葬儀屋日記 byノブアキ

つれづれなる葬儀屋さんの日記です

つながりがあるから

2005年03月27日 | 葬儀屋ポエむ&葬儀屋はなし
「ちっちゃいころ 

よくあのお店でお世話になったんだ」

そう60過ぎのだんなさんが奥さんにつぶやいてた



「やつとは、親友って言うか こっちだったな・・」

そういって 白髪のおじさんが牌を打つしぐさをして

すこし恥ずかしそうに笑ってた



最後のお別れのときに

花を入れながら 泣いてるおばさんがいた



たくさんの人が居て

たくさんの別れを自分なりにしてた


みんな 笑顔のままで

その人なりの涙をこぼしていました


「あいつとはよく飲んだなあ」

通夜振る舞いの会場ではそんな声も


 すこし




やかましくもなく

されとて

沈んだこともなく

みんなが自分の分をわかって

できることを

できるなりに

何事も無い

火葬上でのお葬式

お葬式が終わって


佐藤さんね
あたしあんなに、去年何本もお葬式を挙げたんだけど

あんなに何事もなくうまくいったのは

初めてだった

ありがとうね




でも僕が偉いことはなにもありません

いままできちんとお付き合いしてきた

その奥さんと亡くなった旦那さん

いいご両親に育てられた

人のいいお子さんたち

付き合ってきた皆さん

みんないいひとだったんで

私がふつうにお葬式を手伝っただけで

いい葬式になったんですよ



そういうと 奥さんは

静かに



「ありがとね」



そう

もう一度いいました




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あるまちの商店のオヤジさんを送ったときの話です
そこかしこでそのオヤジさんとの思い出が
話されていました

人生の最後で、その人やその人の人柄や
周りに人たちがいったいどんなふうに


生きてきたのかなんとなくわかります


お金があるから幸せとか
お金が無いからうまくいかないとか


そういうことじゃなくて

どんな人に囲まれて
またどんな風に生きてきたのか

そんなことがとても大事なことなんだと
わかるような気がします

いい人生を送って
いい最後を迎える

そういうのってあこがれます

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