ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 2ページ目 プロローグ

2011-12-09 22:29:47 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
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 「さらに、和音とのテイスティング対決をご希望される場合は、100万円とは別に、

500万円の料金が発生します。」

「・・・・・・・・・・・・・。」

お客は、このことも紹介者の川辺から聞いていた。

「和音とのテイスティング対決の時、トリックを仕掛けることができます。

その場合は、100万円にプラス1,000万円の料金になります。」


 由香里は、トリックの料金を伝えた後、トリックの内容についても説明した。

「トリックには、禁止事項があります。」

由香里は、禁止事項の書類を確認しながらさらに話を続けた。

「ひとつは、ボトルの中のワインを入れ替えてはいけません。」

電話の向こうから「承知しました。」という声が聞こえた。

「ふたつ目は、ボトルの中に異物を入れてはいけません。三つ目は、ワイングラス

に異物を塗りつけることが禁止されています。」


 そして由香里は、さらに付け加えた。

「もしこれらの禁止事項に対して不正が発覚した場合、その時点で和音は、ワイン会

から退席させて頂きます。退席の場合でも料金は全額発生します。」

ここまで説明した後、由香里は最後の確認をとった。

「これでよろしいでしょうか?」


 由香里は、プライベートワイン会の希望日、和音とのタイスティング対決の

ある、なしを確認して、すぐ和音にメールを送った。

「和音のスケジュールが確認できましたら、こちらから三日以内にご連絡させて

頂きます。」