話題の新星 陸上ドルーリー選手
(第三区を走るドルーリー選手)
ストライドがいい。
何よりも頭のてっぺんから体幹を貫き通す一本の線のように重心がぶれない。
だから、フォームが美しく、前にまえにと体が飛んでいく。
スタンスが広く、後ろ悪は体幹を前面に押し出すようにまっすぐに伸びている。
前にけりだした足の高さもよく、体が飛ぶように移動していく。
腕の振りもよく、脇の甘さもない。
ドルーリーは38位でタスキを受けると、最初の1キロを2分55秒で通過。
速い。
次々に競争相手を抜き、17人抜きの快走で順位を21位に押し上げた。
従来の区間記録(9分10秒)を上回る9分2秒の好タイムで4区の選手にタスキをつなぐ。
大きい舞台での駅伝は初めてだったけど、楽しかったです」と余裕の笑顔を見せた。
スタートから勢いよく飛び出し、わずか200メートルで3人抜き。
呼吸は乱れず、力強い腕の振り、大きなストライド。
身長157センチとは思えない力強い走りだ。
17人をごぼう抜きして、一陣のさわやかな風を巻き起こし
全国舞台の駅伝は初めての快走に、早くも15歳の原石に、
成長を重ねれば20歳で迎える28年ロス五輪への期待も見えてくる。
2023年1月15日、第41回全国都道府県対抗女子駅伝は9区間42・195キロで争われ、
今年は大阪が優勝を飾った。
しかし、翌日の新聞各社は大阪の優勝を完全に食う形で、
ドルーリー選手の快挙を一斉に報じた。
3区3キロを走ったドルーリー朱瑛里(岡山・鶴山中)中学3年生が素晴らしい記録をた たき出した。9分2秒の区間新だ。
区間新もさることながら、彼女の競技環境に誰もが驚く。
大勢の部員が監督やコーチのもとで、
科学的なで合理的な競技練習を展開する環境が一般的なイメージだ。
岡山県津山市立中学校3年生陸上部。部員数は各学年ごとに1人の合計三人。
だから、単独の駅伝チームを組めず、
昨年の春まではタスキの渡し方すら知らなかったという。
恵まれた環境ではない。
指導者がいなければ自分で工夫する。
体の調子を見つめながら、インターネットで調べた練習メニューを実践。
自分流に組み立てる。
カナダ人の父と日本人の母を持つ。
小学4年で地元の津山ジュニア陸上競技教室で練習を始め、
小学6年までは陸上と並行してバスケットボールにも親しんだという。
走るのが「走るのが好きだった」彼女には、恵まれた天性の才能がある。
競技歴
2022年の全国中学校体育大会女子1500メートルで4分23秒79を出して優勝。
2位に5秒以上の差をつける独走Vだった。
同年2か月後、U16陸上大会女子1000メートルは2分45秒84で優勝(大会新)。
絵を描くことが趣味で、岡山県内のコンクールで入賞したこともある。
前に人が見えると闘志をみなぎらせる負けん気の強さが、
競技にもプラス作用をしているのかもしれない。
真面目で、何事も吸収する聡明さがあり、栄養面なども自分で積極的に調べて行動できるそうで
す。知性を走りに生かせるのは強みですね。トラック種目のレースを見ても、高校生や実業団選
手を引き連れて先頭で走る度胸もある。(福祉加代子)
今年の春は高校一年生。
すでに、水面下では激しい磨けば光る原石の争奪戦が始まっているのだろう。
彼女を獲得する関係者よ、どうかこの逸材の芽をつぶさぬように温かく見守り
大切に育ててほしい。
(つれづれに…№135) (2023.01.13記)
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