雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

遠ざかる昭和(1) 童謡・あめふり

2017-09-09 08:30:00 | つれづれに……

遠ざかる昭和 (1) 童謡・あめふり
    朝から雨が降っている。天気予報では、終日雨になるらしい。
  畑仕事も今日は休み、久しぶりに蔵書の整理をする。
  童謡の本が出てきた。
  
   
  今ではほとんど歌われなくなってしまった「あめふり」だ。
     作詩・北原白秋 作曲・中山晋平

  1949(昭和24)年。僕は田舎の小学校に入学した。
  世の中はまだ貧しさが続いていた。
      僕らは下駄を履いて学校に行った。

  雨の日には、はだしで登校する生徒も多かった。
     (1) あめあめ ふれふれ かあさんが
       じゃのめで おむかい うれしいな
            ピッチピッチ チャップチャップ
      ランランラン

  雨降りはうれしかった。心がはずんだ。
  大好きな母ちゃんがカラカサを持って迎えに来てくれる。
  その期待感にワクワクしながら、
  授業が終わると下駄箱のある昇降口に飛んで行った。

  三番の歌詞も妙に僕の心を捉えて離さなかった。
  貧しさゆえに弁当を持ってこられない生徒は、弁当の時間教室を抜け出し、
  運動場の端にあるブランコで遊んでいた。
  時々は先生の弁当を分けてもらっていたことなど鮮明に覚えている。
  そんな生徒は雨が降っても親が迎えに来ない時が多く、
  僕とは反対にずいぶん寂しい雨の日を迎えていたのだろう。

      現在の学校では、「置き傘」といって予備に一本学校に置いておくので
  下校時に急な雨が降っても、迎えに行く必要がない。
  だから、きっと、この童謡は歌われなくなっていったのだろう。

   (3) あらあら あのこは ずぶぬれだ
        やなぎの ねかたで ないている
        ピッチピッチ チャップチャップ
        ランランラン

   (4) かあさん ぼくのを かしましょか
       きみきみ このかさ さしたまえ 
       ピッチピッチ チャップチャップ
       ランランラン
  

   (5) ぼくなら いいんだ かあさんの
        おおきな じゃのめに はいってく
        ピッチピッチ チャップチャップ
        ランランラン
       
     (1)(3)はよく覚えているが、他は記憶にない。
 
  みんなが貧しく、洗濯たらいや洗濯板が活躍していた時代。
  冬は靴下ではなく足袋を履いていた。
  つぎはぎだらけの足袋だったが  
  母ちゃんが夜なべで繕ってくれた足袋を恥ずかしいとは一度も思わなかった。
      家族のためにみんなが寝静まった後も、なにかをしていた母ちゃん。
  火鉢の五徳に載せられた薬缶の湯気がチンチン音を立てて立ちのぼっていた情景を、
  
今でも鮮明に 思いだすことができます。 

  景気が上向き、「神武景気」と言われる時代が来た。
  1955(昭和30) 年 僕は6年生になっていた。
  
三種の神器と言われ、電気冷蔵庫、電気洗濯機、テレビジョンが家庭の経済状態のバロメー 
  ターとなった。
  封書10円 はがき5円の時代だった。

  昭和の時代が遠くなっていきます。
               (つづく)
     (つれづれに……心もよう№67)  (2017.9.8記)



















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