だからちがうんだってば.

ブログ人から引っ越しました

駒澤大学へ行ってきた(2)

2013-11-24 23:20:00 | 生活
公共選択学会の討論者の仕事は2日目だったのでふたたび駒澤大学へ行ってきました.小さい学会なのでこじんまりとランチを食べたりしましたが,庭園がよい雰囲気でした.肝心の討論は「交通事故のもみ消しは選挙の前に増加するか」というキャッチ―で素敵な論文で,あの福元先生でした.よくできたデザインでとくにいうこともなかったのが残念です.討論者で出たセッションは数理政治学・計量政治学のセッションで,なんというか,思えば遠くへ来たものだ,というところでしょうか.知ってる人が少なくてがっかりしましたが,数理政治学や計量政治学は経済学との親和性が高いみたいなので今後もこういうセッションが多くあるといいなあと思いました.午前中のセッションもおもしろかったです.

駒澤大学へ行ってきた(1)

2013-11-23 20:28:10 | 生活
公共選択学会という加入していない学会から討論者を頼まれたので,ついでにシンポジウムに行ってきました.慶應義塾の教授,税調会長,千葉商科大学長などを歴任した加藤寛の記念シンポだそうで,一橋の商学部の山内先生,慶應義塾の土居先生,関西学院の長峯先生のお話を伺うことができました.山内先生は3公社改革,とくに国鉄改革について,長峯先生は気仙沼の震災復興についてお話しされて,それはそれで興味深かったのですが,財政屋としては土居先生の「消費税を巡る税制改革論議の変遷」が興味深かったです.おもに加藤寛の発言を通じて,直間比率の是正が題目となっていた消費税導入時・引き上げ時の議論や,軽減税率導入の可否,税率引き上げの弾力条項の可否等について議論を追う,というもので,新聞報道や,税調の速記録を使ってどのような思考が展開されていたかが説明されました.全体としての税制の変遷もさることながら,政府税調の会長という人間がなにを考えていたかがあるていど追っかけられるというのは興味深いものでした.

っていうか,あの多忙な土居さんがいつのまに,というほうが驚きですが.

プロコミのY先生がいなかったのであっさり帰ってきたのですが,駒沢という町はなんつうか山の手な感じで,たちよってみたブックオフに並んでいる本も常磐線沿いとはちょっと違うなあと思ったり.ううむ.階級都市なんですかねえ.ティブー分住というべきかもしれません.

階級都市: 格差が街を侵食する (ちくま新書)橋本健二.2011.階級都市: 格差が街を侵食する.ちくま新書.

統数研に行ってきた

2013-11-22 20:17:00 | 生活
本務校にいてもさわがしいこともあって,統数研(統計数理研究所)の研究集会に討論者で出かけてきました.統数研は大学共同利用機関法人情報・システム研究機構の一部であると同時に,総研大(総合研究大学院大学.ちなみに,GRIPSとも呼ばれる政策研究大学院大学の略称は政研大)の一部の役割を担っていたりする日本の統計学の中心です.場所は立川ですが.いや立川がどうってことではないのですが.それはそれとして,そんなところの研究会に呼ばれるなんてどきどきです.計量経済学の応用をやっているんですが,統計プロパーな人とはまったく交流がないので,一人さびしいのかしらと思っていたら,九大のM先生とか,福岡大のTさんとかいらしていてほっとしました(?).ついでに座長としていらしていた,かっこいいことで有名な神戸のY先生とお話しできました.嬉しかったです(小学生並み).

討論のほうはやや専門と離れていたこともあって,適当に内生性とか言ってお茶をごまかしてきましたが,興味深いのは公的統計の学術利用の進展についてでした.統計の方々はいろいろ考えていらして,統計法の改正も,一橋ではじまっていた匿名データの提供もたいへんであったのだろうと思われます.厚生労働省の統計の提供についても話を聞いてきたのですが,やっぱり地域情報の公開は難しいようです.サンプルサイズの問題のようで.しかし,厚生労働政策は地域差が,市町村レベルでも大きいので,政令市だけとかでもいいのでなんとかしてくれないかなあ,と思います.

あと興味深い情報は擬似ミクロデータの利用というものでした.擬似ミクロデータは,本物のミクロデータから一部取り出したり再抽出したりしたものではなくて,2次モーメントくらいの統計量を満たすように発生させたミクロデータなんだそうです.だから,集計すると公表された平均値等が再現できるけど,データ自体は本物のミクロデータではない,というもので,ええと,どうなんだ.本物ではないので,学術的には意味のある結果は出せないけど,教育用には十分だし,研究の準備には使えるかも,だそうです.でもいまは全国消費実態調査だけですけど.うまくゼミや演習で使えるといいんですが,なにをやらせるか,が問題なんだろうなあ.


秘儀

2013-11-11 16:55:05 | 授業ネタ
ちょっと必要があって一般化線形モデルについて調べている……というより,GLLAMMについて調べていたところ,「学問における内輪の「秘儀」」という記事を見つけたのでメモしておきます.やっぱり「pが0.05より小さければいいのさ」とかいうのはよくないと思うんですが,かといって,収束計算とかちゃんとわかっているかと自問してみるとぜんっぜんそんなことないので,やっぱりううむ.

週末の話題

2013-11-03 23:36:46 | 生活
  • NHKのEテレで東京六大学野球の慶早戦をやってたのでぼんやり見ていたら,塾長が画面に出てきてちょっとびっくりしました.ゼミ生が泣きながらがんばっている様子もちゃんと映っていて,彼の本職はあれなんだなあと納得しました.ああいう学生生活を送ることのできる学生が少なくなっていることは,いいようなよくないような.
  • 某所で某先生と話していて,某N大学(名古屋大学ではない)の「ブラック」ぶりに驚愕.どこからつっこんでいいのかよくわからないのですが,とりあえず設置認可は出しておいてあとは大学間競争で淘汰が進むという発想は,いかにも経済学的ですが割に合わないのではないかと思ったり.
  • 「改革派の経済学者である夏業良教授の解雇を決めた」北京大学のことではありませんので念のため.東京新聞より.
  • 「就職情報会社ディスコ(東京)が、就職活動を終えた大学生に入社までの過ごし方を尋ねた調査で、文系学生は「趣味・遊び」がトップだったのに対し、理系は「専門分野の勉強」が首位だった」(東京新聞)もとのプレスリリースはこちら.「専攻と入社後の業務が関係しないため」という解釈がついてますが,理系だって学部卒ならそんなに直接に関係あるとは限らないのではないかと思ったり.どっちかというと文理のメンタリティの差じゃないかしら.文系学生は「やる理由」がないと行動しないように思えますから.あるいはうっかり入ってしまった比率が文系のほうが高いのかもしれません.まあしかし,1年もいろいろ調べる時間を与えたのに,そのあげくに「テーマが見つかりません」とか「こんなの役に立ちません」とか言われちゃうと,辞めてもらったほうがよいです.そういう学生でもなんとかさせたいんだったら,教員の数を増やす他ないと思います.なんにしてもフリーランチは存在しないわけですから.
  • 日経図書文化賞は澤田先生と山重先生が受賞していて喜ばしい限りですなんですが,両方とも研究書っぽい研究書ではないように思うんですけどそういう賞なんでしたっけ.いやしかし素晴らしい.
  • やっぱり周りの人とか,ちょっと年下の人とかが次々と英語の査読誌に論文を載せているのを聞くとがんばらないといかんなと思いますね.いや,財政学業界がどうってことではないんですが.ごにょごにょ.