ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 12ページ目 若手天才ソムリエシュヴァリエ来日

2011-12-19 21:02:53 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
【12ページ】


「シュヴァリエ、こちら和音さんです。」

「和音です。よろしくお願いします。」

「和音さんのうわさは、ルヴォル大使からお聞きしています。」

シュヴァリエは、昨日の大使の話を思い出しながら言った。

「ワインのテイスティングにかけては、トップソムリエも敵わないそうですね?」

「どこでそのような話が伝わったのでしょうかね?」

和音は、とぼけて見せた。


「ワインと料理の用意は、もうしばらくするとできます。その前に食前酒を

飲みましょう。」

ルヴォル大使の専属ソムリエラプリュイは、貴腐ワインを抜栓し、3人のワイングラス

に注いだ。

「ほう、食前酒はデザートワインなのですね?」和音は少し意外に思った。

「シャンパンでなくて意外ですか?」ルヴォル大使はニャッと笑って聞いた。

「私は、日本の政府高官や財界のトップとも食事の機会が多いのですが、食前酒

に甘口のデザートワインを頼むとおやっとした表情を皆するのです。」

「私もパリ・デュ・パリ東京店のオープンに向けて、日本人のソムリエに指導

していたのですが、食前酒、食後酒だけではなく、赤ワイン、白ワインについても

固定観念があるように思いました。」

「そのようですね?」和音も二人の意見に同意した。

 
 「さあ、飲んでみてください!」