齋藤大悟 : Daigo Saito

http://blog.goo.ne.jp/sd5-photograph

酒田市美術館 熊谷守一展へ

2023年03月28日 | イベント

木と彫刻と鳥海山

酒田市美術館で開催されている特別展「熊谷守一 いのちを描く」を鑑賞しました。特に、作品「仏前」の前では、黒いおぼんの黒色の黒さに吸い込まれるようでしばらく動くことができませんでした。我が子への思いや様々な心情が底知れぬ黒さに清く現れているように感じられました。私にも同じくらいの娘がいるので、よりそのように感じたのかも知れません。

コメント

リアス・アーク美術館 N.E.blood 21展 感謝と御礼

2023年03月21日 | イベント

朝、内湾から「祈りの帆(セイル)」を望む

 

N.E.blood 21展 Vol.80 齋藤大悟展、Vol.81 伏見恵理子展が、共に3月19日(日)をもって会期終了となりました。たくさんの方々にご高覧いただき、貴重なお話やご感想をいただきましたこと、この場を借りて感謝と御礼を申し上げます。写真をとおして気仙沼地域の皆さまと対話ができるのかを見極めたいという思いからリアス・アーク美術館でいただいた今回の機会。対話というより、むしろ何か大きなもので受け入れていただいたという気持ちでいっぱいです。「海は怖いけど、やっぱり海はいい。海は生きている。」と、ご来場の方から伺ったとき、災いも恵みもあわせ持つ海の計り知れない力を思わずにはいられませんでした。「何か大きなもの」の中には、きっと、そんな海と密接に関わり合う暮らしの中で育まれた地域の方々の自然観や価値観があるのだと思います。

気仙沼にはあわせて10日ほど滞在しました。その間、海沿いを見て回ったり、復興祈念公園を訪れたり、市場で買い物をしたり、美味しいものを食べたりと、ほんの少しですが限られた時間の中で地域の雰囲気を肌で感じることができました。作家交流会と懇親会に出席した翌日、秋田に戻る前に美術館を訪れ、震災の展示を改めて拝見しました。すると以前拝見したときとは異なって見えてくるものがあり、受け止める感情の度合いも異なるものがありました。「写真のこの場所はあの辺りになるのかな」「この山はあの辺りの山並みかな」「あの場所は震災当時このような状況だったのか」と、10日ほどの滞在で得た場所の記憶や思い出が、目の前の写真と言葉につながるものがあり不思議な感覚がしました。地元を郷里と感じる感覚は、もしかしたらこんなふうに心に形作られていくのではないか。その形作られていく過程を見ているような気がしました。あたりまえと言えばあたりまえのことなのかも知れませんが、わたしには鳥肌が立つ感覚でした。何気ない景色が特別なものになっていく感覚にも似ているような気がしました。

「ご縁」や「つながり」の不思議さ、ありがたさを実感した展覧会でもありました。震災の日は追悼すると共に自分自身の在り方を問われる思いがしました。改めまして、ご来場いただいた皆さま、館長の山内さん、学芸係長の岡野さん始め美術館の皆さま、プリント・パネル加工を始め関わってくださいました皆さま、そして、日頃からお世話になっている皆々さまに感謝と御礼を申し上げる次第です。ひきつづきカメラを手に海と向き合ってまいりますので今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

齋藤大悟

コメント

震災の日

2023年03月13日 | 太平洋

 

震災の日を気仙沼で迎えました。地元にいては思い至らなかったことまで感じるものがあり、追悼すると共に、人の在り方、自身の在り方を問われる思いがしました。
リアス・アーク美術館には多くの人が訪れ、N.E.blood 21展をご覧になった方々からは貴重なお話やご感想をいただくことができました。どうもありがとうございました。

コメント