だからちがうんだってば.

ブログ人から引っ越しました

マンゴー

2006-07-30 12:58:00 | 生活

ちかくに直営店があることがわかったので,シャトレーゼに行って,夏のデザートフェアの5点セット390円というのを買ってきました.マンゴークリームの入ったシュークリームなんてあるんですなあ.マンゴーって流行なんですか?(誰に聞いてる)

思い起こせば,マンゴーというのをはじめて食べたのは,当時南アジア方面に出張したんだか単身赴任からの一時帰国だったんだかで父親がマンゴーを持って帰ってきてくれたときでした.たぶんあのころは今みたいな個人で使える冷蔵技術がなかったかなんだかで,ぼくが目にしたマンゴーはびっくりするくらい完熟で,もうぐだぐだなかんじになってました.とろっとしててやたら甘いのを覚えています.その後,マンゴーってのも本来的には(?)桃くらいの固さはあるもんだというのは分かったんですが,いまだにマンゴーというとあのときのぐだぐだな,口の奥がいがいがしかねない勢いをもった生ぬるい強烈な甘さを思い出します.

いやまあそれだけの話.シャトレーゼのシュークリームはおいしかったです.


Uターンブルー

2006-07-28 22:34:00 | 生活

日本経済新聞の夕刊15面の生活ファミリー欄の見出しは「帰省「あなた一人で」:気疲れ,一部にUターンブルー」でした.本文を読んでみると「帰省する,しないが原因で関係が冷え切ってしまう夫婦もいる」とか書いてあるんですが,識者の声みたいな欄をみると「互いの両親との会話を楽しんでほしい」とか,まあなんつうか,教授様ともなると気楽なもんですなあというか,なんだそりゃというか,ええまあいいんですけどね.

しかし「人に合わせろ」ということばといっしょに,こっちの都合も考えずに物を送りつけるのもどうかと思いますがね.


DDはどれくらい信用できるか

2006-07-28 14:45:00 | 生活

Holmes (2005) の論文にもちょこっと出てきたり,プログラム評価にも出てきたりするDD推定がどれくらい信用できるか,という論文を研究会で読んでみました.DD推定が信用できるかどうかというので問題になりそうなのは,差をもたらすプログラムや介入(intervention)の内生性や,観測される単位が政策の単位より細かいことによる個別効果の存在(州ごとの政策の差異を個人データで検証する場合など)なのですが,今回の論文のポイントは誤差項にある系列相関が係数推定量の標準誤差を過小推定する(仮説を棄却しやすく overrejectionなる)という点です.誤差項に系列相関があるときに,係数推定量が一致性を持つとしても(?),標準誤差が過小推定されるというのは普通の回帰分析でもあったような気がしますが.あれ? で,DD推定でのoverrejectionを解決する方法も考えよう,というわけです.

やり方は意外と単純(?)で,CPSデータに「ランダム」に政策を割当て,回帰分析をしてみるとどうなるかというシミュレーションでした.5%の有意水準で仮説検定してみると,驚くなかれ,仮説が棄却される割合は6割を超えるということになってしまうそうです(妥当な分析なら,有意水準と同じ5%で仮説が棄却されるはず).あらあら,ということで解決法ですが,系列相関をAR(1)過程などを仮定してパラメトリックに推定するというのはあんまりうまくなくて,block bootstrapは主体数が多ければよいらしいです.有力なのは, "ignoring time-series info"と呼ばれる方法か,Newey-Westの手法を一般化した頑健推定量の計算だそうです.後者のNewey-Westの推定量は,Stataだとclusterコマンド群で簡単に推定できるんだそうで.へー.clusterコマンドってのは,あるグループに共通な誤差項をrandom effectっぽく推定するんだったかと思いましたが(たとえば個人の誤差項を,町単位や県単位などの誤差項と,本人に特有な誤差項に分けて推定するとか).ふーむ.空間計量経済学とかで使うんでしょうかねえ.

しかしまあこういうの実際に使ってみないとなあ,と思ったり.どこでどうやって使うんだ?

Bertrand, Marianne, Esther Duflo and Sendhil Mullainathan. 2004. How much should we  trust differences-in-differences estimates? Quarterly Journal of Economics 119(1), 249-275. PDF


けーんっ!

2006-07-27 14:03:00 | 生活

前の職場で仲良くしていただいていた方が任期を終えて(?)関西に帰ってしまうというので,あわてて東京ドームに巨人-広島戦(読売-広島戦って言わないのはなんでだ?)を見に行きました.東京ドームの試合はあいかわらず混んでいるので,朝からローソンでチケットを購入しましたが,いやいや便利な世の中になったものです.決済はカードだし.指定される座席が決済しないとわからないっていうのはちょっとどうかなあと思いましたが.4人分買ってみましたが,まさかばらばらになってんじゃないかと,ちょっくら不安でしたし.

7時過ぎに球場について入ってみたら,すでに4回裏になっていて,広島がリードしておりました.試合は淡々と進行していたようで,こりゃ9時くらいには終わるなあと思っていたらさにあらず,緒方孝市の本塁打で勝ち越したとおもったら,ひさしぶりにみた高橋建で同点に追いつかれ,延長戦に入ってしまいました.2死満塁で東出が粘ったりしておもしろい試合ではありましたが,試合としては11回の裏にぜにおかにサヨナラを打たれて負けちゃいました.あーもーがっかり.

しかし,野球ってのはやっぱり屋外で見るものですなあ,と思います.しかし,神宮の広島戦は9月までないんですよねえ.


途上国の高齢化

2006-07-26 23:05:00 | 生活

なんだか地位のありそうな方からメールが来て,「よかったら来てね(超意訳)」と言われたので,こりゃ呼ばれてるうちが,と思って,「途上国の高齢化を見据えて」というコンファレンスに行ってきました.

前の職場で6月にADBIと共同で「東アジアの高齢化」というコンファレンスを開いていて,主な発表者の考え方はそのときに伺っていたので,ええまあそういうはなしですか,と,のほほんと聞いておりました.ディスカッションなど聞いてると,開発や福祉の人に比べて,財政の人たちは政府の予算制約を気にしすぎだなあとはおもいましたが(それが本業なんでしかたないですが).高齢化が進むと見込まれる途上国(たいがいが東アジアでしょうけど)における社会保障制度,とりわけ年金制度の設計を考えると,日本のような3階建て(基礎-所得比例-私的)に加えて,4階めとも言うべきインフォーマルな支援が必要で,という話もこのまえ聞いていたのでふむふむ,という感じですが,こりゃ同時に「国による皆保険あるいは生活保護の充実が成り立たないなかでの苦肉の策」というのは,なるほどなあ,でした.タイとかだとどうなんでしょうなあ.その際には日本における地域福祉の経験が役に立つかもしれないんですって.ほほー.

しかし少しく疑問だったのは次のようなことです.少子高齢化の話をするときには,その前段階で発生するベビーブーマによる労働力と資本の増加に起因する「人口ボーナス demographic dividend」をいかに利用するか,というのが問題となります.小額貯蓄の動員をいかにするか(日本だと郵便貯金でインフラ整備に振り向けたんでしょうか)などもこの論点になりましょう.その一環として,第一次産業における生産性の向上と,それに伴う余剰労働力の第2次,第3次産業への吸収が必要になる,と論じられることがあります.ところが,第2次産業への労働力の吸収は,しばしば都市化,農村からの住民移動をともなうため,先に述べたような「コミュニティによる社会保障」がほぼ不可避的に無理になるんじゃないかしら,という点です.つまりは,行政による社会保障がどうしてもある程度必要になっちゃうんではないかと.だから,たぶん,「コミュニティによる社会保障」ってのはやっぱりあんまり前面に出るべきものではないのかもしれないですし,また都市部における「地域」「コミュニティ」の形成というのも必要になるのかもしれません.それにはある程度の資金投入=増税が必要になったり.ま,選挙権を持つ高齢者の比率が高くなる中で増税が可能かどうかってのはまたそれはそれで興味深い論点ですけど(意外と重要なんじゃないかと思いますが).

というようなことを質問したかったですが,意図が通じたかどうか….答えを聞いてはっとわかったこともあるのでいいんですけど.

それとは全然関係ないんですが,フラッシュメモリが壊れて投稿原稿がなくなっちゃったり,いただいたPCをディスプレイにつないだらうんともすんとも言わない(「うん」とか「すん」とか言ったら怖いですが)……というか,なにもディスプレイに映らないとか,出かけたら携帯電話を忘れちゃってたとか,どうもここんとこいいことがないですなあ.はー.やっぱり研究者には向いてないなあ.


学問的水準にも驚き?

2006-07-25 18:14:29 | 生活

とある雑誌をぱらぱらと見ていたら,「学問的水準にも驚きを感じる」という言葉が「最近の一言」のようなところに書いてあって,なんじゃらほいな,と思ってちょっと調べたら,たとえば中日新聞「社会性低い大学生→『準ひきこもり』命名 ネットで賛否:富山国際大 樋口講師が論文」に乗ってました.ネットに広まった原因はここみたいですね.……えーっと,業界が近いけど同じじゃなくてよかった,とか言ってる場合じゃないんでしょうねえ.うーむ.


IVが分からない

2006-07-24 18:52:00 | 生活

あんまり大きな声では言えないのですが,IVってなんじゃいな,identificationってなんじゃいな,というのを説明しないといけないのにいまひとつぴんと来るところがなかったり,あるいは,最近流行のATE(average treatment effect)というのがよくわかんなかったりします.プログラムの効果が個人によって異なる場合には,OLS推定量はATEの一致推定量になるけど,IV推定量は一致性を持たない,とかいう話があったりすると,「むむむ?」となっております.ATEとかMTEとかの導入的なセミナは受けたことがあるのになあ,と思ってちょっくら読んでみました.発想はわからんこともないなあとおもいつつ,で,どうやって推定するんじゃろか,というのがやっぱりよくわかんないです.Kernelとか使ってノンパラってことは,やっぱりcanned packageとかではやんないんだろうなあ,むむう,というところです.むむう.

読んでみ(ようとし)たのは,
Angrist, Joshua and Alan B. Krueger, 2001. Instrumental variables and the search for identification: From supply and demand to natural experiments. Journal of Economic Perspectives 15(4), 69-85.
Angrist, Joshua, 2004. Treatment effect heterogeneity in theory and practice. Economic Journal 114, C52-C83.


ワーキング・プア

2006-07-23 18:59:00 | 生活

小松市の行松旭松堂で和菓子を買って,羽田の一村一品マーケットでコーヒーを買ってみたりしつつ,帰ってきました.こんなことしてていいのか,というか,こんなことしてたほうがいいのか,というか,な状況で,NHKスペシャル「ワーキングプア」を見ました(関連リンク集).

最近周囲で生活保護がはやり(?)なのでというのもあるのですが,なんというか,見ていると切なくなるですね.とくに地方の状況が(ここにも同様の感想.).年金があって定職があって,なおかつ貧困という状況が現在の日本にある,という状況はにわかには信じられないところです.財政学者というのは原因を考えるか,処方箋を考えるかでもせんとあかんのではないかと思いますが,

若手経済学者の中には、東京で稼いだ金を回してもらっている地方は、東京に感謝すべきで、それをしないで要求ばかりするのは「頭が高い」と、地方を見下したような論評をする人さえいます。この様な学者は、防災用語でもある「リダンダンシー」とか「リスクヘッジ」の本来の意味をご存じではないように思えます。

目黒川の畔にてより,7/17の投稿)となるとなあ,と思ったり思わなかったり.「貧困層は生活保護の充実で対処すべきで,そのためには税収が必要.増税となるが,経済の活力を増してパイを増やさねば」という議論もなんとなくなんだかなあ,と思います.高額所得者(平均所得の2倍以上,とすれば1000万円以上?)への累進的な課税は「活力」のためによくない,って議論は,一昔前には非常に有力だったんじゃなかったでしたっけ?

しかし,昔から疑問なんですけど,資本も労働ともに生産要素であるのに,なんで資本の出し手である株主の利益ばかりが注目されるんでしょうか.企業ってそんなものだ,といってしまえばそれまでだし,労働者ばかりが優遇されてきた反動かもしれないし,市場で決まる利子率・賃金率はそれとして再分配はあらためて税財政でやりゃいいといわれりゃそりゃそうなんですけど.