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人間の貪欲さで終焉『古代ローマ帝国の興亡』

2019-01-27 08:11:27 | 映画から見える世の中の動き

@映画『古代ローマ~帝国の興亡』 合計6本のノンフィクション映画

古代ローマの歴史を大まかに理解するには実にコンパクトに纏まったノンフィクション映画だ。それぞれの時代の皇帝(権力者)とその参謀・元老院がどのような判断をするか、また宗教も大きな戦力になるが、結局は人間の貪欲さが帝国(権力)の終焉を迎える。見応えのある長編映画だ。

#1.「BC46. ネロ」

大火で50万人の市民を失う。新皇帝ネロは新都市計画で神殿の宝物を奪い費用に充てた。やがて財政不足で内部の暴落を煽り、裏切り者を全て殺す。強肩となる皇帝ネロは権力を振い民衆からも怖がられ、悪徳皇帝になる。やがてネロは家臣の信頼も失い、自殺する。 (財政政策を無視した横行は家臣・民衆から非難を浴び滅びた)

#2.「BC 52 シーザー」

内戦でローマは分裂、最後のアレシアの戦いでガリア25万人との戦いからローマ軍としてジュリアス・シーザーが完全勝利する。そして時代遅れの共和制、元老院などの貴族社会から解放する。だがローマは既に民衆も軍も逃げ去った後で、兵は富の分配を期待していたがその不満が爆発する。 現在のアルバニア逃げ込んだポンペウス軍に続々と兵が集まり、元老院の説得で軍を立て直しローマでシーザー軍と戦う。シーザーの戦略は、スピードと強攻だったが、ポンペウスに敗北。内陸に戻るが食糧難で兵は分裂する。シーザー軍2万5千に対し、ポンペウス軍4万5千に攻撃し、戦略を見破り勝利する。新たな皇帝として迎える矢先元老たちにより暗殺される。(兵にとって統率者への信頼は重要な戦力であり、統率者はそれに応える義務がある)

#3.「革命」

父の偉業を超えるべく息子ティベリウスは10年後カルタゴとの戦いで名声を得る。カルタゴは微塵もなく破壊され5万人の捕虜した。だが、首都ローマは難民・貧民が流れ込み悲惨で、権力を得るため有力者は土地等を民衆から取り上げた。ローマ軍はスペインに大敗、和睦して帰国。だが元老院たちは大敗したことを追求、和睦はしないと司令官を敵に送る。土地等を取り上げられた民衆はティベリウスを信用するが、元老院たちは強硬になる。たちまち民衆の暴動を引き起こし、国の機能を麻痺させた。ティベリウスは最後に元老院の陰謀にはまり殺傷され川に流される。「ティベリウスは王になると宣言した」の一言で元老院たちの不満を募らせティベリウスを殺害したのだ。(戦場と机上での違いは当事者以外理解できないが、権力者が傲慢になりすぎることで自滅を招く)

#4.「ユダヤ戦争」

BC66 イスラエルの地にて、ユダヤ人が重税に対する暴動をエルサレム神殿でローマ軍と戦う。ローマ軍は大敗、ローマを追い払われる。ローマ軍人であるティトウスと父将軍のウエスパシアヌスはエルサレムを奪回するためにギリシャで軍を立ち直らせ、エジプト側から攻撃を開始する。周りの村を焼き払い何万ものユダヤ人を殺害、拷問した。そして奴隷として得る。ヨセフスを司令官とするユダヤ軍の砦に攻撃を繰り返すが予言する47日を経っても撃破できず、最後の手段として忍びを入れ込みゲート解放に成功、一気に傾れこんだが、ヨセフスは見つからず。井戸の中に隠れたヨセフスと仲間は降伏か反旗かで意見が合わず同士で殺し合い、最後にヨセフスが降伏する。ユダヤ勢力に過激派が多数続出しエルサレムを汚すことになるとヨセフスはローマに救援を求めた。だがローマではネロが失脚、皇帝が三人入れ替わり大混乱となっていた。BC69 ローマ市民からの要請でウエスパシアヌスは皇帝となる。皇帝の座を守るためエルサレム奪回は必須だと悟りBC70難攻不落のエルサレム地に、4.mもある壁に遮られ苦戦。ユダヤ軍は地底に穴を掘り敵の塔を延焼させたがその穴が壁を逆に崩壊させローマ軍の進撃を早めた。 神殿は焼き尽くされ、反逆者は公開死刑としティトウスは皇帝継承、貴族政治とは異なった政治を開始した。ヨセフスは著書「ユダヤ戦記」を残した。帝国の象徴「コロセウム」(イタリアのコロッセオ)として現在でも残る。 (血で血を洗う戦争は終焉が見えない、特に宗教絡みは先が見えない)

#5.「コンスタンチン」

紀元4世紀、ローマ帝国は東西各2人・4人の皇帝が統治していた。激しい戦闘、特にローマを6年間治めていた西のマクセンティウスとの最後の戦いでローマ北部にいたコンスタンチンがローマを支配する事になる。攻撃の前に軍にはキリスト教信者のラクタンティウスが、コンスタンチンがキリストを信仰すると予測、そして前進中に隕石が落下で、神のお告げとしてキリスト教を意味する旗印を掲げることを提案し進撃する。ローマに行く唯一の橋に戦闘を仕掛けたマクセンティウスは自ら仕掛けにかかり自滅する。ローマを武力と強運(神の力)で手にしたコンスタンチンはマクセンティウス時代の土地、利権、名誉を住民に回復させ、元の元老院もそのまま存続させた。その後東のリキニウスにコンスタンチンの妹と婚約させ同盟を結び、敵ダイヤを倒し、帝国を2分、信仰の自由を提案するがリキニウスは反対する。 リキニウスがダイヤを支配すると、コンスタンチンが一つの神、一つの帝国、一つの皇帝を提唱し、実行するが長期化、トルコで決戦することになる。キリスト教の旗が威力を持ち圧勝。神を信じ、自分の判断が今後は神の慈悲だと告知する。その時代の教義はその後キリストの基礎となり、ローマ帝国初のキリスト教皇帝は337年に死亡。これが基礎にキリスト教が世界に広まった。(宗教・信仰は戦力となる)

#6.「西ローマ帝国」

ローマは永遠と言われた時、その繁栄は突然消え失せた。それは欲と裏切りに翻弄された古代都市の数奇な運命となる。紀元前410年、フン族を含む蛮族の西ゴート族(アタウルフ将軍)の4万人に包囲され、帝国の軍人は逃げ去った。その2年前中国・フン族の襲撃で西ゴート族と戦い、当時の幼くして即位した皇帝ホノリウスの気質がローマに悲劇をもたらした。領土の返還を願っての和平工作をしていた側近スティリコが身内オリンピウスに殺害され、皇帝はオリンピウスの指導のまま蛮族を襲撃。だがアタウルフは再度攻撃する事に、まずは食料との補給を一切閉鎖させ、すべての黄金と一部の領土を奪い撤退した。その後皇帝は平和協定を破りローマ軍6万を帰国させるが、西ゴート軍に大敗。新皇帝を指名するが元皇帝の側近が食料道を封鎖させ、民からの支持は消え失せた。(参謀の役割は正確な情報に元ずき判断できるようにすることだが、遂に破滅に導いた。それは参謀の個人的な貪欲考えだった)