葬儀屋日記 byノブアキ

つれづれなる葬儀屋さんの日記です

丁稚の小部屋 マサについて

2005年05月27日 | つれづれ日記
ウチの親父はアキマサと申しますが
3年前に腎臓を患って、59歳で他界いたしました

私は親父の一字をもらい長男で信顕(ノブアキ)
弟も親父の一字をもらい次男で正則(まさのり)
佐藤葬祭の長男次男として葬儀屋をやっております

旧・丁稚の小部屋でブログを書いていた新人マサ
皆様にご紹介遅れましたが・・・

私、佐藤葬祭の代表のノブアキの実の弟になります

すこし年の離れた弟で、当年まだ21歳と若造でございます
親父が早くになくなりましたので一緒に葬儀屋をやっております

まさは学校が終わるのをまって、葬儀屋になりましたので
まだ新人といえば新人でございます


仕事が忙しいものでなかなか、父の墓参りにもいけませんでしたが
まさのりが本格的に葬儀屋をやってくれるということで
この前二人で、やっと親父様の墓参りに行ってきました


二人で、お墓をゴシゴシときれいに掃除して
花を供えて、お線香を炊いて


親父にマサが葬儀屋になったことと
親父の代わりに、きちんと一人前の葬儀屋にすることを
約束してまいりました。

弟が葬儀屋をやってくれることを
一番喜んでくれるのは

きっと、あの頑固で優しい親父だったろうに
と晴天のちょっと汗ばむぐらいの陽気の中
墓参りをしながら私も少々涙ぐんでしまいましたが

大事な約束を必ず守るのが親父さんの
生き方でしたんで

(まあ、それで家族は苦労をしたこともあったんですけどね(笑))


親父さんに、心配かけないよう
継いだ暖簾をまもっていこうとと
新たに心に誓った5月でした




----------------------------------
親父様へ

親父様がいない分
マサは私が、責任もって
一人前の葬儀屋しますんで

安心して寝ててください

 合掌


追伸:親父様が生前お前にはまだ教えてない
おいしいトンカツ屋があるんだといっておりましたが
それだけは、幽霊でもいいんで教えてください。

 食道楽だった親父様へ

------------------------------------

---------------------------------------------------

時間があったら当社HPもご覧ください> 葬儀・葬式・密葬の佐藤葬祭

あなたのクリックは佐藤葬祭の亡き父との約束です



お別れのときは透明な立場で・・

2005年05月26日 | 葬儀屋ポエむ&葬儀屋はなし
何かを演出したり、何かを無理にしようとすると
それはとても不自然でおかしな物になってしまいます

自己陶酔みたいなナレーションも
特に奇抜な飾り付けをすることも
本当に不自然なことです

その人らしくてそれが当たり前なら
それが一番です

でも無理にその人らしさを
演出はいらないのです

できるだけ透明に亡くなった人が
見えるお葬式ができること
それがとても大切なことだと思います


だから、僕は透明な仕事をしたいと
思います

余計な色を持たずに、透明に
お客さんの心に素直に。。。


その人なりのその人らしさを
普通のなかにきちんとあるものです。
---------------------------------------
最近の葬儀業界は、どうも本質を見失っているところがあって
安いか奇抜かどちらかに変形してしまっています。

安物を使えば、葬儀は安くできます
変わったことをすれば、葬儀は人と違うものになります。

それはとても安易な失敗だと思うのです。

葬儀屋の基本はいつだって
お客さんの意向を汲んで、きちっとした
いい仕事をすること

できるだけ、我を抑えて、自分のわがままにならず
どれだけお客さんの気持ちに透明になれるか
そういうことが大事なのだと思います

それは僕のお師匠さんの時代から
なんにも変わらないことなのです

それはきっとどんな仕事でも
同じで

お客さんの気持ちを組んで
納得がいくものを提供するってことなんでしょう

当たり前すぎて何のとりえにもなりませんが
そうして70何年ウチのお店は続いてきたので

大事にしていきたいなとそう思います。
---------------------------------------------------

時間があったら当社HPもご覧ください> 葬儀・葬式・密葬の佐藤葬祭

あなたのクリックは佐藤葬祭の最後の透明な気持ちです


最後の花見

2005年05月26日 | 葬儀屋ポエむ&葬儀屋はなし

ずいぶんと季節外れなお話ですが
昔から、桜の枝折る馬鹿・・
梅折らぬ馬鹿とはいいます

今日はある桜の季節の
心優しい桜折る人の話をしようかとおもいます


その人は告別式の日に
酔っ払ったままやってきました
故人の友人さんということで
だれもなにも言いませんでしたが

明らかに酒臭くて、昼間から酔っ払って
お葬式にやってきました

どこかで折った桜の大振りな枝を肩に担いで
ネクタイもちゃんと締めず焼香もせず
式場の前をうろうろしていました


「まったく 困ったもんだ・・」
と親戚の人も、僕ら葬儀屋も思っていました


最後のお別れをするまでは
そこにいた人は、みんなそう思ってました・・・・・




告別式のお経も終わって、さあ最後のお別れです
家族の方から棺にお花を入れてもらって
しめやかに最後のお別れは進みます

家族の方がお別れが終わると今度は一般の
方のお別れです

おおきな声で皆さんに司会が伝えます
「最後のお別れとなりますので一般の方も、どうぞ
式場内へお進みください。なるべく多くの方で
お別れをしてあげください」

司会の声がかかると、その桜を担いだ
酔っ払いのおじさんも、場内に入ってきました

「おれも、お別れさせてもらうよ・・」
そういって場内に桜を担いで、すたすたと進んできました

桜を入れてあげるんだろうなあとおもって

「どうぞ、そのお花も入れてあげください」と
そばでそのおじさんに僕は声をかけました。

「ああ」とつぶやいて

桜の枝をバサっと故人の胸元に置きました

まったく礼儀のなっていないひとだなあと
おもったのはきっとあの場では僕だけではなかったと
思います



でも、ふとみあげると
その人は、涙ぐんで声を押し殺して肩をゆすって
泣いていました。

そして、まるで呼びかけるような声で
棺の中に眠っている、自分の友達に話かけていました

「○○ちゃんよぉ、元気になって花見で飲もうなあって
いったじゃないか、お前が死んだなんて

俺は、信じられないよ・・・




馬鹿な事だって分かっているけど
こうやって桜も持ってきたよ・・・


いつかさ、そっち行くからさ・・

そしたらまた一緒にのもうな・・」


そう、泣きながら話しかけていました


そうして、小さなビールの缶をポケットから
取り出して

「葬儀屋さん飲ませてやってもいいかな?」って
聞かれました

家族の人を、確認に見返すと
いっぱいの涙を浮かべて、コクンと一つうなづいてくれました


「ええ、飲ませてあげてください」

そういうと

プルトップを静かに引いて
故人の口元に小さなビールの缶を
無骨な大きな手で静かにかけていました

桜折る馬鹿とはいいますが
友達から、最後の花見をプレゼントしてもらえる
とはなかなか素敵な最後なのかもしれません

---------------------------------------------------

時間があったら当社HPもご覧ください> 葬儀・葬式・密葬の佐藤葬祭

あなたのクリックは佐藤葬祭の最後の約束です


雨が降る頃に

2005年05月24日 | 葬儀屋ポエむ&葬儀屋はなし
葬儀の時に雨が降ると

空が涙を流しているんだと

一人の

古い葬儀屋さんが言っていました



あいにく雨が降ってしまって

慰めの言葉だったのかもしれません


あいにくの天気でも

空が涙を流してしまうなら



空なんて大きなものが

あの人のために泣いてくれるなら

なんだか救われるような気がします


昔の葬儀屋さんは

うまいことをいうもんです
*---------------------------------------------------

時間があったら当社HPもご覧ください> 佐藤葬祭HP

あなたのクリックは佐藤葬祭の粋な一言です



お話しを伺いたいのですがというメールについて・・・

2005年05月23日 | 葬儀屋ポエむ&葬儀屋はなし
葬儀業界のことを調べているんだけど・・
ぜひお話しを聞かせてくださいと

最近、そんな質問をよく受けます

母体に何十万人会員を抱えているからとか
全国展開できないだろうかとか
もっと消費者志向になれば、業界に革命を起こせるはずだ!
とか

そういうので、業界の話を聞きたいという
相談です。

大きな会社がないから
ぬるい業界のはずだとおもっている
人たちが結構います。

いまだに大もうけできるもんだと思っている人たちが
結構いるのにはびっくりです(笑)


小さいころから、この業界を見ていますが
大もうけできるような商売じゃないことは
確かです

大量生産できないんですもん

あたりまえです

人の心に触れる仕事ですから
アルバイトにマニュアル渡したぐらいじゃ
出来るわけがありません

きちんと勉強しなかった
人たちも、もって5~10年ぐらい

葬儀屋もどきの人たちも持ちません


なんとなくは葬儀屋さんぽいことはできても
全体で心に伝わるような
仕事が出来ないから、もたないのです



葬儀は、成長産業だから新しいビジネスチャンスだと
おもっている人たちへひとつだけ言いたいことが
あります


片手間で葬儀の業界に足を突っ込んで
やけどするのは勝手だけど


お客さんに、ひどい葬儀しか提供できないようであれば
自分よがりの葬儀しか提供できないような葬儀屋モドキさんは
ほっとかないですからね(笑)

なんせ今年のテーマは戦う葬儀屋さんですから
これを読んでギクッとする、葬儀屋モドキさんや
新規参入さんや、上前だけはねる葬儀ブローカーさんは
どうか、今のうちに襟を正してくださいね

そうでないと、わたし怒っちゃいますよ
あははは

---------------------------------------------------

時間があったら当社HPもご覧ください> 葬儀・葬式・密葬の佐藤葬祭

あなたのクリックは佐藤葬祭の仕事への冷静な情熱です