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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

外山滋比古『思考の整理学』

2009-03-22 10:48:19 | エッセイ
 
 53万部のロングセラーなので知ってる人も多いと思うが、これから大学生になろうという人、あるいは社会人になろうという人に、ちょっとオススメの本があるので、その紹介を。

 英文学者・外山滋比古氏の『思考の整理学』というもの。
 古典を含め、文章の解釈はさまざまであり、それらを包含した上でその文学世界があるという〈異本論〉、かの有名な三上(馬上・枕上・厠上)にからめ、やっかいなことはひと晩寝かせれば解決策が見つかるという〈寝させる〉、はたまた、思いつきのメモからどう思考を練り上げていくかの方法〈メタ・ノート〉など、考えることが好きな人にとって、ヒントがたくさん詰まった本である。

 あるいは、コンピュータという記憶に強い機械ができたことで、人間は創造的な仕事をせざるを得なくなり、そのためには〈忘れる〉こと、〈整理〉することが必要ということも。
 ここ最近、考えがよくまとまらなくて困っているのだが、その解決のためのヒントももらったような気がする。また物忘れもヒドいのだが、それはそれで、次に進むために必要らしいことも。
 どちらかと言うと文系向けなのだが、理系の人が読んでも面白いはず。

 とまあここでゴチャゴチャと書き並べるより、実際に読んでもらった方が手っ取り早い。ちくま文庫で520円(税別)だから、是非。知識人と言われる人ならば、きっと読んでいるはず。
 なお筆者の外山滋比古氏は、85歳の今もお元気だそうだ。
 それと、英文学者ということで、文庫版としてのあとがきに、僕が先週書いた「I think」と「と思う」の関係も書かれていた。たまたまなのであるが。

 あそうそう、ウチの長男が今度大学生なのだが、こういうのは読むかなあ。

 〔写真は、出版元の筑摩書房HPより〕

コメント
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