だからちがうんだってば.

ブログ人から引っ越しました

松戸市議選・結果

2010-11-25 14:47:56 | 経済学
と,いうことで,松戸市議会議員選挙が終わりました.sunaharayくんが「コメントがすごい」と言っている民主党の生方幸夫衆院議員の地元でもあるわけですが,「民主惨敗」との報道もあるとおり(朝日毎日),現職4人を含む11人を擁立した民主党は2人当選,9人落選,しかも現職4人全員落選という,おやおやおやおや,という結果になりました(結果はこちら).定数44に対して68人が立候補して,有権者約39万人に対して投票者は約16万人,投票率は41%で前回4年前より3ポイント以上アップ,というなかで,トップ当選は前回に続いて山中けいじ氏で8,287票(前回は5,022票).無所属以外の当選者でみると,公明党が10人でトップ,共産5,民主・自民・みんなの党がそれぞれ2,社民1となっていますが,民主党系無所属とかいう人もいそうなので,市議会運営的にどうなるかはよくわかりません(だって知らないもん).しかし公明党が10人ですか.都市型選挙区なのですなあ.

民主党の大敗の原因は立候補者が多すぎたとか,民主党の人気がなかったとか,ということのようですが,そんなもんかしらねえ,と思います.市長選以降,松戸市内的にはこれといった争点があるわけではなく,各候補者の主張をずらっと眺めてみるだけでは誰が誰だか,どの党だかよくわからん,ということになっていて,そうすると手がかりは党派か,年齢か,顔写真か,名前を聞いたことがあるか,くらいになるのではないかと思います.少なくとも,財政学専攻とはいっても居住地の市議にはたいして興味を持っていなかったワタクシには,それくらいしか手がかりはありませんでした.その点では,けっこうな頻度で新松戸駅前に立っていた山中けいじ氏の知名度が高かったことは想像に難くありません.松下政経塾がプラスに効いたのか,マイナスに効いたのかはよく分からないですけど.民主党というのがマイナスに効いたというのも,ムベなるかな,ですね.

さて,選挙というと,若者が選挙に行かないために,中高年の利害のみが反映されて年金がたいへん,なんていう話があったり,若者の投票率が低いと言われたりするわけですが(竹内さんのグラフも見てみましょー),Barro的な利他的王朝モデルを考えれば,中高年の投票率だけが高いから若者が迫害される,と一足飛びに結論付けることは,まあまあ少なくとも論理的には,ちょっとな,というところなわけです.で,ちょっとな,ついでに,当選者と人口の年齢別シェアを見てみました.

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20歳代と30歳代,70歳以上はまとめてあります.見ての通りで,50歳代・60歳代が人口シェアのわりに多くの議員を出していることになります.70歳代はそうでもない,ということになっていて,市議会議員も引退するのか,県議会や国会にステップアップするので市議会議員は若い人が多いことを反映しているのかもしれません.職業柄というのもあるでしょうしねえ.

ちなみに,この年齢階層ごとに当選者/立候補者を計算してみると,30歳代59%,40歳代54%,50歳代78%,60歳代65%,70歳以上67%となっていて,50歳代だけ高いです.だからどうってことではないのですけど.

こんなグラフを作ってる場合じゃないんですけどね,おもしろいかなあと思って.どうだろ.


Good journal

2010-11-24 23:20:16 | 経済学
Daniel Hamermesh教授How to Publish in a "Good" Journalというタイトルでセミナーをなさるというので聞きに行ってきました.おもしろかったし,同じことでも言う人が変わると説得力があります.ううむ.関係ない世界のはなしのような気もしますけど.

Hamermesh教授のサイトを見ていたら,"Tools or Toys?"という論文を発見.このタイトル,思いついたけど使おうかどうか迷っていたのに.先客がいたとは.


Aurora Week

2010-11-21 13:41:00 | 生活
丸の内ハウスでカナダ・オーロラ・ウィークが開かれているので行ってきました.行き慣れない都心部でちょっと迷子になったりしましたが,新丸ビルの7階のレストラン街(?)の一角で,こっそりオーロラの映像展示やツアーの案内が行われていました(盛り上がった日もあるようですが).オーロラビレッジさんも出展(?)していたらしいのですが 時間が合わなくて見られませんでした.残念.オーロラの写真はこちらの方のもののようで,肉眼よりキレイに写っているのでは.むー(下の写真は上記サイトより).

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オーロラウィークがおもったより小規模だったので,泉屋博古館東京分館にいって「幕末・明治の超絶技巧 世界を驚嘆させた金属工芸」を見てきました.タイトルの通りで,これが金属なのか,というような細かい細工物や花瓶が展示してあって,なんていうか,わかりやすいすごさでした.京都の風景を細かく彫り込んだ(のかな?)小箪笥なんて,虫眼鏡でも見飽きないですきっと.たとえばこんなのがありました.鮟鱇や鳩の質感(?)は,金属とは思えないほどでした.

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マーリーズ・レビュー

2010-11-19 12:59:00 | 経済学
ちょっと前のはなしになりますが,ジェームズ・マーリーズ卿(Sir James Mirrlees)を中心とする経済学者グループが税制改革についてのレポートを発表しました.卿の名をとって,マーリーズ・レビュー(Mirrlees Review)と呼ばれます.このレビューは,同じくイギリスにおける税制改革提案である1978年のミード報告の後継と位置づけられています.マーリーズ・レビューの理論的支柱となる論文についてはすでに論文集が発行されており(これ),これに基づいた研究会が開かれたり,その研究会の報告が行われたりしています.マーリーズ・レビューには,イギリスのみならず,他の欧州各国,アメリカ,カナダから,世界を代表する財政学者や関連分野(たとえば,労働所得税については労働経済学者)が参画していますが,論文集は一般向けに書かれており,政策志向の極めて強い(アタリマエですが)報告書です.個人的には,労働所得税に関する2つの章とそのコメントは非常に興味深いものでした.

マーリーズ・レビューは包括的な税制改革提案なので,人によって着目するところは異なるのでしょうが,基本的には,経済学分野で標準的な考え方の最適課税論に従っています.たとえばThe Economistはその記事のなかで次のように言及しています.

The economists acknowledge that taxation always imposes economic costs, both because money is needed to collect taxes and because it distorts people’s consumption and work choices. But in a review of Britain’s tax system from the Institute for Fiscal Studies, a think-tank, which was released on November 10th, they argue that most governments could find a way to raise the amount of money they need from the tax system while imposing much lower costs than they currently do.
経済学者は,税を集めるためにお金が必要であるという理由と,税が人々の消費と就労の選択を歪めるという理由によって,税がつねに経済的な費用を課すことを認識している.しかし,シンクタンクである Institute for Fiscal Studiesから11月10日に発表されたイギリス税制についての報告のなかで,経済学者たちは,ほとんどの政府にとって,現在課している費用よりも少ない費用で,必要なお金を集める税制があると論じている.

The economists propose a tax system with three main features. It would be progressive (that is, it would place a larger burden on richer people); it would not discriminate between income earned in different ways; and it would be simple.
経済学者たちは3つの特徴をもつ税制を提案している.累進的であり(つまり,豊かな人々がより多くの負担を負う),異なる方法で得られた所得を区別せず,簡素なもの,である.

マーリーズ・レビューは近年の理論的・実証的な経済学の進歩を踏まえた提案ですし,法人税のみならず,他の税目についても着目されるべきではないでしょうかねえ.

Dimensions of Tax Design: The Mirrlees ReviewMirrlees, James. 2010.
Dimensions of Tax Design: The Mirrlees Review
Oxford University Press.
価格:¥ 13,090(税込)

法相

2010-11-18 12:51:52 | 生活
柳田稔法務大臣の『個別の事案については答えを差し控える』と『法と証拠に基づいて適切に対応する』が問題になっていますが,柳田大臣は参議院広島県選挙区を地元としております.他方,衆議院法務委員会でこの発言を取り上げた河井克行衆議院議員(元法務副大臣)は衆議院広島3区からの当選です.安芸と備後の違いはあるものの,ともに広島県を地盤としているお2人と言うことで,ええっと,なんと申し上げてよいやら.

市議選

2010-11-15 13:42:32 | 生活
どうも家の周りが騒がしい気がする,と思ったら,市議会議員選挙が始まっていました.松戸市議会議員選挙は大選挙区制を採っているようで(たぶん),ポスターを貼るところは80近く用意されています.前回の市議会選挙は投票率38%(1990年に51%となってから,50%を越えていません)で,定数46に対して62人が立候補し,当選した人のうちでの最低得票数は1,639票,最高得票数は山中けいじ氏の5,022票です.有権者数が38万人ですから,ええと,多いんだか少ないんだか.ちなみに,今回の市議選から定数は44に削減されています.

先日の市長選挙では私立病院の建替えが争点のひとつになっていましたが,市議選はどうなのでしょうかね.買い物に行く途中で聞いた宣伝カーや辻立ちからすると,医療体制の充実が論点のひとつでしょうか.乳幼児医療助成の拡充も主張者が多いんでしょうか.山中けいじ安藤じゅん子も言ってるし.あと,治安の向上とかですか.まあそうか.個人的には流山橋がボトルネックになって発生している渋滞の解消をお願いしたいんですが,流山橋自体は松戸市内にはないし,千葉県流山市と埼玉県三郷市のあいだに架かっている橋のうえ,国道でもないようなので,誰にどう言えばいいんでしょうか.

松戸市は交付団体なのですが,歳入に占める交付税交付金の比率は2%,国庫支出金も17.2%と小さく,実質公債費比率も8.2%と,財政状況は良好なほうではないでしょうか.ま,関東圏のベッドタウンで財政状況がひどかったらそれはそれでたいへんですが.そういうこともあって,財政状況は争点にならないようです.そうはいっても,医療体制の充実や助成の拡充には財源が必要なわけで,そこらへんのことをちょっとでも言及する候補者がいればなあ,と思います.国家財政は大変なことになっているわけですしね.

どうでもいいけど,松戸市のウェブサイトはやたら遅い.どうにかならんのか.