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齋藤大悟 : Daigo Saito

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草彅裕写真展「水を掬ぶ」角館町平福記念美術館

2025年07月01日 | 催し物

 

写真家・草彅裕さんの写真展が角館町平福記念美術館で始まった。今日のオープニングセレモニーには多くの方々が出席され、草彅さんのお話を交えて100点余りの作品を鑑賞。タイトルの「水を掬(むす)ぶ」には、草彅さんの感謝の気持ちが込められているという。鑑賞される方々と、この思いを「むすぶ」ことができればとも。テーマにされている「瞬間と循環」の、その流れの中に手を入れ、ご自身のルーツに迫るものを手のひらを合わせて丁寧にすくうというイメージが、展示空間全体に体現されているようで大きな感銘を受けた。また、会場では新しい出会いや10年ぶりの再会もあって、自身の歩みとしての「瞬間と循環」にも立ち会えたような思い。改めて感謝申し上げたい。会期は9月21日(日)まで。

 

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穏やかな日に

2025年06月22日 | 催し物


昨日、「松山隆宏 アコースティックライブ」がラモカフェで開催された。夏の夕べ、松山さんが「放課後の教室」と形容されたラモカフェの空間は、ダンディーな歌声と共に、生き方そのものを体現するようなギターの音色に包まれていた。その響きに直に触れ、大きな感銘を受けた。

 

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土門拳写真美術館

2025年05月17日 | 催し物


改称されてから初めて訪れる土門拳写真美術館。今日は学芸員さんのギャラリートークがあり、貴重なお話に理解を深めながらじっくり鑑賞することができた。土門拳が世界をどのように見て、考え、被写体に迫り、捉えようとしたのか、氏の表現が多角的に展覧されることによって、イメージがより鮮明になる思いがした。「写真家は瞬間の宿命に生きる芸術家である。」の一言は、土門拳の気概そのものに思えた。会期は7月6日(日)まで。

 

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日野沙耶展 ギャラリーブルーホール

2025年05月10日 | 催し物

日本画家・日野沙耶さんと、美術史家・山本丈志さんによるアーティストトークの様子

「Shadow of the Flame 新たなる日本画への挑戦」と題して、日野沙耶展が秋田県潟上市のギャラリーブルーホールで始まった。初日の今日は展示作品を前にアーティストトークがおこなわれた。日野さんのお話に触れ、火の現象に対するどこまでも深い洞察は、ご自身の身近な体験と強く呼応していることを実感。だから私には、これらの火は日野さんの心の奥底にある燃え尽きることのない火であり、燃えさかる炎であるように思えたし、影の中に立ち上がってくる光はご自身の心の現象そのものに思えた。余白を取る作品は、私の地元の子供会行事である「才の神」の一場面を彷彿とさせた。この行事は子孫繁栄や無病息災を祈願する小正月行事で、藁と杭で建てた小屋に火をつけて焼く。余白は雪となり、描かれた灰は燃えさかる藁小屋の周りで遊ぶ子供たちの、ススを踏んで黒くなった無数の足跡に見えたのだ。足元に展示されたことによる臨場感も相まって、当時の記憶がよみがえったのかも知れない。そして、会場にはいつもお世話になっている方々はもちろん、以前お会いした作家さんの姿もあり、久々の再会に話が弾んだ。作品を通してつながる「思い」というものも実感。貴重な機会に感謝申し上げたい。10月25日まで。

ギャラリーブルーホール(小玉醸造株式会社内)

 

 

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絵本画家 藤嶋えみこ展 / ギャラリーブルーホール

2025年03月24日 | 催し物


ギャラリーブルーホール(小玉醸造株式会社)を訪れ、「絵本画家 藤嶋えみこ展 いるよ、あるよ、たぶんすぐそこ」を鑑賞する。作品を前に、我が家には何冊の絵本があるのだろうかと思いを巡らした。今、自室の本棚にあるのは「世界はまるい」(ガートルード・スタイン 文、クレメント・ハード 絵、マーガレット・ワイズ・ブラウン 編集、みつじまちこ 訳)という絵本だけ。他の部屋を探してみると、子供たちが幼いころに読んだものが思いの外たくさん出てきた。そういえば当時、福音館書店から月に何冊か絵本が送られてくる定期購読をしていた。子供に読み聞かせをする親の立場の私も、新しい絵本のページをめくるときは不思議とワクワクしたものである。

図録のテキストに、「私たちの目には見えない彼ら」という言葉が出てくる。藤嶋さんの世界にはたくさんの不思議な生き物たちが暮らしていて、豊かな自然と共にある「彼ら」との、かけがえのない交流が作品から伝わってくる思いがした。私は、そんな「彼ら」に、幼いころの子供たちを投影せずにはいられなかった。どんぐりを手のひらいっぱいにのせて満面の笑みを浮かべたり、豪快に草むらに転んでは泣きべそをかいたりした当時の情景が、「彼ら」をとおしてよみがえる思いがしたからだ。描かれた生き物たちの眼差しのように、子供たちは世界を見ていたのかも知れないとも思った。知らず知らずに自身の親心が育まれていたことも実感。今夜は、「おばけのてんぷら」を手に絵本の世界に浸ってみようか。

 

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土門拳記念館

2025年02月15日 | 催し物


写真原板の管理は、フィルムで撮影している者としていつも気に掛かっている。「土門拳を未来へ-写真アーカイブの試み-」と題してギャラリートークが行われることを知り、土門拳記念館を訪れた。長期保存に対する試行錯誤、土門拳が残した作品群を後世に伝えていく重要性、写真専門の美術館に課せられた使命とその思いに至るまで、学芸員さんのお話の中にうかがい知ることができた。私のつたない質問にも丁寧に答えてくださり大変ありがたい思いだった。美術館ほどの保存環境は確保できないにしても、自宅でやれることはまだまだあるなと実感した。
帰り際、中庭を眼下に横切って白鳥池の畔に行く。遠目に館を見てから再び戻って、光にかがやく外壁や足元にのびる影を見て回った。改めて、土門拳記念館の美しさを思った。

 

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RAMOギャラリー プライベートコレクターの思い

2024年09月19日 | 催し物


RAMOギャラリーで新しい展覧会が始まった。プライベートコレクターによるサルバドール・ダリとポール・デルボーの二人展である。早速訪れてみるとダリの作品がギャラリーいっぱいに展示されていた。以前、東京の国立新美術館で鑑賞したときは、作品の中の世界に入り込んで何かを見る思いをしたが、今回は作品から透けて見えてくるような、人間の持つ「本能」を見る思いがした。また、コレクターである伊東さんのテキストにはダリとの出会い、そしてご自身の思いがつづられていて大きな感銘を受けた。
ギャラリーのカフェスペースにはポール・デルボーの作品が展示されていた。鑑賞しながらギャラリーオーナーの山田さんと、常設展示作家の佐々木勇さんとの美術談議に花が咲いた。コーヒーはもちろん美味しかった。
この機会、窓越しの田園風景と鳥海山を眺めながら、ぜひご鑑賞いただきたくご案内申し上げます。11月10日(日)まで。

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写真幸福論 FUJIFILM

2024年08月30日 | 催し物

今年3月19日から25日まで、写真の新しい価値を体験する場として、代官山T-SITEにて「一生モノのフレーム店」が期間限定で開催されました。その様子を収めた動画がYouTubeに公開されております。それぞれの方々が抱く大切なものが写真プリントに込められることによって、心のつながりがより豊かに形成されていくのを感じます。わたくしは13名の写真家・クリエーターのひとりとして参加させていただきました。作品の展示風景も収められておりますのでぜひご覧ください。

 

 

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RAMOギャラリーで見た風景

2024年08月23日 | 催し物

受付テーブルの一角


「象潟を愛した画家・星野鐵之展」が、にかほ市のRAMOギャラリーで開かれている。一ヶ月ほど会期を延長するということで新しく展示された作品があった。エントランスのそばに掛けられたその作品は穏やかな山間の風景を描いたもの。何の変哲もない風景に見えたが、じっと見ているとなぜか慣れ親しんだ地元の風景と重なっていくように思えた。どこにでもあるような風景でありながら実はどこにもなく、ただその人の心の中にこそ現れてくるような風景にも思えた。

 

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日独写真家交流 in 象潟 Germany and Japan Photographers Interaction in Kisakata

2024年08月08日 | 催し物

鳥海山五合目の展望台から日本海にレンズを向けるクラウスさん
He is Klaus-san taking pictures from the fifth station of Mt. Chokai.


午後、クラウスさんとパートナーのハイクさん、そして草彅さんご夫妻をご案内し、象潟の食、文化、自然の一端を堪能していただいた。食は、老舗食堂「ブルーパーク」での美味しいオムライス(私は鳥海ラーメン)。文化は、金峰神社と奈曽の白滝を巡る修験道の歴史。自然は、清らかな元滝伏流水、雄大な奈曽渓谷、眼下に広がる日本海、そして鳥海山の雄姿である。皆さんに喜んでいただくことができて本当に良かった。写真談議に花が咲き、天候にも恵まれた。感謝申し上げたい。

In the afternoon, I showed Klaus and his pertner Heike, Mr. and Mrs. Kusanagi around my hometown Kisakata and they enjoyed food, culture and nature. Food were tasty oemlets at the restaurant called "Blue-Park" (Only I ate Chokai ramen noodles). Culture was history of Kinpo Shrine and Naso white waterfall. Nature was the clear Motodaki river-bed water, the grand Naso valley, the Japan sea from the fifth station of Mt. Chokai and Mt. Chokai showed its imposing figure. I was so happy that they were so happy to be able to interact with my hometown. Also we had a lovely conversation about photography and fortunately we had a great weather. Thank you so much.

 

 

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写真展「Flow/Glow」秋田市文化創造館

2024年08月07日 | 催し物

 

 

 


秋田市とパッサウ市(ドイツ)の姉妹都市提携40周年を記念した写真展が開かれている。草彅裕さんは「Passau-川に集う-」、クラウス・ディッテさんは「秋田物語」と題して、お二人がそれぞれの都市を訪れ、両氏の視点で捉えた作品が秋田市文化創造館で一同に展示されている。
草彅さんの作品からは川と人とが関わり合う息づかいが感じられ、日常の何気ない瞬間と美しさに、水の流れがあるからこそパッサウ市が成立していることを実感した。また、草彅さんが撮影している「玉川」の光景にオーバーラップして見えてくるものもあり、水に対する鋭い視点を通して、草彅さんご自身の水への思い、その関係性、そして異文化に向き合う真摯な姿勢が伝わってくる思いがした。
クラウスさんの作品からはクラウスさんご自身の日本文化に対するリスペクトと品格が感じられた。作品に親近感を覚えたので「わびさび」について質問してみると、彼の作品作りの根底にあるものだという。さらに、14歳のときに見た黒澤明監督の「羅生門」にインスパイアされているとも。心的な部分により深くアプローチしようとする思いが、身近な秋田の光景を通して伝わってくる思いがした。
お二人の展示に、何かが交わる瞬間のかけがえのなさを思い、感銘を受けた。お二人のスピーチにもそのかけがえのなさや感謝の念があふれていた。会期は8月19日(月)まで。

 

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RAMOギャラリー 美術談議

2024年07月20日 | 催し物

 

午後から激しく雨が降る。運転中は見通しが悪く、道路には至るところに大きな水たまりができていた。帰りにRAMOギャラリーに立ち寄って「星野鐵之展」を鑑賞。ギャラリーオーナーである山田さんとの美術談議に花咲く。ライティングの行き届いた展示空間は外が暗くなるにつれ雰囲気が増し、作品自体の空気感あるいは情緒がより深まって見えてくる気がした。そう見えた一因は会話の深まりにもあるのだろう。時間を作ってくださった山田さんに感謝申し上げたい。展覧会は会期が一ヶ月延長されるという。この機会にぜひご来場いただきたく改めてご案内申し上げます。

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象潟を愛した画家 星野鐵之展 RAMOギャラリー

2024年06月28日 | 催し物

佐々木イサム作品・キリンの親子像(部分)

「象潟を愛した画家 星野鐵之展」が、にかほ市象潟町のRAMOギャラリーで開かれています。描かれているのは象潟を象徴的に表したものではなく、日常の営みの中に溶け込んでいるような風景です。いつも流れるように過ぎ去っていく風景の前に、ふと立ち止まらせてくれる印象を受けました。その瞬間によみがえる遠い日の記憶や心情が、自分がこの地に生まれ育ったことを強く実感させてくれる思いがしました。地元コレクターの伊東さんは言います。「先生が亡くなってから、好きだった象潟で星野展をやりたいという思いがいつしか僕の中で使命感に変わっていった…。」画家とコレクター、そして象潟の方々との交流をも描いたような展覧会。この機会にぜひご鑑賞いただきたくご案内申し上げます。あわせて、佐々木イサム作品を常設展示しておりますので重ねてご案内申し上げます。

会期:2024年6月12日(水)-8月18日(日)

場所:RAMOギャラリー(ラモカフェ)

時間:午前10時-午後4時(金曜日は午後10時まで)

休館:毎週月曜日と火曜日・7月22日-7月31日・8月10日-8月16日

お問い合わせ:電話 0184-44-2037 担当 ヤマダ

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RAMOギャラリー プライベートコレクターによるWOMAN展

2024年04月27日 | 催し物

RAMOギャラリー(ラモカフェ)の展望デッキにて

RAMOギャラリーでは「プライベートコレクターによるWOMAN展」と題して、ジュル・パスキン、エルミーヌ・ダヴィット、国吉康夫らの作品が展示されています。先日は地元コレクターの方と美術談議をする機会をいただきました。収蔵作品をギャラリーに展示し、比較することによって初めて見えてくるものがあることや、作家名もタイトルも取り払って、ただ作品を前にして純粋に何を感じることができるのかということなど、話題は尽きることがありませんでした。作家の視点、コレクターの視点、そして自身の視点を行き来しながら鑑賞できたように思い、いずれの視点にも共通するであろう大切な「何ものか」の輪郭が、おぼろげながら見えてくるような気がしました。会期は5月5日(日)まで。ラモカフェの香ばしいコーヒーと共にぜひご鑑賞いただければ幸いです。

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佐々木徳朗写真展「暮らしをウツス」

2024年04月10日 | 催し物

ソメイヨシノとリアス・アーク美術館


春の光を浴びて

リアス・アーク美術館では「食と地域の暮らし展 Vol.8 暮らしをウツス」と題して、佐々木徳朗さんの写真展が始まっています。徳朗(とくろう)さんは昭和10年生まれ。カメラを手に約70年にわたり地元気仙沼地域を見つめ、その土地に根ざした視点で撮影を続けられています。初日の今日は徳朗さんご本人が在廊されていて、貴重なお話を伺いながら鑑賞することができました。展示作品は記録写真としてはもちろん、効率化や利便性追求によって失われてきたものは何かと問いかけてくるような眼差しが感じられ、また、昭和、平成、令和と定点撮影された農村風景の作品からは、なぜか次代の農村風景をイメージできてしまうような気がして、少し怖いような感覚にもなりました。すべて気仙沼地域で撮影されたものでありながらどこか自分の記憶とも重なる部分があり、徳朗さんの視点を通して今は亡き祖父や祖母、父の姿を見せていただいたような気がします。会期は6月2日(日)まで。詳細はリアス・アーク美術館のホームページをご覧ください。

リアス・アーク美術館 https://rias-ark.sakura.ne.jp/2/

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