へなちょこかいご

アルツハイマー型認知症・80代の母との暮らしで思う事。
母は2021年秋に亡くなりました。父の事も少し。

母の親戚との会話に

2018年08月14日 | 日記
親戚から、仏前にとお菓子が届きました。

○○さんに、今からお礼の電話をかけるからと母に伝え、

私が話した後、代わろうと受話器を渡すと、

「誰?」

○○さん。

「……??」

○○さんからお菓子いただいたからお礼を。



向こうに丸聞こえですがそうやって母が電話に出ると、

「もしもーーし! △△(自分の名前)ですーー!!」

何ともハイテンション。

「私、お菓子大好きだからね~。今踊りながら喜んでたの~」

「うん、良かったぁ~」



母は自分に送ってもらったと思い、喜びを伝えていましたが、

○○さんが、お父さんの仏前に、とでも言ったのでしょうか、

「お父さん死んじゃって」

と、父の事を言い出しました。

「いい人だったよ~~。あそこに行こう、ここに行こうって連れてってくれたし」


父方の親戚なので父を良く言うのは好ましいのですが。

母はいつも

「お父さんなんてどこにも連れて行かなかったんだよ。

あんたが子供の頃だって、どこかに連れて行ったのは私」

と言っていました。

そしてまた

「お父さんね、ゆ~っくり静かに死んだの」

昏睡状態だったので、それはそうかもしれません。

「死ぬ時ね、私を見てね、じーっと見てたんだよ。そしてゆ~っくり死んだの」



私と母は病院から連絡を受けて向かいましたが、

父の臨終には間に合いませんでした。

母は父を見舞っても早く帰りたがりましたし、

昏睡状態になってからも、「こうなったらどうしようもない」と帰りたがりました。


ですので聞きながら、

ええ~っ違うでしょ、と驚きましたが、

母を正したり、○○さんに真相をという気持ちはありませんでした。



父にいろんな所に連れて行って欲しかった。

父と目を合わせて、静かに死にゆく父を見送りたかった。

そういう母の願望…理想なのだろうなあ、と。



母、話しているのが誰なのかわかったのかどうか。

しきりに

「会いたいねぇ~。会いたいねぇ~」

と言っていました。