先の続きです。
この方、最初に拝見したのは「クロワッサン」の
「着物の時間」
右の写真です。
2003年刊ですから、今から14年前。
当時30代、今はアラフィー。
「こんな雰囲気でずーと行きます。
白髪になったときがまた美しいと思う」
とキャプションに。
確かに、より落ち着いた美しさが出ています。
お召しの着物は、
ご主人の「マルファクトリー」のもの。
刺繍作家として働いているとき、知り合い、
めでたくゴールイン。
右の写真のきものは、披露宴でもお召しに。
「シンプルきもの」でのきものと洋服。
ワンピースを着るようにきものを、コンセプトです。
こちらはもうグレーとこげ茶の世界。
なにより素敵だと感じたのは、帯。
いや、もうグレーの濃淡の切りばめ、やら~~。
それを小振りに結んできりり。
一冊が同じ色調ながら、
どれだけ眺めていても飽きることがないのは、
墨絵の世界を垣間見るようだから。
横森さんとの違いは、色を抑えた着こなし。
「凝りすぎず、もの足りないくらいが
ちょうどいい。おしゃれに余白があると
気負いがなくなる」
確かに着物はそれだけで「気負い」が前面に
出るものですが、「余白」を作ることで、
それを打ち消すわけですね。
それに、着物は、それだけで見せるものではなく、
やはり動いたり、背景の場所を加味して
完成するものなのかもしれません。
う~~ん、背景とマッチした世界。
東京と関西の、沖縄の光も違うしね。
この方の帯結びは、「角なしの角出し」。
ご主人の「お太鼓結びは、
中に箱を背負っているようでおかしい」との言葉に、
いつも角出し、だそう。
ご主人のへの尊敬と愛がいっぱいなのね。
外国の人がお太鼓を見て、同じこと言っているのを
読んだことがあります。
私も小振りな帯結びが好き。
それに、羽根出しもあまり好きではなかったので、
わが意を得たり。
この本には、三原さんだけではなく、
知人の方の着物も載っていて、
もちろん「マルファクトリー」のものなのですが、
これがまた素敵。
木綿着物だそうです。
同系色の帯に、足袋も黒っぽい。
半襟だけキリリと白っぽさで。
「一時のおしゃれを楽しむものは
もう買いません」ときっぱり。
もう一人の30代の方は浴衣を紹介。
「でも主婦ですから無駄遣いはしません」と
こちらもきっぱり。
きものって、数持つ必要ないのよね。
反省==。
さて、
河村さんの本と三冊続けて見てきましたが、
どの着物も考えも素敵で、紫苑は
「目移りがクセなのさ~~、シャララ」♬。
どんな着物を選ぶにせよ、
皆さんに共通していることは、
ご自分をよく知っていること。
この方たちと着物をシャッフルしても
どの方も、どのタイプの着物も似合いそうです。
しかし、「好きは自分だけのもの」
横森さんは
「小金持ちのきもの道楽マダムにはなりたくない」
と仰るけど、一方では、
そう見せたい方もいるわけで。
「人妻が昼顔しにいくイメージがいい」(笑)
なんて方もいますよ。
姐や風がいいとか、極道妻風がいいとかね。
河村さんのセレブきものなんて無理だわと
思うかもしれませんが、河村さんのキーワードは
「清潔・清楚・上品」
横森さんは「色と楽しさ」
三原さんは「ハンサムウーマン」とモノより
精神を学べばいいわけで。
今は昔と違って、まだお安く楽しめる。
きものには、「コスプレ」の楽しさも加わるから、
余計面白いのかも。
「女は女装で遊ぶ」→湯山さんの本。
いやあ、着物って、楽しいですね。
というわけで、長くなってしまいました。
最後までありがとうございました。