書名 :経営心得帖
著者名 :松下幸之助
出版社 :PHP文庫
刊行年 :010515
日付 :130524
定価 :476円
入手法 :再読
評価 :◎
今月 33冊目 今年 206冊目
【書き抜き】
※商売の基本は、世間の声、人々の求めに素直にこたえ、誠心誠意努力していくことに尽きるといってもいい。
※われわれは絶えず見方を変え、常にお互いの経営なり商売の上に新しいものの見方を加え、必要な改善を行なっていかなくてはならないと思います。
※お叱りを受けたときは”これは縁が結ばれるぞ”と考え、これを丁重に扱って、不満の原因をつかむとともに、誠心誠意対処するということでなくてはなりません。
苦情をいとわない、というより、これを一つの機会として生かしていくことが大事だと思うのです。
※大事なのは、自分の携わっているこの仕事は人々に喜ばれているいい仕事なのだという心持ちをもって仕事をするということだと思うのです。
※結局、厳しい追求を受けることによって進歩向上が生まれるのであって、そう考えてみれば、厳しいお得意先ほどありがたいということにもなろうかと思います。
※お互い商売にあたる者としては、常に”適正利潤”をあげることは尊い義務であり、それはとりもなおさず社会人としての職務を果たすことでもあるのだ”という信念を堅持しつつ、日々励んでいかなければならないと思います。
※「この値段は店を維持していくための最低の値段であって、これ以上引けば自分の方は赤字になる、いわば血が流れるのです。
だからこの値段で買ってください。
そのかわりサービスその他は完全に致します」
そういう意味のことを自分の持ち味で、上手に説得できるかどうかということです。
※力が及ばない、という人はたくさんあると思います。
しかし、及ばないなりに一心に打ちこむならば、その姿はまことに立派なものがあると思うのです。
そういう姿が、人に感銘を与え、人を動かすことになります。
そこに知恵と力とが集まって、成果を生むことができるようになってきます。
【コメント】
※本書は松下幸之助「心得帖シリーズ」の五作目である。
本書では松下がささやかな形で始めた事業を、一代にして世界的企業に育て上げた要因を自ら分析して、二十項目にまとめたものである。
自身の言葉を借りれば「六十年の事業体験を通じて培い、実践してきた経営についての基本の考え方、いわゆる経営理念、経営哲学をまとめた」ものという。