耐え忍び 耐え抜くのだ……
『火を放たれたら手でもみ消そう、
石を投げられたら躯で受けよう、
斬られたら傷の手当てをするだけ、
どんな場合にも、彼らの挑戦に応じてはならない
ある限りの力で耐え忍び、耐え抜くのだ』
山本周五郎著 「樅の木は残った」より [新潮文庫(上)(中)(下)]
江戸初期の「伊達騒動」を題材にした時代小説。幕府の大藩取りつぶし計画に、仙台藩62万石の安泰のため、
命をかけて戦った原田甲斐。味方をも欺き、悪評にもめげず、敢然と闘い抜いた甲斐。
目的のために姿勢を貫き通した甲斐の孤独な生き方が胸を打つ。あまりにも揺るぎのない生き方は、愚直ですらある。
その甲斐に、「……耐え忍び、耐え抜くのだ」、しかも「ある限りの力で」と言わせる山本周五郎。
どんな辛いことがあっても、「ある限りの力で耐え忍び、耐え抜くのだ」。そこから道が開け、解決の糸口が現れるのだと、
これは立派な人生訓である。
視点を変えれば、東日本大震災や福島第一原発で被害を被った人々への「応援メッセージ」とも読み取れる。
ことの葉散歩道(3)
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