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詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

池澤夏樹のカヴァフィス(75)

2019-03-04 08:14:51 | 池澤夏樹「カヴァフィス全詩」
75 ラーネスの墓

 最終蓮。

しかしおまえのラーネスはおのれの美を貸しはしなかった。
語気も強く彼は言ったではないか、
ヒュアキントスでも誰でもなく、アレクサンドリアの
ラメティコスの子ラーネスをこそ描け、と。

 これに対して、池澤は、こう註釈している。

 これは神話の時代から個人の時代への推移とも考えられる。ラーネスはギリシャ系の名だがラメティコスはエジプト名であり、マルクスはローマである。そのような渾沌の時にこそ反抗する個人が出るのかもしれない。

 この註釈のことばは強い。
 カヴァフィスもまた「個人」を主張した詩人だ、とわかる。


カヴァフィス全詩
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