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今日のことば 国際女性デー いまだ残る女性器切除の習慣

2024-03-13 06:30:00 | 今日のことば

今日のことば 国際女性デー いまだ残る女性器切除の習慣
  新しいカテゴリーです。新聞、雑誌、本、ドラマなどで
  心に響いたことばをアップし、できればアップした理由などを載せたいと思います。

  国際女性デー 3月8日
    女性の地位向上、女性差別の払拭等を目指す国際的な連帯と統一行動の日。
   1975年に国連が記念日として制定しました。
   そのルーツは、1900年初頭にアメリカ・ニューヨークで起こった、 
   女性の参政権や女性労働者への差別撤廃運動にまでさかのぼるようです。
    女性の権利を主張し、女性差別を払拭する運動は、時代の変遷の中で各国で起きましたが、
   国連が1975年に『国際女性デー』として提唱し、局地的な女性の地位向上運動ではなく、
   国際的な運動として認知されるまでに、70数年の時間がかかったということです。

    さて、それでは我が国の女性の地位は世界で何番なのか。
   これをジェンダーギャップ指数と言います。
   日本は146カ国中125位(2023年)ということになります。
   残念なことに2022調査の116位から順位を9つ落としています。
   指数は、「政治」「経済」「健康」「教育」の4項目で査定されます。
   項目別の日本の指数を見てみましょう。

   【政治】138位 【経済123位 【健康】59位【教育
】47位 総合で125位
   政治社会ゃ経済社会への女性の進出が低いということは、
   日本では男女平等と謳いながら、社会通念が家事や育児がまだまだ女性の役割と根強く残り、
   男性が子育てなどで育児休業を取りずらい労働観なども、
   男性優位の考え方が払拭されずに残っていることの表れと思います。
    
    封建時代から明治時代へと新しい国家が誕生したが、
   維新を牽引した社会は従来の男社会の中で育ってきた男達だった。
   それでも、近代社会の中でほんの一握りの女性たちではあるが、
   女性の社会的地位向上に活躍した女性がいたことを忘れてはならない。
   樋口一葉、平塚らいてう、与謝野晶子、津田梅子たちである。
   
G7(主要7カ国)の順位を見てみましょう。
  ドイツ(6位)
  英国(15位)
  カナダ(30位)
  フランス(40位)
  米国(43位)
  イタリア(79位)
  日本(125位)は最下位。

 ここまで調べてくると上位の国が気になります。
   1位 アイスランド 
   2位 ノルウェー 
   3位 フィンランド 
   4位 ニュージーランド 
   5位 スウェーデン  

  ニュージーランドを除く上位国は、北欧の国々です。
 北欧は寒いけれども自然環境の豊かな国々が多い。
 4位のニュージーランドは日本の年間平均気温よりは低いが、自然が豊かである。
 女性の位置が高いのはどうも、自然環境と関係がありそうです。
 ただし、ニュージーランドは犯罪率が高く安心して住める国かどうかという点では疑問が残ります。
 日本の犯罪発生率と比べてみましょう。
  強盗……38倍 侵入窃盗……20倍 性犯罪……21倍 (日本大使館発表)
G7の国々が意外と女性の地位が低いのには驚くます。
文明や経済が発展し豊かになっても、
豊かさに比例して女性の地位向上が上昇するというものでもないようです。

 女性器切除 2.3億人が経験(ユニセフが報告)
                   (朝日新聞2024.3/10)
 ユニセフ(国連児童基金)8日、国際女性デー合わせて報告書を発表。
記事の内容は残酷で悲惨である。
2億3千万以上の少女と女性が、女性性器切除を経験している。
しかも、2016年比で約15%増しで、約3千万人の増加だと記事は伝えている。
こうした行為は出血が続き、感染症や不妊に苦しんだり、最悪の場合死亡のケースもある。

 国連総会は2012年に禁止する決議を採択したが、報告書が示す通り、改善の兆しが見えない。
 女性性器切除(Female Genital Mutilation)=(FGM)は、
 アフリカや中東、アジアの一部で現在も行われている習慣(社会的規範)だが、
 古代エジプト時代にはすでに始まっていたようです。
 年齢的には幼児期から15歳までの少女に行われるようです。
 大人の女性になるための通過儀礼とされ、結婚の条件になっている場合もある。
 しかし、FGMには医学的な根拠はなく、女性への肉体的、精神的な損害が大きく、
 利益はないと言われている。
  地域別FGMの例は次の通りです。
   アフリカ 1億4400万以上
   アジア  8千万人以上
    15~49歳の全女性を国別にみた場合、ソマリアが99%と最も高く、
                     ギニア95%
                     ジブチ90%となっている。

   「女性は結婚するまで処女を保ち、結婚して家庭に入るもの」

         という観念が根付いているようです。
  男性の妻となる資格を得るためにはFGMを受けなければいけないという、
  女性を男性の従属物として考えるような男性優位の思想も見え隠れしているのです。
  また、次のような考えもあるようです。
  FGMを行うことで、女性の性的衝動を抑制し、
  女性のセクシュアリティを管理するという目的もあります。
  女性が性行為に快楽を感じることを悪とし、
  FGMをすることで女性が結婚するまで純潔や処女を保てるという考えのもとに行われてようです。

法律で禁止されている……
 現在、アフリカのFGMが行われている28か国中22か国では、法律により禁止されています。
 しかし、法律を作るだけでは、
 長い歴史の中で人々の間に根づいた意識を変えることができていないのが現状です。
 さらに、女性が結婚を通して男性に経済的に依存することで生計を立てていくことが常識となっている地域では、
 FGMは女性が生きていくための手段にもなります。
 FGMを受けなければ女性は経済的にも生活できないのです。

 長い間の人間の生活習慣の中から生まれてきた社会的通年は、
法律で規制しても、なかなか改善できません。
「生きる」というのはどのようなことなのか。権利の平等などという意識が育たない社会で、
権利の平等や精神の自由を謳っても、人の心は簡単に変わらい。
FGMは減少しているが、ソマリアやギニア、ジブチのようにこの国で暮らす90%以上の
女性が
FGMを受け入れざるを得ない現実をみると、
根絶するためには、更に長い時間を要します。

(今日のことば№1)       (2024.03.12記)

 



    

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