@日本社会は「神秘・摩訶不思議」な国として諸外国には写っている様が読み取れる。戦前と戦後の風習から古いものと新しいものが複雑に絡まった社会構造は現代でもそのように映り、遺されている。弊害は日本の低成長で、デジタル化の遅れ、経済成長への無政策、規制改革不調、赤字国債増大などだ。例えばその矛盾と歪みは、働き過ぎvs生産性最低国、賃金昇格・女性優遇vs年功序列・長期勤務経験者優遇、男女平等vs男性社会・政治、新規採用・ベンチャー育成vs慣習・1000年も続く企業の存在などである。
『不思議の国ニッポン』クーリエ・ジャポン
「概要」なぜ世襲が多いのか。アナログに固執するふしぎ。生産性が低い理由。なぜポピュリズムが台頭しないのか。海外が見たニッポンのいま。
ー日本のサラリーマン社会
政府はGDPの250%借金を抱えている日本では一人の年金生活に対して二人の労働者が支える
必須のなのは、イノベーション・労働生産性向上・リスクキャピタル展開の促進・女性昇進改革
サラリーマンは奴隷、義務はあっても責任がない、内向きで守りを固めて目立つやつは潰される
ー働きすぎなのになぜ東京の生産性は低いのか(日本は世界40ヵ国でも32位)
長時間働くことによって自分の頑張りを示す、商習慣になっている(長時間労働:8時間57分)
長時間労働:東京32位1997時間、ロンドン2022時間、ニューヨーク2046時間
生産性高い国アイルランドは1時間@$84(米国の生産性は日本より59%高い)
ー謝罪する国日本(謝罪文化である日本)
金メダルを取れなかったこと、優勝しなかったことでも謝罪する日本国民
後悔の気持ちを表すことで無念、感謝、責任、謙遜等の感情を表現できる
ー日本の政権はなぜ世襲政治家が多いのか
岸田内閣でも57%は世襲政治家
ー今でもなぜファックスなのか
政府が関与する5万5千件の行政手続きで、完全オンライン完結できるものは4千件(7.5%)
IT化の遅れが行政・政治的指導不足がある
ー年功序列が続く理由
年配男性の覇権が多く4分の1位が高齢者であること(勤続年数=実力視される)
ー日本人の自殺率はなぜ高い
年間2万人以上の自殺者70%が男性、3分の2が45歳以上、失業者が多い
日本の宗教(自殺を咎めない)と精神面的なケアが疎か
孤独死も多く遺品整理ビジネスが盛ん(8千社、5千億円市場)
ー老舗の生存戦術
世界で100年以上の歴史のある企業の40は日本にあり3万3千社
200年以上が3100社、500年が140社、1000年以上が19社ある日本
「家訓」一つの事に専心すること、多額の現金を手元に蓄積、リスクを嫌悪、ある程度の利益
ー若者の「内向き」傾向
海外での留学が激減、海外で働きたくないのは2017年に60%にまで広がる
海外に行くメリットがほどんど無い(海外で学位をとっても日本企業では通用しない)
ー女性比率の低い科学分野
先進国では最低クラスの女性への低い門(工学系大学14%vs米国20.4%、インド30.8%)
今後ハイテク化で女性の仕事が奪われることで比率が上がる傾向
ー若者の投票率の低さ
政治の世界に多様性が欠けている=圧倒的な年配政治家(20代は3分の2しか投票していない)
若者が政治・社会を変えられると信じるのは難しい状況にある
ー地方移住を考える若者
パンデミックにより労働条件に変化、若者の3分の1が地方への移住を検討(20代で44.9%)
ー天皇・皇族への意見
男性皇族には未だ甘く、女性に対しては偏見が未だ残る(美智子・雅子妃)