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セロ弾き 呑み鉄 蕎麦打ち~趣味とともに楽しく過ごしたい今日この頃

博物館浴

2010-07-20 23:28:03 | 博物館・美術館
 今回の博物館浴は、三井記念美術館、東京都写真博物館、国立新美術館、東京国立博物館、国立西洋美術館、江戸東京博物館、世田谷美術館、そして、トイレを借りに立ちよった明治大学博物館、十分楽しめることができた。

 三井記念美術館は、東京駅から徒歩10分くらい、国の重文である三井本館にある。特別展は「平城遷都1300年記念 奈良の古寺と仏像 會津八一のうたにのせて」。
 6世紀に仏教が伝来して以来、日本の文化に大きな影響を与えた。とりわけ、仏像は、信仰心の対象のみならず、芸術性の高い作品としても非常に価値がある。奈良の古寺にある国宝・重文級の仏像を鑑賞することができた。時代ごとの展示構成で、鋳型で作った青銅製のものにはじまり、一木造、寄木造への展開を知ることができた。とりわけ、奈良を愛した歌人の會津八一の歌や書が、仏像を引き立てていた。このあと、東京国立博物館「誕生 中国文明」を観たのだが、中国と日本との歴史的なつながりも若干感じることができた。

 東京都写真美術館は、良く訪れる博物館・美術館のひとつである。

   

 今回の目玉は「世界報道写真展 2010」。写真は、一瞬のチャンスを画像という形で表現する。とりわけ、報道写真は言わずもがな。約200点の作品が展示されていた。いずれも、今日的社会問題を写したもので、地域的には、中近東、アフリカ、南米が多かったような気がする。いずれも政情不安定な地域で、宗教上の対立、部族間の抗争などが写し出されていた。さらに、先進国が抱える社会病理、例えば、拒食症の姿など。指の圧力の一瞬が、真実を世界に広げている。
 そして、「ポートレイトが語る初期写真 侍と私」。幕末になると、人物写真が普及されてきた。明治期にはいると、さらに広がってきた。今回の写真は、都写真美術館のコレクション。「日本」、「西洋」、そして「交差」をテーマに展示構成されていた。当時の写真を通して、当時の風俗や人となりをうかがい知ることができる。武士の写真は、勇ましさを表そうと、凛としたポーズとなっているものが多い。
 もう一つの展覧会は、「古屋誠一メモワール 愛の復讐、共に離れて・・・」。70年代からヨーロッパで活躍している古屋誠一の作品を展示している。オーストリアのグラーツを拠点に活躍している。今回のテーマ「メモワール」は、85年に亡くなった妻の画像を通して、生と死の問題を提起している。展示の最初は、妻の遺影と、仏教式の位牌。ここで最初に、彼の妻の死を知ることとなる。その後の展示は、数々の思い出。暮らした界隈の風景。息子の成長など。
 都写真美術館に最初に訪れたのは、ちょうど、地下鉄サリン事件があった日の2ヶ月後くらいだった。いつもは、上野から日比谷線で六本木に向かうのだが、この時ばかりは山手線で恵比寿まで行って、そこから日比谷線に乗り換えた。そのとき、セピア色の写真の展示を観て感動した。この感動が、今に続いている。

 その時と同様に、日比谷線に乗って六本木へ。国立新美術館。

     

 「オルセー美術館展2010 ポスト印象派」。19世紀末のフランスで活躍した、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン、スーラなど、ポスト印象派の絵画展示である。印象派であるドガやモネの絵画を展示の導入に据え、そのアンチテーゼであるポスト印象派の絵画へと展示構成されている。美術の教科書にも出てくるような絵画もあったような気が・・・。ただ、ものすごい人であった。絵画を観ているのか、人を観察しているのか、分からない状態。ポスト印象派の展覧会では会ったが、なかなか印象に残らなかった。

 新美術館の裏手には、千代田線・乃木坂駅。ここから、根津まで。谷根千界隈を歩くことなく、目的地である東京国立博物館へ。

     


「誕生!中国文明」を観覧。中国王朝発祥の地、河南省で出土した約150の作品が展示されている。中国最初の王朝といわれる夏(か)がはじまった紀元前2000年ごろから北宋が滅亡した1300年代まで、発掘の成果が展示されていた。特に、青銅器文化は、日本の仏教文化に大きな影響をもたらしたのではないかと思った。日本の場合、三井記念美術館の展示でも分かるように、仏像は、青銅器から木造になっていく。いずれにしても、中国の影響、その文化のデカさをうかがい知ることとなる。

 そしてもう1館、世田谷美術館。「フェリックス・ティオリエ写真展 いま蘇る19世紀ピクトリアリズムの写真家」。
 
     

 初期の写真を展示している。パリの街中や郊外の風景、工業化が進む中での労働者の姿、家族など、ある意味、世界報道写真展と対峙するようなものかもしれない。

 その他の博物館・美術館については、機会を捉えて書きコしたい。

コメント
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