ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 14ページ目 若手天才ソムリエシュヴァリエ来日

2011-12-21 20:25:03 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
【14ページ】


「お二人とも、そんなに熱くならないでください!」

ルヴォル大使は、ニコニコ笑いながら二人の舌戦を制した。

「和さんとシュヴァリエにテイスティング対決をお願いしましたが、まだ始まって

いないですよ。」

専属ソムリエのラプリュイは、大使のグラスにシャトー・ディケムを注いだ。

「それに、和さんはソムリエではない!」

ルヴォル大使は、シャトー・ディケムの入ったグラスをシュヴァリエに見えるように

持ち上げた。

「シュヴァリエ、和さんはソムリエのようにこのワインのコメントを言う必要が

なく、私もそれを期待していない。おいしく飲んでもらえれば、それだけでうれしい

のだよ。」

「失礼しました。」とシュヴァリエは謝った。

「和さんは、このワインをおいしいと誉めてくれた。シュヴァリエは、天才ソムリエ

としてどうようにコメントするかな?」

「本気でテイスティングさせて頂きます。新しいワイングラスにもう一度注いで

頂けないでしょうか?」


 専属ソムリエのラプリュイは、新しいグラスにシャトー・ディケムを注いだ。

シュヴァリエは、それを手に取り、香りを嗅いだ。

「パイナップル、リンゴ、レモンのすばらしいアロマ!」 

次に、彼はシャトー・ディケムを口に含み味覚を味わった。