走コースでのガイド&講習でした。
今回はご参加が東京からのAさんお一人ということもあり、かなりレベルの高い内容に変更して行いました。終始岩稜が連続するこのコース、一般的には巻き道を辿るかもしくは誰かが設置した固定ロープを使用して登られることが多いですが、そういうのは無視してバリエーションルート本来の登り方、即ちしっかり自分達の技術、知識、経験で登ってこそ楽しいです。
特に最近目立つのが、バリエーションルートにも関わらずコースが難しい場合に他の登山者も難しい筈だと勝手に解釈して、固定ロープなどを勝手に設置しまくって山そのものを易しくしてしまう方が多いです。その方にしてみると「誰でも登れる山にしたい」というのが狙いのようですが、一般登山コースなら行政や山小屋、山岳関係者などが必要な措置として行うのは理解できますが、必要な技術や知識、経験を備えてるからこそ挑戦できるのがバリエーションルートである筈なのです。そのバリエーションルートに個人が勝手に設置してルートの性質そのものを変えてしまうのは大問題です。
あくまで山はそのままで、登れないなら自分の技術なりをレベルアップする、もしくは自分のレベル不足分を補ってくれる人に同行してもらうなりして登るべきでしょう。ルートの性質そのものを変えてしまうのは根本的に問題です。
ということで今回は1日目に先ずは確実に登り下りする技術の訓練から行い、続けてロープワーク技術の訓練をみっちりと6時間も行っていただき、翌日の赤岩尾根に備えました。
全ての岩場をAさんリードで登っていただきました。その場その場で有効な方法を試してもらいながらの行動です。もちろん巻き道は使わず、固定ロープ類は全て無視です。
1538m峰が大きく立ちはだかります。
P1への最後の登り。
下山は所々で登山道を外して懸垂下降で下りました。6回位は懸垂下降したかなぁ~ ヤル気、体力満点のAさんでしたので時間が足りないくらいに熱心に行動してあっという間の2日間でした。いや~ 遣り甲斐がありました。Aさんありがとうございました!
10/5~7は、Tさんの個人ご依頼で穂高岳ガイドでした。
元々8月下旬に予定していたガイドでしたが悪天候により順延、結果的には紅葉、天候、人の少ない静かな山、全てに満足の最高の穂高岳登山を楽しんでいただくことができました。
タイミングバッチリで紅葉に彩られた涸沢。やはりなんといっても紅葉といえば涸沢ですね!
真っ赤に染まるナナカマド。
奥穂高を後にジャンダルムをめざして第一の難所「ウマノセ」を進むTさん。
いつ見ても迫力満点のジャンダルム。
槍ヶ岳をバックにジャンダルムに登頂したTさん。憧れのジャンダルムに最高のコンディション下で登ることができて本当に良かったですね! おめでとうございます!
私自身は今シーズン6度目のジャンダルム登頂でした。パチパチ
10/3~4は、阿弥陀岳南稜のガイドでした。
冬季バリエーション入門として人気の高い阿弥陀南稜ですが、無雪期にもとても楽しめるコースです。美しい紅葉に彩られたグッドコンディションの下で八ヶ岳にしては貴重な雄大な登山を満喫することができました。
青ナギから望み阿弥陀岳南稜と阿弥陀岳山頂。最高の紅葉ですがなかなか上手く撮れていないのが残念です~
おなじみ天狗尾根の上部岩峰群。カッコイイですね!
南稜上部の核心部を望みます。最も目立つ威圧感満点のP3。
P3の岩稜直登ルートを登ってくるTさん。通常は巻きルートが一般的ですが今回は直登ルートでP3を経て山頂に抜けました。Tさんにとって始めての阿弥陀岳登山がバリエーションルートからの登頂となりました。さらに下山もバリエーションの中央稜を下りました。変化に富んだ阿弥陀岳登山となりました。
いや~楽しめました! Tさんも頑張って登りました。ありがとうございました。
※ちなみに「ロープ不要」「脱一般ルート」と言われる阿弥陀岳南稜ですが、直登ルートを登る場合はロープでの確保が必要となりしっかりしたバリエーションルートとなります。