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詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

西脇順三郎の一行(54)

2014-01-10 06:00:00 | 西脇の一行
西脇順三郎の一行(54)

 「最終講義」

 かつしかの芸者がけずねを出して                 (66ページ)

 「芸者」と「けずね(毛脛)」の取り合わせが、異質なものの出会いとして面白い。同時に、ここには「音」の面白さもある。
 「か」つし「か」、「げ」いしゃ、「が」、「け」ずね--「か行」の変化。それに濁音「げ」いしゃ、け「ず」ね、「だ」しての交錯。冒頭の「かつしか」が乾いた音、有声音なのだけれど「有声」をあまり感じさせない。それに対して濁音は豊かな「有声音」であるのも面白い。私は、濁音の豊かさを「濁」という「意味」とはうらはらに美しいと感じる。

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