セミナーで介護保険の給付決定のはなしを伺いました.それはそれで非常に興味深いところで,介護者の時間を測って給付額を決めてるだなんて,学部生のころに習ったテイラーシステムをほうふつとさせる(というか,そのまんまじゃないかという気も)ものがあって,おもしろかったです.給付額なんてそうでもしないと決まらないのかもしれないですが,タイマー片手に2日間付きっきりでそれぞれの介護サービスの時間を計測し,それを何千人にも対して行うってのは,なんていうか,行動科学も金がかかるんだねえと(そこが問題なのか?).自己申告なら「国民生活基礎調査」が似たようなことをやってますが,やっぱりサービスの強度を考えるとやらないといけないんだろうなあ.
で,そうやって集められたデータをどう分析するかなんですが,安易に「回帰分析かな?」と思ってはみたものの,何を何に回帰するのか見当もつかず,ううむ,と思っていたら,資料の片隅に「樹形モデル」の文字が.なんじゃこりゃ?と思ってインターネットで検索してみたところ,一種のノンパラメトリック回帰のようです(下のリンク参照).考え方自体はそんなに難しくはないのですけれども,変数の順序に依存するんじゃないかな?と思ったりします.なかなかに興味深い手法で,推定値は探索的に見つかるみたいなので,推定手法自体も(考え方は)難しくなさそうです.どこらへんに問題があるかよく分からん,というのは分かってない証拠ですけど.何かに使えそうな,使えなさそうな.ちなみに,Stataには組み込まれていません(←こういうことをチェックするのはどうなんだ)
あとは主成分分析など多用していたように思うのですが,主成分分析もよく分かってないので(直交基底への分解になるんだったとは思うんですが)違うかもしれません.ううむ.世の中知らないことがいっぱいですね.
リンク: 動物行動学者のための樹形モデル.