3日目のオプショナルツアーについては,最初は「先住民の文化に触れるかんじきツアー」を考えていたのですが,New Years Eveでもありお休みということで,犬ぞり体験+操縦というコンビネーションにしました.オーロラ鑑賞と同じバスで同じ場所に移動します.鑑賞地は湖の入り江沿いにあり,寒さをよけていたティーピーの向かい側の岸に犬たちが飼われています.犬ぞり体験自体はそれほど時間のかかるものではないので,そのあたりで焚き火を囲んでマシュマロを焼いてみたり,そこらへんに無造作に突き刺してあるかんじきを履いてそこらへんを歩き回ったりして極北の雪を満喫しませうてなものです.
左の写真は,暇つぶし用に(?)設置されている滑り台の上から撮ったものです.空気中の水蒸気が樹々の枝で結氷して蔵王の樹氷のようになった白い林が一面に広がっています.この滑り台,けっこうな人気者らしくて凍ってしまっておりまして,壁に当たると怪我をするのでちゃんと丸まって滑ってくださいね,ということだったので,ちゃんと丸くなって大きなタイヤ状のものに乗っかって滑ったのですが,おしりを深く入れすぎてしまい,途中で強かに打ってしまいました.うー.
犬ぞりを引っ張る犬種には,シベリアンハスキーとかアラスカンハスキーとか,あと1種類くらいいるらしいです.写真撮ろうと思ったらカメラが凍ってて断念しました.残念.犬ぞりが帰ってくるたびにわんわん言っているのですが,寒くないんでしょか,などと思っていたら順番が回ってきました.この犬ぞりツアー,体験ツアーでは操縦するマッシャーを含めて5人乗せたそりを10頭立てで引いて,操縦体験では操縦補助のスタッフさん(こちらがほんとは指示を出しているですが)を含めて2人乗りを10頭で,1周15分くらいの森の中の周回コースを走ります.ぼくらの順番が回ってきたころには,10組近く走らせたところで御犬様たちもさすがにお疲れのようでした.そんなお疲れの御犬様にお願いして操縦体験からです.操縦体験と言っても,そりの後ろに立って乗って,前に座っている本職のマッシャーさんに言われるままにブレーキをかけたり,カーブに合わせて重心を動かしたりするだけです.だけなんですが,10頭の犬が前をとことこ引っ張っていくのを十分堪能できる,なかなか素敵な体験です.お疲れの御犬様たちは,さすがに「今回のマッシャーはアマチュアやな」と思っているわけではないと思うのですが(『動物のお医者さん』白熱の犬ぞりレース編の読みすぎ),しょっちゅう後ろを振り向いたりよそ見をしたりしておりまして,なんていうか,こんなもんなんかいな,てなものなのですが,それでもとことこと1周走ってくれまして,マイナス40度近いところを走るので尋常でなく寒いながらも楽しい体験でした.目線が高い位置にあるので,犬たちのうごきがよく見え,また白い森の中を駆ける爽快感もあり,レジャーとして体験するにはすばらしいです.これで移動したりしようとはあまり思わないですけど(寒いというか冷たいし).終わってしばらく経ったら,今度はふつうの体験ツアーです.こちらは,そりの中に縦列で座っていくというもので,先頭に座らないと犬の姿はあまり見えないのですが,それでも雪の中のジェットコースターみたいな感じでおもしろいです……なのですが,このそり,ときどき軽くジャンプして,それが滑り台で打ったおしりに響いて,えーと,大変でした.尾てい骨にひびでも入ってたんじゃないかと危惧しております.そのあとしばらく坐骨神経痛みたいですし.うう.
それやこれやでオプショナルツアーを楽しんで,宿に戻るバスを待っているあいだは毎日放送の「冬は秘境だ!」でチュートリアルの2人がオーロラを見に行っているのの録画を見たり,しておりました.しかしなんですね,テレビに出ている建物のなかでその番組を見るってのは妙な気分ですね.宿に戻って一休みしてから,またオーロラ鑑賞に出かけます.やること自体はぜんぜん変わらず,オーロラが出ていれば外に出てぼんやり見上げ,出ていなければ内に入ってココアを飲み,バッファローのスープなどいただいておりました.
この日もきれいなオーロラをみることができました.うすい緑色のオーロラが帯のように空を横切っているのは,地上からのレーザーのようにも見えますが,もっとぼんやりふらふらしています.星もよく見えるのですが,2等星くらいなら濃くないオーロラだったら透けて見えるくらいなものです.今回は帯状のものが幾筋も全天にかかったかんじのことが多かったです.さて,31日ということで,新年カウントダウンがあったり,10分ほどの花火があったりしました.真っ暗ななかでみるオーロラと花火の組み合わせは美しいものでした.スタッフさんもたいへんだなあ.ということで写真を拝借.
ま,しかし,カウントダウンとはいっても,イエローナイフは日本時間より16時間遅いので,「おしりが痛い」といいながら犬ぞりに乗っていたころには日本ではすでに年が明けていて,「朝まで生テレビ」もやってたか終わってたかな時刻だったと思うと,なんだか変な気分です.ま,「朝まで生テレビ」なんて見ないんですけど.