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「第一阿房列車」 内田百著

2015-12-04 21:09:03 | 旅行
 外山滋比古著「50代から始める知的生活術 人生二毛作の生き方」で、内田百の随筆に関する行があった。

 『百の「阿房列車」は一種の紀行文ですが、古来まれというか、かつてなかった名文です。「なんにも用事がないけど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思ふ」という書き出しです。』

 これを読んだとき、乗り鉄気味の小生にとっては、目から鱗、瓢箪から駒。無性に読んでみたくなった。ネットで出版元を検索し、早速購入。

  

 「第一阿房列車」である。「用事がないのに出かけるのだから、三等や二等には乗りたくない。汽車の中では一等が一番いい。・・・・これからは一等でなければ乗らないときめた。そうきめても、お金がなくて用事が出来れば止むを得ないから、三等に乗るかも知れない。しかしどっちつかずの曖昧な二等には乗りたくない。二等に乗っている人の顔附きは嫌いである。」

 前に書いた「なんにも用事がないけれど・・・」とこのフレーズで、この本にのめり込んでしまった。

 どうしても「旅行」となると、折角来たのだから、あれも、これも、観よう、食おう、といった感じで、めいっぱい日程を組んでしまう。百が出発するのは、ほとんど正午過ぎ。朝出発する日程は、不機嫌のようだ。「なんにも用事がない」ので、ゆったりとした「自由な旅」が出来るのかもしれない。

 「旅」には、いつも「ヒマラヤ山系」君が同行している。同君は、国鉄の鉄道管理局に知り合いが多いようで、というか国鉄職員らしく、百は、いつもホームで各地の管理局職員や駅長の出迎えを受ける。夜、酒宴を共にすることもある。

 百について、事前にどういう人なのかというリサーチはしていなかった。調べてみると、夏目漱石の弟子とのこと。そして、黒澤明監督の作品「まあだだよ」、この原案は百の随筆であり、松村達雄演じる主人公は、内田百そのものである。

 文庫本で「第二阿房列車」、「第三阿房列車」も出版されているので、早速購入。

 現在、「第二阿房列車」に乗車中。読破したら、「第三阿房列車」に乗り換え予定。

 しかし、何度でも読んでみたくなる本である。

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