だからちがうんだってば.

ブログ人から引っ越しました

21世紀の貨幣論

2015-02-26 21:59:30 | 授業ネタ
フェリックス・マーティン,遠藤真美訳.2014. 21世紀の貨幣論.東洋経済新報社.

「マネーとは何か。マネーをめぐる6000年の歴史をひもとき、経済学と資本主義の未来を問う」本だそうで,貨幣にまつわる逸話がいろいろあってそこは興味深く読みましたが,貨幣についての「正統的理解」に深く浸かっているっぽい身としてはなんだかよく分からないところもありました.ときどき金融の本を読みたくなるのですけど,こういう哲学的なのはやっぱり分からなくなるのであるなあ.

イスラム国 テロリストが国家をつくる時

2015-02-20 11:37:06 | 授業ネタ


ロレッタ・ナポリオーニ.村井章子訳.2015.イスラム国 テロリストが国家をつくる時.文藝春秋.

うわさの「イスラム国」について(イスラミック・ステートと呼ぶようになりましたか)です.ただの武装集団ではなくて,建国の意思を持って情報技術を活用しているんだそうです.カリフ制国家を作りたいらしいのですけど,カリフ制国家のもとで,彼ら自身が活用している情報技術のような技術革新が起きるのかしらん,というのはよく分かりません.なんとなく不整合的な気が.


その問題、経済学で解決できます

2015-02-12 13:06:07 | 授業ネタ


ウリ・ニーズィー,ジョン・A. リスト.望月衛訳.2014. その問題、経済学で解決できます。東洋経済新報社.

某N先生が外書講読で使っている "The Why Axis"の日本語訳.原書で読めよ,という話ではあるのですがせっかく日本語訳がでてるんなら(弱気).Field experiment(実地実験)で「一旗揚げようとしている」「売出し中の」一派による本で,実地実験の有効性とインセンティブが持つ有効性(と,初歩的な経済学では省略されがちなもの)を手を変え品を変え紹介しています.おもしろいです.

Field experimentにまつわる本なんですが,それぞれの事例の説明では個別具体例を挙げて説明しているあたり,やっぱり統計って一般受けしないのね,とも思いました(「ファスト&スロー」でも出てきました).あと,担当編集者はあのYさんで,やっぱり美人さんはすごいのね,とも感じました(「第9章 人に寄付をさせるのは本当はなんだろう?」を参照).長らく会ってないけど.


文章読本さん江

2015-02-11 12:54:46 | 授業ネタ





斎藤美奈子.2007.文章読本さん江.ちくま文庫.
『論文の教室』が新版になっているので読んでいたところ,最後の文献案内に挙がっていたので読んでみました.文章読本というのは「えーい貸してみなおじさんがやってやっから」的な中年男性のお節介のカタマリといえるということで,そこはなるほどなあ,なんですが,そうすると「レポートの書き方」とか作っちゃうのはやっぱりアレなのかしらんと思ったり.でも最近の「作文」教育では実用的な文章の訓練には重きが置かれていないんだそうなので,やっぱりいいかしらん.どうなんだろ.