隕石とは関係ないんですが,この最寄のまちのLloydminsterというのはへんてこりんな市で,アルバータ州とサスカチュワン州の両方にまたがっていて,街の真中の通りが州境になっているんだそうです.なんでそんなことになっちゃったのかよくわかりませんが.日付変更線だって曲がってると言うのに,州境が曲がっていかんことはないでしょうに.で,アルバータ州とサスカチュワン州では,日本でいうところの消費税率が異なるので,容易にcross-border shoppingができてしまうことになり,なので町の中心部ではアルバータ州の税率が適用されるそうです.固定資産関係の税もどうだか,とMelおじさんの授業で聞いたんですがどうだったかな.なんにしてもへんてこりんな.
半年はのほほんとして,論文や本を読もうと思っていたところ,前半部の目的だけは着々と達成されているのですが,せっかくなので今学期はMelおじさまの学部向けの地方財政の授業に出ております.と思っていたら先週の授業のあと,「来週はちょっと用事があるので授業が1回できないのだが,そこで日本の財政制度について説明してくれないか」という話になり,沈思黙考3分にして引き受け,今日,話をしてきました.ここの大学の講義は80分一こまが基本らしいので,80分.学部生相手に日本の地方財政制度の説明なんて日本語でもいかがなものか,というところではあるのですが,2年ほど前に国際局のCLMVセミナーのためにつくった資料が手元にあり(これも元はと言えば私淑するH先生のをぱくったものではないかと),これをアップデートすればいいや,てなものでした.
とはいえ,(ふつうの授業のように)資料があればその場の思いつきで話すことができると言うものでもないので,数日かけてスクリプトを書き,ネット経由でデータをアップデートし(なんて便利なんでしょ!),せっかくなので国際データでカナダと比較してみようかと思いついてデータを見つけるのに四苦八苦し(OECDのSNA統計がよいようです),ちゃんと準備しました.まー,ここの大学は国際色にあふれているので発音がおかしいのは配布資料でカバーってことで.
がんばってしゃべりました80分.日本の学生と違ってちゃんと反応してくれるので話しやすいです.原稿にないことを思いついて話そうとすると英語にならない(国と地方の係争処理委員会とかすぐに英語にならない)のはご愛敬ってことで(おい).疲れたです.ふう.
先週の木曜日のことですが,もう日も暮れようかという午後5時半ごろ,カナダはアルバータ州からサスカチュワン州にかけての広い範囲で,眩しく光る物体が落下していくのを多くの人が目撃しました(記事は例えばこちら.左の写真もこちらから.).「あれはなんだ.鳥か.飛行機か.いや……」という会話は交わされませんでしたが(この会話は日本語だから),目撃した人にはかなり衝撃的だったみたいです.「最初は花火かと思ったんだ.あんなのは見たことない.青か緑だったのが明るい赤色に変って.すげえでかかった」とのことです(上記記事より).この時間帯,ぼくは大学の窓際の席にいたはずなんですが,方角がちがって見られなかったです.さて,この物体の正体は隕石(meteor)でした.エドモントンから600km離れたアルバータ・サスカチュワン州境あたりに落下したようです.
この話,木曜日の夜のニュースで見かけたような気がして,「ほほー,隕石?」と思っていたのですが,週末には続報をみかけず,「なんだそんなものか.カナダじゃ隕石は珍しくないのか」と思っていたら月曜日のMetroのトップにちゃんと出ました.「Space-rock search is on」ということで,隕石探しが始まったようです.これがまた妙な話といえば妙な話で,国境の南の宇宙好き(A space cowboy from south of the border)が「隕石? そいつぁクールじゃねーか.10年に一度の宝物だね(This is the coolest treasure hunt of the decade)」とか言って,隕石が見つかれば10000ドルで買い取ると言ってるんだそうです.アルバータ・サスカチュワン州境といえばだだっ広い平原が広がっているところで,隕石が落っこちてもたいして被害はなさそうなところですが,ということは人口密度も低いところと思われるので,そんなに簡単に見つかるものなのかしらんとおもいます.隕石の轟音を聞いた人は落下地点から半径30km以内にいるので,見つけやすいだろうとか言ってますが,いやいや半径30kmて.どーなっちゃうんでしょうかこれ.
ニュースを見ていたら,国際宇宙ステーションを背景画像に「Lost and "found"」というタイトルが出ていて,なんのこっちゃいな,と思っていたのですが,こんな話みたいですね.
「国際宇宙ステーションでうっかりミス、宇宙空間に道具箱の忘れ物」(technobahn)
→「宇宙空間で道具箱をなくした宇宙飛行士、「同僚に会わせる顔がない」」(technobahn)
→「宇宙空間で行方不明になった工具箱、アマチュア天文学者が地上観察に成功」(technobahn)
1000万円の道具箱がデブリになったというのもえらい話ではあります(abcニュースのタイトルはWhen Space Gear Turns Into Space Junkでした.)が,それを観測しようというのもなかなかな話で.オンタリオ州在住のアマチュア天文学者Kevin Fetterさん,すごいね.
Remembrance Dayの次の日のMetroをみると,昨日のイベントについていくつか記事が乗っているわけですが,日本の8月15日と比べてなにか違うなあと思ってぼんやり考えていて,こちらでは軍の制服を着ているおじいさんが目立つ,ということに気がつきました.戦争関係のイベント(?)なわけですから軍隊が前面に出てきておかしくないし,カナダ軍はいまでもアフガニスタンに展開していて犠牲者・戦死者も出ているので,当たり前といえば当たり前で,こういうイベントでもなければ軍人のなりてはいないわなあ,とは思います.いまのところ公的には軍隊を持たない国の人としては,やっぱりなんだかよくわかりません.いろいろと.
そういえば,オバマ氏は軍隊経験のない初めての大統領だとどこかで見たんですが,ほんとうでしょうか?
そういえば,この週末のCBCの大きなトピックの1つは,アフガニスタンはカブール近郊で誘拐されていたCBCの記者が解放された,というものでした(日本語での報道は見当たりませんが).金銭目的だったようですが,Stephen Harper首相は取引を明確に否定しています.当然ですね.
今日からがんばろかしらん,とおもって大学に行ったら,建物のカギがかかってて入れませんでした.きょうはカナダはRemembrance Dayで祝日なのでした.知らんかった.この祝日は,第1次世界大戦の終戦日にあたります.数週間前からポピーの花募金が行われていて(ここやここ参照),ハーパー首相も付けてるし町中の人たちもたくさん付けてるしあれはいったいなんじゃらほい,と思ってましたが,戦没者追悼記念日にちなんだ募金でした.ううむ.イギリスでも同じような祝日があって,Poppy Dayとも呼ばれるそうです.エドモントン市内のバスが「Lest we forget(忘れないように)」という表示を出していたのはこのことだったのね.今年は1918年の第1次世界大戦の休戦から90年の区切りと言うことで,盛り上がり(?)も違うようです.
大学に入れなかったので,帰ろうとしていたところ,West Edmonton Mall行きのバスが来ていたので,これを機にWEMデビューしました.スケートリンクがあるところで,軍による(?)セレモニーが行われていたので,しばらく見ていたのですが,なかなか始まらないので,最初の国歌独唱だけ見ました.WW1から戦後90年ともなると,さすがに体験者はほとんどいないのでしょうが,この日は戦没者全般の慰霊の日でもあるようで,アフガンでも戦争中の(?)カナダにはやはり特別な日みたいです.
とくに買いたいものがあったわけではないのですが,テレビの回転台があったらいいなあ,と思いつつ回ってみたところ,ありませんでした.だいたいどこで売ってるのか見当もつかなかったというのはあるんですが.うわさのH&Mがあったので入ってみようかとしたんですが,ちとおしゃれーな感じに後ずさりしてしまいました.銀座店もそうなのかしらん.中華系のスーパーが入ってて,いろいろおもしろいものを売ってました.流通の進歩ってすごいですねえ.
と,いうことで,また1日がかりでエドモントンまで帰りました.時差の関係で2時間得する(?)ことになるのですが,朝ごはんも食べずにホテルを出て,またトロントのTim Hortonsでご飯を食べ,エドモントン行きの飛行機のなかでは行きの教訓を生かしてイヤホンを持ち込んで映画に挑戦しました.ケビン・コスナー主演のSwing Vote(ここにも紹介が)だったですが,えーと,途中で英語についていけなくて熟睡しました.日本公開の予定は…ないでしょうなあ.ひょんなことからケビン・コスナー演じるシングル・ファザーの浮動票(swing vote)が大統領選の決め手となる最後の1票となったことから全米が大騒ぎするという,彼の再投票までの10日間を描いた政治コメディなんですが,えーと,日本では売れないだろうなと思って.や,せりふ分からないなりにおもしろく見てはいたんですけどね.うーん.
エドモントン到着後は,シャトルバスのおばはんにちといらっと来たりしつつ,Edoに初挑戦してううむと思ったりしつつ,帰って来ました.ぐったり.月曜日はインターネット業者が来ることもあるので休養します.
2時間の時差を越えてキングストンまで来たので,街をふらふらしてみました.エドモントンに比べると格段に小さくて古い街で,歩いてうろうろしていると中心部はあっさり回ってしまいました.かつては首都になったこともある街で,立派な教会やなんやが美しいところですが,なんせ建物の高さが低いのがよろしいですなあ,というところです.ちょと足を伸ばすとFort Henryなども興味深いんですが,交通手段がなかったのであっさり断念しました.ドレッシングで有名なThousand Islandsも近くですけど,すでにシーズンオフに入っていました.確かに,オンタリオ湖畔をちょと歩いてみると寒くて寒くて.
夜は,留学中のMさんを捕まえて御馳走になり,SecondCupでうだうだと話をしました.相変わらず笑い声が高いですが,この方もお人柄ですなあ.
ホテル(Hotel Belvedere)はビクトリア朝風な素敵なところです.朝ごはんを食べに行ったら,「ワークショップに行くのか?」とおじさんに声をかけられたので,いっしょに食べることになりました.とはいっても,ほかの人たちも降りてきたので(WilsonとかMarceauとか),おどおどしながら黙って食べてました.ううむ.
QED Public Economics Workshopはこのところ毎年開かれている1日ワークショップで,今回は理論5本実証1本,午前3本午後3本の6本立てです.理論はテーマがうすら理解できてもロジックはよくわからんし,実証は膨大なマイクロデータでいろいろ組み合わせてるし,で,けっこうぐったりでした.要するにさっぱり分からんかったということなんですが.1本目はBoston Collegeの小西先生で,共著者は古沢先生,篠原さんの論文がちょいちょい引用されていて,名前は見たことある人ばかりですがこんなことやってたんですかさっぱりわかりませんがな,という感じでした.ま,でも,夜の飲み会でお話できたからよしとしましょう,ってそれでいいのか.実証の論文くらいは読み直してみましょう.