農業金融というと,農家の借り入れの話になるわけですが,そういう方面の資料を見ていると,制度資金と農協プロパー資金があって,制度資金には財投からの農林公庫資金や都道府県が出す財政資金である農業改良資金や制度的な利子補給や信用保証がつく農業近代化資金があって,農協プロパー資金のほかにも,だんだん体力が回復してきたもののうまい貸出先が見つからない地銀や信組,さらには都銀が行っている民間融資があって……という話になってそれはそれでいいんですが,今のところよく分かってないのが,こういう農家への融資が,農林省などが行っている公共事業の一つである農村のインフラ整備(生産基盤整備に限らない)の地元負担分とどう関係してんのか,というあたりです.農林公庫資金の融資の用途には「農地取得」というのがはいってるんですが,これが土地改良事業と密接に絡んでいるのか,つまり,土地改良事業に代表されるような公共事業の実施が決まると,(農協なんかが)「じゃあ地元負担分については制度資金で借りてくださいねー」とかいってとりまとめをしてくれてんのかどうか,ってな話はあんまり出てこないのですよね.ううむ.ひょっとして,あまりに当たり前な話なのでわざわざ書いてないんでしょうか.それとも僕の探し方が悪いのかな?むむむ.
農業金融といえば,最近は農業経済の本や雑誌を見ることもあるのですが,「農業経済研究」という査読付き日本語学術雑誌があるのですが,この英文タイトルが「Journal of Rural Economics」とかっていうのですよ.そうなのか.で,これの最近の号に「農業廃れて農経太る」という論文があるのですが,えーっとなんというか,農経だけに向けられた批判ではないように読めるのですよね.ううむ.
というわけで,神門先生の『食と農』がサントリー学芸賞をお受けになられるそうで,めでたい限りです.ご本人の感想?も興味深いです.コチラ.
日本の食と農 危機の本質 価格:¥ 2,520(税込) 発売日:2006-06-24 |